うつけ姫の弟   作:ホークス馬鹿

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決着、桶狭間!です。


決着、桶狭間!

出撃の支度を済ませ、馬に跨った信忠。

その時

 

ポチャ

 

信忠「ん?」

 

突然上から水が当たったのを感じ、空を見上げると

 

ザーッ

 

大粒の雨が一気に降り注いだ。

 

信忠「ふふ・・・ははは!!」

 

すると、信忠は高笑いを上げると、馬を動かし信奈の傍に行き

 

信忠「姉上!熱田大明神は風だけでなく、雨まで運んでまいりましたぞ!」

 

天の恵みだと答えた。

 

信奈「これぞ天運!このまま一気に本陣まで駆けるわよ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

信忠「この戦に参じた者は家の名誉、末代まで語り継がれよう!!天は我らにあり!ひたすら励めぇ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

二人の堂々とした姿を言葉に、織田軍将兵の士気は最高潮に上がった。

そして、その勢いのまま義元率いる本隊がいる桶狭間に迫ったのだった。

その頃、今川本陣では

 

 

 

 

 

今川本陣

 

 

 

 

 

義元「ふむ・・・なんて雨じゃ・・・風も強い・・・」

 

「そのようですね・・・これじゃあ出発もままなりません・・・」

 

「うむ・・・」

 

突然な雨と強風に、本隊は出発出来なかった。

 

 

 

 

織田軍

 

 

 

 

 

そんな中、織田軍は遂に今川軍本隊を捉えた。

 

信忠「狙うは今川義元ただ一人!!真っ直ぐ本陣に向かえ!!」

 

そして、信忠は全軍に突撃命令を下そうとするが

 

秀隆「あ、あれ!?勝蔵と平八がいない!?」

 

長可と忠正がいない事に秀隆は気付いた。

その長可と忠正はというと

 

 

 

 

 

長可「へへ・・・いっちょ暴れて、かき乱してやろうぜ!」

 

忠正「ああ・・・暴れ甲斐のある数だぜ・・・!」

 

勝手に持ち場を離れ、今川本隊に近付いていた。

二人共、早く今川軍を蹂躙したくて我慢出来なかったのだ。

 

長可「・・・よっしゃああ!行くぞ、平八!!」

 

忠正「おうよ、勝蔵!!」

 

そして、二人は馬を走らせて今川軍に突っ込んだ。

 

「な、何じゃあの二人は!?」

 

「何者だ貴様ら!?」

 

「名を名乗れ!!」

 

今川兵が、二人に尋ねた瞬間

 

ドシュ!ザシュ!

 

槍であっという間に殺されてしまった。

 

「な、敵か!?」

 

「二人で乗り込むなど・・・一斉にかかれ!!」

 

「「「うおおお!!」」」

 

敵だと察し、一斉にかかるも

 

長可「オラァァ!!」

 

ザシュ!

 

忠正「たりゃあああ!!」

 

ドシュ!

 

「「「ギャアアア!!」」」

 

二人には何も出来ず、返り討ちにされた。

 

長可「ヒャーッハー!!今川兵撫で斬りだー!!」

 

忠正「素っ首刎ねまくってやるぜー!!」

 

二人共、すっかり目を血走らせながら今川兵の首を次々に刈り取っていき

 

「「「お、鬼じゃ!鬼が現れたぞ!!」」」

 

前衛は恐怖で混乱した。

 

 

 

 

信忠「今川の前衛が混乱したぞ!!全軍、突撃だ!!」

 

どんな形であろうとも、前衛が混乱した今が好機だと思った信忠は、改めて全軍突撃命令を下した。

 

可成「全く彼奴らは・・・」

 

秀隆「本当に申し訳ございません、三左衛門様・・・」

 

盛政「まぁ良いではないですか・・・お陰で前衛は混乱しましたし・・・咎めは、戦の後でよろしいかと。」

 

勝家「理助の言う通りです。今は義元の首を取る事に集中しましょう。」

 

可成「・・・そうじゃな。若も特に言わぬようじゃしな・・・」

 

可成は、長可と忠正の相変わらずの猪突に怒りマークを付けたが、勝家らに言われ、切り替えながら馬を走らせると

 

ドシュ!ザシュ!ザシュ!

