上機嫌に笑いながら現れた氏真。
信忠「氏真・・・」
氏真「あら信忠さん。畿内を無事平定したとお聞きしましたわ。ご苦労様です。」
氏真は、信忠の畿内平定に労いの言葉をかけた。
勝家「貴様!信忠様に対して何だその態度は!」
そんな彼女の上からの態度に、勝家は腰の太刀に手を掛けたが
氏真「あら、斬るおつもりですの?妾は将軍様ですわよ?」
氏真は特に動じず、自ら将軍だと言った。
勝家「何?」
勝家は、氏真の言葉に驚き、目を見開いた。
信忠「姉上。まさか・・・」
信忠は、氏真の言葉に察し、信奈を見ると
信奈「ええ、そう言う事。まだ正式にじゃないけど、氏真を将軍に据える事が決まったわ。」
無事に氏真の将軍宣下が決まったと信奈は言った。
信忠「成程・・・そうでしたか・・・それは良き事です。」
すると
氏真「信忠さん。あの時妾を助け保護しなければ、今の妾はありませんわ。誠に感謝致しますわ。」
氏真「このお礼、いつかお返ししたいですわ。」
氏真は、あの時自分を助け保護してくれた事に感謝の言葉を述べ、そのお礼をしたいと言った。
信忠「気持ちだけで十分だ。将軍のお主を確と守れるよう、御所の守りを強化しよう。」
信忠は、気持ちだけで良いと述べつつ彼女が住まう予定の御所も警護と防御を固めると言った。
氏真「はい、ありがとうございます。それでは皆様、ご機嫌よう。」
氏真は、信忠の守ると言う言葉に頬を赤らめ尚且つ目を潤ませながらその場を後にした。
信奈「勘九郎・・・まさか・・・」
信奈は、氏真の反応を見てもしやと思い信忠を見た。
信忠「・・・少し話し相手になっただけです。」
信忠は冷静に返したのだが
良晴「ああ・・・羨ましい・・・あの綺麗な氏真を・・・」
利家「信忠様は、昔から異性から人気あった・・・」
五右衛門「相良氏とは大違いでごじゃるな。」
良晴「やめろー!!それを言うなー!!」
良晴は、信忠に対し嫉妬のオーラを放った。
長秀「まぁまぁ・・・!」
長秀も、少し興味を抱いていた。
勝家「ムム・・・!」
勝家は、氏真の反応に少し眉間に皺を寄せており
久秀「あらあら・・・敵は多そうですわね・・・」
久秀は、ライバルが多そうだと感じていた。
信忠「それで、その十兵衛は何処に?」
信忠は、改めて光秀が何処にいるのか尋ねると
信奈「え、ええっと・・・それは・・・」
信奈は言葉を詰まらせた。
信忠「?」
信忠は、何故姉がそのような反応をするのか分からず首を傾げると
利家「光秀ズルした!!」
五右衛門「最低な事したのでおじゃる!!」
利家と五右衛門が、光秀を非難した。
良晴「おいおい二人共・・・!」
良晴は、そんな二人を止めたのだが
五右衛門「相良氏は悔しくないのでごじゃるか!」
利家「ズルされて負けたんだ!!」
二人は怒りが収まらなかった。
信忠「・・・詳しく聞かせてくれないか?」
信忠は、少し目を細めて説明を求めた。
長秀「代わりに私が説明致します。」
すると、その代わりに長秀が何が起きたのかを説明した。
信忠「・・・成程。」
説明を聞き終え、腕を組み考える信忠。
信忠(十兵衛らしいな・・・懸命に働く姿勢は確かに良い・・・だが、懸命過ぎて視野が狭くなるところがあるな・・・)
信忠は、光秀らしいなと感じつつ、その欠点も察した。
良晴「信忠。十兵衛ちゃんは一生懸命過ぎただけなんだ。アイツ生真面目で融通利かねーし・・・」
すると、良晴が光秀をフォローし始め
信奈「随分と庇うのね・・・」
良晴「いやそこ絡むとこじゃねーだろ!」
信奈は少し不満そうに見た。
しかし
信奈「分かってるわよ。あの子に悪気が無い事くらい・・・それに、あの子の実力と教養、それにあの真面目な姿勢・・・今後も私の力になって貰いたいし・・・」
信奈は別に怒ってはおらず、寧ろ今後共力になって欲しいと言った。
しかし
利家「姫様甘過ぎ!」
五右衛門「うんうん!」
利家と五右衛門は納得していなかった。
すると
信忠「姉上・・・その事、十兵衛には伝えましたか?」
信忠は、信奈にその気持ちを光秀に言ったのかと尋ねた。
信奈「え?いいえ、言ってないわ。けど、いつか分かってもらえると思うし・・・」
信奈は言ってないと答え、加えて自分の気持ちはいつか分かってもらえると思うからと返したその時
バンッ!
「「「っ!」」」
信奈「信・・・忠・・・?」
信忠「それは姉上と同じ者が相手ならあり得るかもしれませぬ!されど、十兵衛は姉上ではありませぬ!!確と気持ちを伝えねば、伝わらぬ時もありますぞ!!」
信忠は拳で床を叩いて声を荒げ、ちゃんと言葉にして伝えないと駄目だと言った。
周りも、普段冷静な信忠が珍しく怒りで声を荒げる姿は見た事が無く、唯々驚いていた。
信忠「十兵衛は・・・今何処にいらっしゃる?」
信忠は、光秀が何処にいるのか尋ねた。
信奈「え、ええっと・・・多分京に戻ったと思うわ・・・」
信奈は、信忠が怒る姿を初めて見るため、少し驚き怯えていたが、何とか答えると
信忠「分かりました。それでは、俺は十兵衛と少し話をします。御免!」
信忠は立ち上がり、その場を後にした。
勝家と可成を除いた他の信忠の直臣も、信忠の怒りに驚きつつも慌てて立ち上がりその場を後にした。
残された信奈達は
「「「・・・」」」
暫く呆然としていたのだった。
そして
光秀「只今参上仕りました。」
信忠「おお、十兵衛か。入れ。」
光秀「はっ、失礼します。」
信忠は、光秀と会ったのであった。