美濃攻めが失敗に終わった信奈。
その情報は、那古野の信忠にも入ってきた。
信忠「・・・そうか。」
三太夫「はっ。辺り一面の怪しい石積みが置かれており、加えて濃霧で道に迷い、その隙に水攻めを喰らったようです。」
三太夫「また、少数の義龍軍を見つけ追撃した挙句、後方、側面を囲まれて攻撃を受け、多大なる損害を被りました。」
信忠「・・・『石兵八陣』と『十面埋伏の計』か・・・」
三太夫の報告を聞き、信忠は敵の策略を察した。
信忠「ご苦労。下がれ。」
三太夫「はっ。」
三太夫が下がると
信忠(やはり、あの情報は本当だったようだな・・・古今東西の軍略に長けた軍師がいるという・・・)
信忠(確か・・・竹中半兵衛重治・・・だったな・・・)
信忠は、竹中半兵衛が行った計略だと分かった。
信忠(姉上・・・情報を取ったりしなかったのか・・・?)
信忠は、信奈がしっかり情報を入手せずに美濃を攻めたのではと思いつつ、良晴がいる鍛錬場に向かった。
良晴「おおおっ!!」
木刀を振り上げ、可成に向かう良晴。
一応、安全を踏まえて互いに防具を着用している。
カッ
可成「相変わらず良い気合いじゃ・・・悪くない・・・」
その攻撃を受け止めた可成は、良晴の気合いを褒めた。
良晴「へへっ・・・」
良晴は、少し照れ臭そうに笑った。
しかし
可成「じゃが・・・ハァァッ!」
カッ
良晴「うわぁっ!?」
その隙に可成は、木刀を弾き
ドカッ
良晴「ガハッ!?」
胴を薙ぎ払った。
可成「小僧。たとえ鍛錬だからって、決して油断するな。もしここが戦場なら、お主は今ので討ち死にじゃぞ。」
良晴「け、けど・・・今のは三左のおっさんが・・・」
可成「言い訳無用じゃ!さぁ、かかってこんか!」
良晴「あ、ああ!」
良晴は、可成の厳しい指導に何とかついて行っていた。
するとそこへ
信忠「見に来たぞ。」
可成「おお!これは若!」
良晴「信忠!」
信忠が現れ、可成は頭を下げた。
信忠「随分としごかれてるようだな。」
良晴「ま、まぁ・・・あはは・・・」
信忠「それで、どうなんだ?」
可成「悪くはないと思います。ですが、まだまだでございます。」
信忠の問いに、可成は筋は悪くないがまだ未熟だと答えた。
信忠「成程・・・」
すると
秀隆「あら・・・サルが三左衛門様と鍛錬なんて・・・珍しいわね・・・」
長可「おお!親父がサルに鍛錬してあげてるっていうのは本当だな!」
忠正「そのようだな、勝蔵!」
秀隆ら三人が、鍛錬場に現れた。
信忠「お前達・・・仕事は終えたようだな。」
秀隆「はい。しっかり終えましたよ。平八もご心配なく。」
忠正「おい与四郎!何で私だけ!?」
秀隆「言葉通りの意味よ。あなた、誤字脱字が多いし、勝手に抜け出して仕事をほったらかしにするじゃない。」
忠正「そ、それは・・・まぁ、私は勝蔵とは違い、身体を動かさなきゃ意味ないって言うか・・・」
秀隆「それ、毎日言ってるわよね!!事後処理してる私の身にもなってよ!!」
忠正「う、うるせーな!!」
秀隆「事実でしょ!」
秀隆と忠正は、口喧嘩を始め
長可「喧嘩か?ならアタシも加わるぜ!!」
何故か長可も加わろうとしていた。
すると
可成「やめんか!!若の御前だぞ!!」
可成が、三人に怒ると
「「「すみませんでした!」」」
三人はすぐ様謝った。
信忠「丁度良い。三人共、三左を手伝え。」
すると、信忠は三人に鍛錬の手伝いをしろと言ってきた。
忠正「へっ!暇潰しには丁度良いですね!引き受けましょう!」
長可「その話、引き受けましょう!平八!鍛錬が終わったら、アタシの淹れた茶を飲ませてやんぞ!」
忠正「おっ!良いねぇ・・・その話、乗った!」
信忠の提案に、特に長可と忠正は話に乗り、目の色を変えた。
秀隆「サル相手なのは少し複雑ですけど・・・引き受けましょう。勝蔵、その茶、私にも飲ませてくださいよ。」
長可「へっ!勿論良いぜ!」
三人は、早速鍛錬場にある木刀を取った。
そんな三人に良晴は
良晴「よ、よーし!お前らなんか恐るるに足らずだ!(棒読み)」
顔を青ざめながら、木刀を構えたのだった。
その結果
良晴「ぎええぇぇ!!」
鍛錬場から、良晴の絶叫が響き渡ったのであった。