京周辺の畿内を平定した信忠。
信忠「皆、見事な活躍だった。」
「「「ははっ!!」」」
信忠「六。よくぞ三好政康を討ち取った。」
勝家「はっ。有難きお言葉。」
信忠は、三好三人衆が一人、三好政康を討ち取った勝家を褒めた。
信忠「長政殿も、流石の手並みだった。」
長政「いえ。信忠殿の勇将達と比べたら、私など・・・」
信忠「いや、そうでも無いぞ。浅井の将兵も中々な精兵揃い・・・お陰で予想より早く賊を一掃出来た。」
信忠は、長政の活躍で畿内平定もスムーズにやれたと答え、褒めた。
長政「なら、何よりだ。」
信忠「しかし・・・手放しで喜べぬ・・・三好長逸と岩成友通は四国に逃げてしまった・・・近いうち、再びこの都を襲うだろう・・・」
しかし、三好三人衆のうち三好政康は勝家が討ち取ったものの、他二人は討ち取るのに失敗してしまった為、あまり喜んでいなかった。
盛政「しかし、此度の敗北で、立て直すのに時間がかかると思われますが・・・」
盛政は、敗北のダメージで立て直しに時間がかかる為、再び京を攻めるにしてもまだ先ではないかと言った。
可成「いや、彼奴らは嘗て阿波で守護を務めた細川一族の守護代だった者達じゃ。四国の特に東は彼奴らにとって根幹も同様。油断は出来ぬぞ。」
可成は、四国東部は三好の本拠に等しい為、油断は禁物だと言った。
その時
秀隆「失礼します。」
信忠「与四郎か。どうした?」
秀隆「それが・・・その・・・」
秀隆が、どこか戸惑いを見せるような様子で現れた。
信忠「如何した?」
信忠は、どうしたのかと尋ねると
秀隆「松永弾正が・・・降伏に現れました。」
松永久秀が降伏にやって来たと言ってきた。
「「「なっ!?」」」
これには、他の皆は驚き立ち上がり
勝家「何故降伏を・・・!?」
盛政「四国に逃げたのでは・・・!?」
可成「いや、彼奴の本拠は大和じゃ・・・!?」
長政「だとしたら、何故・・・!?」
戸惑いを見せた。
信忠「今ここで考えても埒が開かぬ。通せ。」
秀隆「は・・・ははっ!」
信忠は特に動じず、会う事にした。
そして、信忠達の前に現れたのは、チャイナドレスを纏い、褐色肌で両目尻の泣きぼくろが特徴の妖艶な美女が現れた。
この者こそ、あの松永弾正久秀だ。
久秀「大和国大名松永弾正忠久秀でございます。」
信忠「弾正、降伏に来たと聞くが・・・」
久秀「はい。その通りでございます。」
信忠「何故三好らと共に四国へと逃げなかったのだ?彼奴らはお主と共に先代の三好長慶を支えた者達ではないのか?」
信忠は、何故岩成友通や三好長逸らと一緒に四国へと逃げなかったのか尋ねた。
久秀「あの者らは、長慶様が作りし理想の世を壊していこうとする輩。これ以上手を携えるのは御免と思い、手切れとなった次第ですわ。」
久秀は、三人衆は先代の三好長慶の遺志を裏切った不逞の輩だった為、今回の敗北を機に手を切ったのだと言った。
信忠「では、三好長慶が息子、義継が謎の死はお主が関わっておるのか?」
久秀「あの者は、父君長慶様の遺志に反し、己の欲に取り憑かれた次第。故に、病死と偽って毒を盛っただけですわ。」
久秀「そして、仮に此度の戦で勝利し、織田を滅ぼした後にあの三人を殺し、この旧きしがらみに囚われるこの日の本を破壊してしまおうと思っただけ・・・それ以前に都も焼き、大仏も焼き、破壊したのもそれが理由・・・」
三好義継を殺したのは、父三好長慶の遺志を継がずに己の欲望で壊した為であり、仮に今回の戦で勝っても三人衆を殺し、自ら破壊するのみだと言った。
因みに大仏や都を灰燼にしたのも同様だった。
