室町幕府が滅んだという情報は、名古屋にも入った。
勝家「おのれ・・・許せん!」
盛政「将軍様を襲うなど、愚の骨頂だ!」
勝家と盛政は、三好三人衆の暴挙に怒りを抱いた。
可成「若。こうなると、我らで保護してる氏真殿を・・・」
信忠「うむ。今川は足利将軍家の血を引いているし、吉良に次ぐ家柄だ。次期将軍に担ぐに相応しい。」
秀隆「確かに、そうなれば上洛の大義も立てられますし、畿内にいる三好を逆賊として討てますね。」
氏真を次期将軍に担いで上洛すれば、大義名分が立てられ、三好らを逆賊として討伐する事も可能だと秀隆は言った。
「「・・・zzZ」」
・・・相変わらずこの二人は寝ていたが。
盛政「しかし・・・上洛してもその後がどうでしょうか?将軍宣下が貰えるかどうか・・・」
盛政は、上洛は良いとして将軍宣下が下されるか如何なのかと不安になった。
信忠「現関白の近衛様なら、話が通るかもしれん。かつて父上は、やまと御所に内裏の修理費用を送ったから、それを使う。」
信忠は、現在関白職に就いている近衛前久に頼もうと言った。
実を言うと、嘗て亡き父信秀は、御所の内裏の修理にお金を送っており、その過程で交流もあったのだ。
因みに信忠も、前久に会った事があり、話した事もある。
勝家「そう言われてみれば、亡き大殿はそのような事を・・・」
信忠「うむ。早速、姉上に文を送るとするか。皆、上洛に備え支度を怠るな。」
信忠「我ら上洛がなる時は、それを阻む敵もおる。例えば三好の他に奴らと親交のある六角。」
信忠「此奴らは必ず阻むに違いない、良いな!」
信忠は、上洛を阻む可能性の高い敵と戦になるやもしれない為、戦支度を怠るなと命じつつ
信忠「勝蔵!平八!」
長可「んがっ!?」
忠正「何だ!?」
信忠「今話した事、理解してるなら今ここで話せ!」
長可と忠正に、話した事を喋るよう言った。
長可「え、ええっと・・・!」
忠正「そ、それは・・・その・・・!」
二人共、大量の汗を流しながら慌てふためいていた。
・・・さっきまで思い切り寝てたからな。
秀隆「・・・はぁ。」
可成「互いに苦労するのぉ・・・」
そんな二人に秀隆は、眉間に指を当てて溜息を吐き、可成は彼女の肩に手を置いたのだった。
そして、岐阜城では
信奈「将軍を奉ずる計画は無くなったわ!もう最悪!!」
京での事件に関する情報を信忠の書状から得て、信奈は機嫌を損ねた。
良晴「義輝は暗殺されず、義昭と共に大陸へ逃げた・・・どうなってるんだ・・・?」
良晴は、歴史が違う方向に進んでる事に戸惑いを隠せなかった。
光秀「幕府は滅び、京は無法地帯。そこで、足利宗家の血筋を引いてる今川氏真を次期将軍に担いで上洛。その為の北近江の浅井長政と同盟・・・美濃切り取りだけではなく、上洛を見据えて・・・ほんと、信忠様の深謀遠慮には感服です・・・」
光秀は、信忠の先を見据えた深謀遠慮に畏怖を抱いていた。
長秀「それでは、姫様・・・」
信奈「ええ。かねてよりの信忠の進言、今川氏真を次期将軍に担いで上洛する案を実行するわ!皆、準備をしなさい!」
「「「おおーっ!!」」」
そして、織田家は上洛を決めたのだった。
上洛の軍を整えた信奈は、元康を連れて来た信忠と途中で合流を果たしたのだが
信奈「・・・かなり兵の数が増えたようね。」
信忠「武勇自慢の者の仕官が増えまして、それらや元々いる兵や与力などの所領台帳を作成させ有事における兵の動員数などを計算したら、このような数になりました。今いる兵で三万はおり、尾張と東美濃の守備には、まだ二万程の兵がおります。」
信奈「そ、そう・・・」
信忠の兵の数の多さに、信奈は顔を引き攣らせていた。
良晴(す、すげぇ・・・ホントに信奈の兵数に匹敵するんじゃねーのか・・・!?と言うか、そんな簡単に兵の数が・・・!)
良晴は、信奈に匹敵する兵数を簡単に動員出来た信忠の手腕に絶句していた。
長可「おっ!久しぶりじゃねーか、サル!!」
忠正「ちゃんと信奈様を守ってるか?」
すると、長可と忠正が、良晴に挨拶をした。
良晴「長可に忠正・・・まあな。」
長可「ほぉ・・・今度アタシらと手合わせしろよ。」
忠正「それ良いぜ!」
良晴「あ、あはは・・・」
長可と忠正の言葉に、ただ苦笑いするしかない良晴。
その時
秀隆「ほら二人共!戻るわよ!」
秀隆は、二人を戻しに現れ
長可「わりぃわりぃ!んじゃあ、またなサル!」
忠正「じゃあな!」
二人は、手を振った後にしたのだった。
信忠「ああそうだった。姉上、少し良いでしょうか?」
信奈「ん?」
信忠「この者が、今川彦五郎氏真でございます。」
氏真「あなたが信奈さんですか。妾は今川彦五郎氏真でございますわ。」
信奈と氏真を対面させた。
信奈「アンタが今川義元の娘ね・・・成程、お飾りに相応しい身なりね。ちょっと能天気な感じもするし・・・」
信奈は、氏真を見るなり少し失礼な事を言った。
氏真「ほっほっほ!それではお願いしますわ!」
しかし氏真は、信奈の言葉を聞き流したので
信奈「何よもう!!調子狂うわね!!行くわよ、万千代!」
長秀「はいはい・・・」
少し機嫌を損ねた信奈は、長秀を連れてその場を後にした。
氏真「あら?信忠さんの姉君の信奈さんは、何故怒ってしまわれたのでしょう?」
信忠「・・・ある意味大物だな、氏真は。」
元康「少し世間知らずの一面ありますが・・・」
そんな氏真に、信忠はある意味関心したのだった。
そして
信忠「浅井と合流し、我らの上洛を阻もうと抗戦の構えを見せる六角を攻め滅ぼしましょう。」
信奈「そうね・・・けどその前に、市の顔が見たいわ。」
六角を攻めようと決めたが、信奈は市の顔が見たいと言い
信忠「・・・分かりました。では、浅井に我が軍が来ると知らせを送りましょう。」
信忠は、少し考えたがすぐに遣いを送ったのだった。
そして、織田と松平の連合軍は、浅井のいる北近江に進軍したのであった。