信奈から清洲に来るよう言われ、那古野から清洲に向かう信忠。
お供は、勝家と可成、そして良晴も一緒だった。
因みに長可と忠正も同行しようとしており
長可「斎藤と戦ですか、信忠様!!」
忠正「よっしゃー!!斎藤の兵全員撫で斬り出来るぜ!!」
その際二人は、戦だと思い興奮していた。
秀隆「もう!何早とちりしてるのよあなた達は!!信忠様は清洲に来るよう言われたの!美濃を切り取る為の評定に!!私達はこの那古野の留守を任されたの!!」
秀隆は、戦では無いと説明すると
長可「何だよ〜!ただでさえここんところサルと鍛錬したりして退屈なのによ〜!!加えて留守役なんてそりゃあないぜ〜!!」
忠正「ホントだぜ〜!!早く撫で斬りしたくてたまんねーのによぉ!!」
二人共、不貞腐れてしまった。
信忠「安心しろ。美濃を攻める時は、お前らを必ず先陣にしてやる。敵兵を好きなだけ刈ると良い。」
そんな二人に呆れ笑いを浮かべつつも信忠は、美濃攻めの際の先陣と、好きなだけ暴れても良い特権を与えた。
長可「ホントですか!?さっすが信忠様!!よっしゃー!!この『人間無骨』で、好きなだけ撫で斬りにして、義龍の首を刎ねてやるぜ!!」
忠正「あ〜?何寝言言ったんだ勝蔵?義龍の首を刎ねるのは私だぞ!」
長可「いいや、アタシだ!!」
忠正「んだとオラ!」
長可「やんのか平八!」
二人共、一触即発の雰囲気になるも
ドカドカッ
「「っつ〜!!」」
可成「やめんか二人共!!」
可成の拳骨で、ある意味収まった。
信忠「まずはこの那古野の留守をしっかりする事だ。役目を全うすれば、お前達を先陣にする。与四郎としっかり事を成せ。」
「「は、ははっ!!」」
信忠「与四郎も大変だと思うが、二人を頼むぞ。お前も、勝蔵達と同様、美濃攻めでの先陣を任せる。」
可成「ワシからもじゃ。頼むぞ、与四郎。」
秀隆「いつもの事です。お任せ下さい。必ず、ご期待に応えます。」
秀隆に、いつもの通り二人の抑えを任せた。
そして、信忠らは清洲に向かったのだった。
信忠「美濃攻めに関しての呼び出しか・・・おそらく、相当苛立ってるな・・・」
勝家「かもしれませんね・・・」
可成「仕方ないお方ですな、姫様は・・・」
勝家と可成は、そんな信奈に苦笑を浮かべた。
良晴「俺がいない間に美濃を攻めたって事か・・・」
良晴は、自分が居ない間に信奈が美濃を攻めていた事に驚きつつ
良晴「なんでそんな事を・・・?」
何故そのような無茶をしたのか疑問だった。
信忠「多分だが、一日でも早く蝮の為に美濃を取り戻したかったんだろう・・・加えて、お前を大切に思ってるから、鍛錬させるという名目で那古野に行かせたんだろうな・・・」
信奈の気持ちを代弁するかのように言った信忠。
良晴「あの馬鹿・・・俺にそんな気を遣わなくても・・・」
良晴は、信奈の不器用な気遣いにボソッと呟いたのだった。
信忠「文句は評定の後に言え。さて・・・着いたぞ。」
そして、清洲に到着した。
大広間に入ると、信忠は胡座を取り
信忠「信忠。那古野よりまかり越しました。」
挨拶を交わした。
しかし
信奈「挨拶は良いから、それより聞いて!」
信奈「美濃の連中にこてんぱんにやられたわ!もう悔しい!!」
信奈は、挨拶をよそに悔しさを露わにしていた。
信忠「話は伺っております。一応お聞きしますが、何故そのような無謀な事を・・・?」
信奈「・・・早く蝮の為に美濃と稲葉山城を取りたかったの!それに、一々ちまちましてたら、いつまで経っても美濃は手に入れられないし・・・」
信忠「姉上らしいですね。確かに桶狭間の大勝の流れのまま、美濃をというのも悪くはありませぬ。しかし、まずは一部の武将を調略しつつ、情報を入手し攻めるのも戦ですぞ!」
信忠の厳しい言葉に
信奈「うぅ・・・!」
信奈は何も言えず、唸るだけだった。
信忠「とは言え、まずは此度の相手の策ですが、恐らく竹中半兵衛の者による策かと思われます。」
信忠は、先の戦での相手の策略を実行した者は竹中半兵衛だと答えた。
良晴「おお!竹中半兵衛かぁ!!」
良晴は、大物の名前を聞き、少し興奮した。
道三「ほぉ・・・お主は竹中半兵衛を知っておったのか?」