信忠「お主、そのように破壊をしようとするのは、お主自身の出生が理由か?」
久秀「っ!?」
信忠「お主のその肌、そしてその顔立ち・・・異人の血が入っておるな。恐らくだが、それ故に辛い思いもしたのではないのか?」
信忠は、彼女のここまでの過激な行動は、自身が異国の血を引いている所謂ハーフで色々嫌な経験をしたからではないかと察したのだ。
久秀「そ、それは・・・!?」
信忠に見抜かれ、久秀は動揺を隠せなかった。
信忠「差別など・・・くだらん。まさに腐った世だ・・・そんな腐った世を変える為、俺の姉信奈と共に歩まぬか?」
信忠「姉上と俺が目指す世は、南蛮や如何なる国にも負けぬ、新しき強い日の本。」
信忠「そこには、異人の血が入って肌の色が違うからなどという理由で差別する輩はおらぬ。肌や血ではなく、中身や実力で判断する。そんな国だ。」
信忠は、差別といったくだらない世ではなく、強くも新しい日の本を作り、そこには異人の血を引いてるから、肌の色が違うからといったくだらない理由ではなく、中身などで決める世だと言った。
久秀「・・・」
久秀は、信忠の夢を聞き、目を見開いた。
久秀(この方・・・本気だわ・・・この覇気といい・・・この方なら・・・きっと・・・)
今まで出会った者達と違い、新しい日の本を目指すという本気の姿に、彼女は魅了されてしまったのだ。
そして
久秀「松永弾正久秀・・・改めまして織田信忠様に降伏致します・・・この身を全て、御身に捧げます・・・」
久秀は姿勢を正し、頭を下げたのだった。
信忠「そうか・・・今後とも宜しく頼む・・・と言いたい所だが、まずは京に戻り、それから姉上に会ってからお主の処遇を正式に決めよう。」
信忠は、久秀を迎える事を前向きに捉えつつ、勝手に決めるのはあまり良くないと思い、京に戻って信奈に報告して正式に決めようと言った。
久秀「はっ。」
その時
勝家「お待ち下さい信忠様!」
信忠「何だ六?」
勝家「松永は義理を欠く御仁です!加えて、信忠様はご存じの筈!この者が犯した悪事を!」
勝家が、久秀を織田の傘下に加える事を反対した。
その理由は、久秀が犯した悪事によるものだ。
具体的には
・同僚の謀殺
・将軍の襲殺
・東大寺全焼
といったものだ。
しかし
信忠「確かに此奴は危険だ。しかし、過去には目を瞑れ。」
信忠は、危険を承知で久秀を迎え入れると言った。
勝家「何故です!?」
信忠「分からぬか?これだけの大物が織田家に従ったとあれば、世間はどう思う?」
勝家「っ!成程・・・織田家に一目置き、皆従うようになる・・・!」
可成「ふむ・・・となると、より一層平らかな世に近付くというわけですな・・・」
長政「成程・・・」
盛政「それに、今後を考えると、強力な者が味方になるのも悪くないですし・・・」
長政「成程・・・」
周りも、久秀クラスの者が従ったという話が広がるのを考えると、確かにと納得した。
信忠「まずは京に戻ろう。弾正も共に行くぞ。」
久秀「はい、信忠様・・・」
久秀(今日より私は、このお方に全てを捧げましょう・・・)
久秀は、蠱惑的な笑みを浮かべながら答えた。
彼女は、信忠の器量にすっかり惚れ込み、心服したのだった。
そして、信忠達は久秀も連れて京に凱旋したのであった。
実際の話、将軍義輝殺害の永禄の変ですけど、久秀が首謀者のイメージが強いと思いますが、本当は関わりないというのが強いんですよね・・・。
久秀の息子の久通と、三好義継と三好三人衆がやった事なんですよね・・・。
まぁ、あの事件も色々説がありますけどね・・・。
しかし、この作品の久秀、何度見ても本当にエ〇いですね・・・(苦笑)