 

「「「ギャアアア!!」」」

 

「こ、今度は何じゃ!?」

 

「う、うわああっ!!織田軍の奇襲だー!!」

 

可成「『攻めの三左』の槍、改めて味わうが良い!!」

 

勝家「行くぞ理助!共に鬼の異名を持つ者同士、暴れまくるぞ!!」

 

盛政「はい、権六殿!!」

 

秀隆「勝蔵と平八は・・・けど、それは後で!」

 

次々と今川兵を討ち取っていき、後に続く信忠の軍団も

 

「「「ギャアアア!!」」」

 

今川軍を減らしていった。

因みに信忠も

 

信忠「ハッ!」

 

ドシュ!ザシュ!

 

「ガハッ!」

 

自ら槍を振るって今川兵を討ち取っていった。

この様子に

 

信奈「相変わらずの強さね、信忠の兵は・・・」

 

長秀「そうですね・・・」

 

信奈と長秀は、顔を引き攣らせていた。

 

良晴「『鬼武蔵』に『鬼柴田』、そして『鬼玄蕃』って・・・信忠には鬼の異名が揃いすぎてないか・・・?」

 

良晴は、信忠の直臣には鬼の異名が付く者が多すぎないかと感じていた。

 

信奈「けど、信忠に遅れをとるわけにはいかないわ!!突撃よ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

信奈は、信忠達の活躍に刺激を受け、本隊を突撃させた。

 

長秀「ハァァッ!」

 

ズバッ!

 

「「「ウワァァッ!!」」」

 

利家「ハァァッ!!」

 

ザシュ

 

「「「ギャアアア!」」」

 

長秀と犬千代も、必死に武器を振るい戦った。

 

信忠「ハッ!」

 

ザシュ!

 

「ガハッ!」

 

信忠は、敵味方入り乱れた大乱戦の中、次々と今川兵を討ち取っていった。

その時、信忠の背後から今川の将が迫り、斬り殺そうとするが

 

ドシュ!

 

「ウグッ!」

 

後ろから槍によって突き殺された。

信忠はその事に気付くが

 

「ヤァっ!!」

 

自身の前に今川の将の攻撃が迫ってきて、対応した。

すると、また彼の背後から今川の者が迫るも

 

ドシュ!

 

再び槍によって突き殺された。

信忠は、すぐさま自分の目の前の敵を討ち取り、背後を見ると

 

「信忠様!」

 

一人の足軽だった。

 

信忠「よくやった!お主は確か、春日井郡篠木三郷の出身の吉兵衛か?」

 

信忠は、その足軽の名前を言うと

 

「そ、そうですが・・・どうしてオイラの名前を・・・?」

 

足軽の吉兵衛は、まさか覚えてるとは思わず、動揺した。

 

信忠「俺達は同じ仲間だ。覚えてるのは当然!ようやったぞ!助かった!」

 

信忠の言葉に、吉兵衛は感激し

 

「信忠様!信忠様は、オイラが命を懸けてお守り致します!だから、安心してお進み下さい!」

 

命を懸けて信忠を守ると言った。

 

信忠「うむ!」

 

そして

 

信忠「ハァァッ!」

 

ドシュ!

 

信忠は前に進み、槍を振るって今川兵を討ち取っていった。

吉兵衛は

 

「おりゃああ!」

 

ドシュ!

 

「ヤァァッ!」

 

ザシュ!

 

信忠に迫る今川兵を槍で突き殺していった。

 

「このオイラが相手だ!!」

 

吉兵衛は、信忠を守ろうと奮戦したのだが

 

ドシュ

 

「ウグッ!」

 

一人の今川兵の槍が横腹に刺さると

 

ドシュ!ドシュ!

 

「ガハァッ!」

 

続いて何本も槍を喰らってしまい

 

ドサッ

 

吉兵衛は力尽きてしまったのだった。

吉兵衛が討ち取られたのを知らない信忠はどんどん前に進み、今川兵を討ち取っていく。

そんな信忠に

 

「「「皆、信忠様に遅れを取るなー!!」」」

 

織田軍将兵は益々奮い立ち、次々に今川兵を討ち取った。

その結果、今川本隊はどんどん崩れていった。

 

義元(な、何故じゃ・・・何故・・・?)

 

「殿、危険です!!お逃げ下さい!!」

 

義元は、目の前に起きた現実に頭がついて行けなかった。

 

「ぐわあっ!!」

 

「ガハッ!!」

 

乱戦の中、重臣達も討ち取られ

 

勝家「今川義元、覚悟!」

 

勝家が槍を持って義元の前に現れた。

 

義元「簡単にはやられぬぞ!わしは海道一の弓取り、今川義元ぞ!」

 

義元は、覚悟して太刀を抜き

 

義元「はああっ!」

 

勝家に向かって行った。

 

勝家「やあああっ!」

 

ガキーン!