道三は、信忠が竹中半兵衛を知っている事に驚きを隠せなかった。
信忠「これでも多くの乱波を抱えてる。情報を制するは戦を制するのと同じだ。」
道三「成程な・・・あの桶狭間でも緻密な軍略の他に、細かく情報を入手しておったようだし・・・」
信忠の言葉に、道三は納得していた。
信奈「竹中半兵衛・・・そんな者が・・・」
長秀「初めて聞いた名です。」
信奈と長秀は、竹中半兵衛を知らなかった為、驚きだった。
道三「無理もない。美濃が隠していた最大の秘密じゃったからな。蝮と言われたワシでさえ、彼奴の知恵には勝つ事など出来ぬ。」
光秀「古今東西の軍略に優れ、信忠様とその一味を除いた織田家の腐れ脳みそとじゃ天と地です!」
光秀のさりげないディスりに
信奈「・・・アンタ喧嘩売ってんの?」
信奈は若干怒っていた。
信忠「兎も角、その者を調略すれば、美濃攻略が一歩進むと思われます。」
そんな姉の怒りに、信忠は半兵衛を調略する必要があると答えた。
すると
良晴「よっしゃ!その調略、俺がやってやるぜ!」
良晴が自ら名乗り出た。
勝家「いきなり出しゃばるな、サル!」
勝家は、そんな良晴を嗜めるが
良晴「コイツは俺のイベントなんだよ。竹中半兵衛の調略は、秀吉にしか出来ねーんだ!」
良晴は聞かなかった。
・・・後お前は秀吉じゃないし、その者はお前を庇って死んだだろうが。
信忠「・・・誰だひでよしって?」
信忠は、良晴が出した固有名詞に突っ込むが
良晴「ま、まぁ・・・良いだろ。てなわけで、信奈!俺に任せろ!」
良晴はなんとか聞き流し
良晴「そして、その調略が出来たら、例の恩賞を忘れんなよ?」
信奈に詰めた。
信奈「れ、例の恩賞って・・・?」
信奈は、良晴の言葉に動揺した。
信忠「何の話だ?」
可成「ワシにもさっぱりです。」
信忠は、良晴は何を言ってるのか分からなかった。
例の恩賞・・・それは
良晴「天下一の美少女に決まってるだろう!!」
だった。
信忠「何だそりゃ・・・」
勝家「全く・・・」
可成「フハハハ!小僧は変わらぬようですなぁ・・・若!」
信忠「ああ・・・お前のキツい鍛錬に付いていけたのもそれだったんだな・・・」
信忠と勝家は呆れつつも、可成は笑い飛ばした。
道三「期待しておるぞ、小僧。光秀を案内役に付けてやろう。」
道三は、良晴の背中を押し、光秀を付けてあげると言った。
信奈「・・・分かったわ。なら、竹中半兵衛を調略しなさい。」
信奈は、良晴に調略を任せたのだった。
良晴「ヨッシャァァ!なら行ってくるぜ!行くぞ、十兵衛ちゃん!」
光秀「な、何をするですサル先輩!!」
良晴は、光秀の腕を取って大広間を後にした。
信奈「大丈夫かしら?」
長秀「ご心配の様子ですね。」
信奈「べ、別に!」
長秀の言葉に、信奈は顔を赤らめつつも顔を背けた。
信忠「さて・・・とは言え、調略だけじゃ、美濃を切り取るのはそう簡単ではありません。」
信忠「如何でしょう。ここは一つ、他国と同盟を組むというのは。」
信忠は、他国と同盟を結ぶ事を提案した。
信奈「同盟ねぇ・・・例えばどこかしら?」
信忠「・・・北近江の浅井は如何でしょう?あの者らは、義龍と敵対関係です。ここで同盟を組めば、義龍を挟み討ち出来ます。」
道三「成程のぉ・・・遠交近攻の策か・・・これなら義龍に圧力をかけれるのぉ・・・」
道三は、信忠の策を察し呟いた。
信忠「それだけじゃない。北近江の浅井と同盟関係を上手く構築できれば、京に上洛する時に何かと都合が良いからな。」
信忠は、将来の事を考えて上手く関係を構築したいと考えており、美濃併合の後の事も考えていたのだ。
勝家「成程・・・確かに上洛の際に北近江は避けて通れませんね・・・」
可成「うむ・・・浅井と関係を密接せねばならぬ・・・」
長秀「確かに妙策です。九十点。」
皆々も、浅井との同盟には肯定的で
信奈「では、浅井に使者を送りましょう。信忠、任せるわ。」
信忠「はっ。」
信奈は、使者を送る事を決断し、信忠に任せた。
信忠(その際、あの秘密についてしたためておかせるか・・・)
この時信忠は、浅井長政のとある秘密を握っており、その秘密について使者が送る書状にしたためておこうと決めたのだった。