稲葉山城攻略に向けての軍議を始めた織田軍。
信奈「稲葉山城は天下に名だたる堅城。包囲し力攻めをしても簡単には落ちないわ。」
長秀「蝮の道三殿が、築城の粋を注ぎ込んで建てた城です。力攻めは五点です。」
信忠「また、義龍からの援軍要請に応えた美濃の国衆が、いつ俺達の背後を襲うか分からない状況。いつまでも包囲するのは難しいかと思われます。」
包囲し、力攻めをするは徒に犠牲を増やし、何より未だ味方になってない国衆が援軍で現れ、背後を襲われたら面倒になると答えた信忠と長秀。
信奈「分かってるわ・・・よって、今回は強攻するわ。」
信奈は、稲葉山城を強攻すると答えた。
勝家「何と・・・?」
可成「姫。先程包囲し力攻めしても落ちないと仰いました。もし強引に攻めたら、兵を消耗するだけでは・・・」
勝家と可成は、力攻めという選択に驚きつつ、無理な攻めは被害が増すだけだと答えた。
信奈「二人の意見は尤もよ。けど・・・この城の裏手から稲葉山城の三の丸に通じる道があるって、蝮が言ってたわ。」
信奈「この道は道幅が狭く、少数しか移動が出来ない唯の獣道なのよ。ここから三の丸に潜入し、城門を開けば・・・」
信忠「成程・・・三の丸が落ちれば、他の二の丸などを守備する敵が動揺し、攻略が容易くなるというわけですか・・・」
信奈「そういう事・・・流石信忠ね・・・」
信奈は、決死隊を編成し、悪路から三の丸に奇襲を仕掛け、敵を動揺させるという作戦を述べた。
長秀「確かに姫様の仰る通りに行えば、稲葉山城は陥落も同然。しかし、生還の可能性は極めて低い危険な作戦です。賛成はしかねます。」
長秀は、参謀の立場として信奈の提案した作戦は賛成できなかった。
生還の可能性は低く、非常に危険極まりなかったからだ。
信奈「危険なのは重々分かっているわ。けど、この戦を早く終わらせるにはこの手が一番よ。」
信奈としては、この作戦が稲葉山城攻略に確実なのだと言い、譲らなかった。
長秀「・・・分かりました。なら、ここは私が・・・」
信奈の固い意志を感じた長秀は、その決死隊を志願したが
信奈「万千代にもしもの事があったら私が困るでしょ。勿論、信忠もよ。」
信奈は却下し、ついでに信忠にも言った。
その時
良晴「・・・俺が行くってのはどうだ?必ず成功させてみせる。」
良晴が、その決死隊を自薦したのだ。
信奈「サル・・・どうせ止めたって聞かないんでしょ?」
良晴「はっはっは!よく分かってるじゃねぇか!」
信奈は、呆れ顔で言いつつも
信奈「分かったわ。アンタに任せるわ!」
良晴に任せた。
その時
信忠「良晴。」
良晴「ん?うおっ!?」
信忠の声に反応した良晴が目を向けると、突然目の前に瓢箪が現れたので、咄嗟に手を出してキャッチした。
信忠が、良晴に瓢箪を投げてきたのだ。
信忠「決死隊を率いるなら、お前はもう立派な将だ。お前自身の旗印が必要となる。」
信忠「その代わりと言っては何だが、その瓢箪をお前に授ける。お前の手で、織田軍を勝利に導け!」
信忠は、旗印の代わりだと言い、任務を成し遂げるよう言いつつ鼓舞した。
良晴「おう!」
良晴は、その鼓舞に一層やる気を見せた表情を浮かべた。
そして、五右衛門ら僅かな数を引き連れて、出発したのだった。