 

しかし、勝家は義元の一太刀を捌くと

 

ドシュ!

 

義元「ガハッ!」

 

義元の胸に槍をひと突きした。

 

義元「ゴホッ・・・お、おのれ・・・!」

 

義元は、血を吐きつつも持ってる太刀を振りかざして槍を斬った。

 

勝家「はあああっ!!」

 

槍を斬られた勝家は、太刀を抜き

 

ズバッ!

 

義元「ぐああっ!!」

 

義元の首を刎ねたのだった。

そして

 

勝家「今川義元、討ち取ったりー!!」

 

義元の首を掲げて、大声を上げたのだった。

 

「よ、義元様が討たれた!」

 

「に、逃げろー!!」

 

今川の将兵は、主君が討たれたと知るや、皆散り散りに逃げたのだった。

 

信忠「六!」

 

信忠は、勝家がいる所にすぐに向かい

 

勝家「信忠様!こちらです!」

 

勝家は、義元の首を信忠に見せた。

 

信忠「良くやった、六!」

 

勝家「はい!!」

 

信忠は、勝家の活躍に笑みを浮かべて髪を撫で、勝家は嬉しそうにした。

すると

 

信忠「そうだ・・・吉兵衛に我が軍が勝利した事を教えねば・・・」

 

勝家「吉兵衛・・・ですか?」

 

信忠「うむ・・・乱戦の中、俺の背後を襲おうとした者達から守ってくれた足軽だ・・・前を見ていたからその後どうなったか知らんのだ・・・」

 

信忠は、この戦の勝利をあの吉兵衛に直接言いたかったのだ。

 

勝家「成程・・・それは良いですね。」

 

そして、信忠はその場を後にしたら

 

信奈「良くやったわ、勝家!」

 

信奈が、満面の笑みを浮かべて勝家を褒めた。

 

勝家「ありがたきお言葉!しかし、今は信忠様を救った足軽を探したいのです。勝鬨は、その後でいいでしょうか?」

 

勝家の要件に

 

信奈「そうなの?それなら構わないわ。その足軽には私もお礼を言いたいわね。」

 

信奈は了承し、直接お礼を言いたいと言った。

 

良晴「そうなんだ・・・それは良い事だな・・・」

 

良晴も、疲労困憊ながらも笑みを浮かべて言い、捜索に協力した。

そして、探した結果

 

信忠「っ!?」

 

信忠は吉兵衛を発見した。

しかし、全身に槍傷を喰らい、最早虫の息に等しい姿だった。

 

信忠「吉兵衛!!」

 

信忠は、すぐさま斃れてる吉兵衛に駆け寄り

 

信忠「吉兵衛・・・吉兵衛・・・」

 

声を掛けた。

すると

 

「ウグッ・・・の・・・のぶ・・・さ・・・ゴホッ!」

 

吉兵衛は目を覚まし、血を吐きながら信忠の名前を呼ぼうにも声に出せず、手を挙げた。

信忠は、その手を取り

 

信忠「もう終わった・・・吉兵衛・・・俺達の勝利だ・・・・・・勝ったんだ・・・お主が・・・俺を救ってくれた・・・感謝する・・・吉兵衛・・・」

 

涙を浮かべながら勝利したと言った。

 

「ゴホッ・・・お・・・おめ・・・で・・・」

 

吉兵衛は、おめでとうございますと言おうとするが、そのまま目を閉じ、事切れてしまった。

その表情は、どこか笑みを浮かべながらだった。

 

信忠「吉兵衛・・・!」

 

信忠は、彼の身体を抱き締め、涙を流した。

 

「「「・・・」」」

 

信奈達やその他将兵も皆、その姿に涙を流した。

そして、信忠は吉兵衛を起こし

 

信忠「姉上。勝鬨をお上げください・・・犠牲となった将兵達に聞こえるように・・・そして・・・吉兵衛にも聞こえるように・・・」

 

勝鬨を上げるよう信奈に言った。

 

信奈「・・・分かったわ。」

 

信奈「全軍、我が軍の勝利よ!!勝鬨よ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

信奈は、勝利を確信し、織田軍は勝利の雄叫びを上げたのだった。

こうして桶狭間の戦いは、織田軍の大逆転勝利に終わったのであった。

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