信秀達の前に突然現れた信奈。
彼女に遅れて
長秀「申し訳ございません、大殿!」
長秀も現れ、信秀に謝罪した。
信奈「勝って本当に良かったわ。信忠も大活躍じゃない!流石私の弟ね!」
信忠「は、はは・・・」
信忠は、姉からの褒め言葉に少し複雑な表情を浮かべるも
信忠「しかし姉上。何故ここにいらっしゃるのです?那古野にて留守をしている筈では・・・?」
何故小豆坂にいるのか尋ねると
信奈「この目で本当の戦を見てみたかったのよ。やっぱり強かったけど、織田軍の方が上手ね。」
本物の戦をこの目で見てみたかったのだと言った。
信忠「そ、それは・・・」
流石の信忠も、姉が来た理由を聞き、若干呆れ顔だった。
その時
信秀「・・・」
信秀が信奈に近寄って来た。
信奈「何、父上?」
すると
信秀「この・・・大戯けがー!!」
信奈「っ!?」
信秀は、信奈に対し大声で怒鳴った。
信奈「父・・・上?」
信奈は、何故怒られるのかよく分かっておらず、呆然とした。
構わず信秀は
信秀「本当の戦が見てみたかっただと?お前は何を戯けた事を!那古野城を守れと言っておっただろうが!!」
信秀「この戦でワシにもしもの事があったらどうするつもりだ!!お前が織田家を継ぎ、動かさねばならぬのだぞ!!そんな事も分からんのか!!」
信秀「お前は真にうつけ者だったか!!見損なったわ!!」
叱責を続けた。
それは、今にも殴りかかっているような勢いだった。
すると
信忠「父上。お怒りはご尤もですが、戦勝でめでたい時にそのようなお叱りは、軍中に悪い影響を及ぼします。ここは一つ、お収め下さい。」
信忠が前に立ち、信秀を止めた。
長秀「大殿!此度の姫様の不始末は私の責任。これ以上の叱責は、私にして下さい!!」
長秀も、信秀の前で土下座し、頭を打ちつける勢いで下げて謝罪した。
信秀「・・・ハァ。」
信秀も、流石に頭が冷えたのか、一つ息を吐いて冷静になり
信秀「信奈。今すぐ那古野に戻れ。お主の処分は、ワシらが戻り次第決める。」
那古野城に帰るよう言った。
信奈「っ!」
叱責を受けた信奈は、返事もせずに歯を食いしばりながらそのまま去ったのだった。
長秀「姫様!」
信秀「良いのじゃ長秀。彼奴の側にいてやれ。」
長秀「大殿・・・もし姫様に処分下すなら、私にも処分賜り下さい。」
長秀は、自分にも止められなかった責任があるから、処分を自分にも下すよう信秀に言い
信秀「・・・分かった。戻って沙汰を下す。」
長秀「・・・御意。」
信秀は、長秀の意志を尊重した。
小豆坂の戦いは、結果として織田軍の勝利に終わったが、どこか後味の悪い形になったのであった。