清洲同盟が成立し、織田は美濃攻略に向けて準備を進めていった。
そんな中、清洲からある書状が来た。
信忠「・・・」
書状を広げ、読んでいる信忠は
信忠「・・・成程。」
顔を上げ、呟く信忠。
勝家「何が書かれていたのですか?」
書状の内容を尋ねる勝家。
信忠「・・・姉上からの直筆だ。良晴をここに行かせたとの事だ。」
書状は信奈からで、良晴を向かわせたとの事だった。
可成「何故ですか?」
信忠「何でも、鍛錬させてくれとの事だ。少しでも強くして欲しいと姉上からの望みだ。」
盛政「何と・・・あの男をですか?」
信忠「一応、先の戦では手柄を挙げたからな・・・今川本陣を見つけたという手柄がな。」
信忠「今だと、足軽組頭程の地位じゃないかな?情報によると、良い忍びが部下にいると聞くし・・・」
信忠「それに・・・今のあいつじゃ、足軽にも勝てんだろう。だから鍛えさせるって事だと思う。」
信忠は、信奈が良晴を鍛えさせようとする理由を語った。
勝家「確かに・・・彼奴は強い印象はありませんね・・・」
盛政「我等など、足元にも及びませんな。」
二人共、信忠の言葉に納得した。
信忠(裏を返せば、姉上はそれだけ彼奴を大事にしている証拠・・・尤も、あの性格だから認めぬと思うが・・・)
信忠は内心、信奈が良晴を鍛えようと思った本当の理由を察していた。
信忠「兎に角、次の美濃攻略が控えている。少しでも強くなるに越した事は無い・・・三左。」
可成「はっ。小僧の鍛錬、お引き受け致します。」
信忠は、良晴の鍛錬の先生を任せたのだった。
そして
良晴「信奈からの書状を読んだと思うが・・・良いかな?」
良晴がやって来た。
因みに犬千代も一緒だった。
信忠「構わぬ。俺も、少しでも力のある将や兵がいるに越した事は無い。」
信忠「お前の鍛錬の相手だが、そこの三左が相手だ。」
良晴「宜しく頼むよ。ええっと・・・」
可成「森三左衛門可成じゃ。宜しく頼むぞ、小僧。」
良晴「あ、ああ・・・宜しく。」
良晴は、可成と挨拶を交わすと
可成「では早速、行くとするかのぉ。」
早速鍛錬に行こうと言った。
良晴「え?い、今から!?」
可成「うむ。早めにやるのが一番じゃ。」
良晴「わ、分かった・・・」
可成「では若。ワシはこれにて・・・」
信忠「うむ。ああ、その前に・・・良晴。」
良晴「ん?」
信忠「姉上が、美濃を攻める支度をしてると聞くが・・・どうなんだ?」
信忠は、良晴に信奈が美濃に出陣するというのは本当か尋ねた。
良晴「あ、ああ・・・そんな話を聞いたな。けど、何故か俺は出陣の許可を得れなかったがな。」
良晴は、その通りだと答えた。
勝家「それは貴様が弱いからだろう。」
良晴「何だと!」
盛政「間違っていないと思うが・・・少しでも鍛えておくのも悪く無いと思うぞ。」
勝家と盛政の発言に
良晴「ま、まぁ・・・それは・・・」
良晴は何も言えなかった。
信忠「止せ、二人共。三左、頼むぞ。」
可成「はっ。」
そして、可成は良晴を連れて行ったのだった。
勝家「信忠様。何故姫様の美濃攻めを考えている事をサルに聞いたのですか?」
信忠「三太夫から、姉上が美濃攻めを企んでいるという情報を聞いてな。真か否かを良晴に聞いた方が良いかなと思ったんだ。」
勝家の疑問に、美濃を攻める計画を立てていると聞いたから良晴に本当か確認したかったと言った。
盛政「しかし・・・今桶狭間で今川義元を討ち取りました。この勢いで、一気に美濃を切り取るのも悪くないかと思いますが。」
信忠「その気持ちは分かる。勢いある時に一気に行くのも悪くない。しかし、敵の情報を正確に把握せずに勢いだけでそのまま攻めるのは愚の骨頂だ。」
信忠「姉上は気が短い。今すぐ美濃を攻めるだろうと思ったからな。だから、良晴を少しつついてみたんだよ」
信忠は、信奈の真意を尋ねるために聞いてみたのだと言った。
勝家「成程・・・」
盛政「それじゃあ、信奈様は負けるとお思いに?」
信忠「ああ・・・俺はそう思う。」
信忠は、冷静に信奈は負けると答えた。
その翌日、信奈は兵を率いて独断で美濃を攻めるも信忠の予想通り敗北を喫してしまったのであった。