氏真の将軍宣下が決まり、暫くが経った。
光秀は、信忠との話を終え
光秀「相良先輩・・・ごめんなさいです・・・」
すぐ良晴に謝った。
良晴「俺はもう大丈夫だ。気にすんな、十兵衛ちゃん。」
良晴は、特に怒る様子は見せず、光秀を許した。
光秀「信奈様。たこ焼き対決の件、誠に申し訳ございませんでした。」
信奈にも、不正をしてまで勝利を求め、信奈に不快な気持ちにさせた事を謝った。
信奈「もう過ぎた事よ。別に悪気が無かったのも知ってるわ。」
信奈「その代わり、今後の働きで報いなさい。」
信奈も良晴同様怒らず、優しく声をかけたのだった。
そして、その夜・・・
氏真「今日は本当に良い日ですわ・・・!」
将軍宣下に尽力してくれた人々の為に、氏真は感謝の意を込めて宴を催した。
良晴「よっし!!氏真の将軍任命のお祝いに、踊るぜぇ!!」
良晴は、自ら皆の前に立って滑稽な顔をしてダンスを始めた。
長秀「サル殿!少しはしたないですよ!」
彼のそんな姿に、長秀は嗜めたが
信奈「良いじゃない万千代。今日はめでたい日。少しくらい派手にやりましょう!」
信奈が少しくらい無礼講で良いと言ったので
長秀「は、はぁ・・・全く・・・」
長秀はそれ以上は言わなかったが、仕方ないと言わんばかりに苦笑を浮かべていた。
長可「よっしゃあ!アタシ達もやるぞ、平八!」
忠正「おう!勝蔵!!与四郎も!!」
秀隆「ち、ちょっと二人共!!」
すると、長可と忠正も、秀隆の手を取り、前に出て踊り始めた。
秀隆は戸惑いつつも
秀隆「もう・・・二人ったら・・・!」
どこか笑みを浮かべていた。
利家「サル踊りもっとやる!!」
良晴「よーし!!ほーれほーれ!!」
氏真「信奈さん・・・信忠さんはどこにいらっしゃいますの?」
その際、氏真は信奈に信忠がどこにいるのか尋ねた。
信奈「信忠なら厠に行ったわよ。六もいないし、あの子の護衛もしてると思うわ。」
氏真「あら?そうですの?あのお方には本当に感謝しておりますの。」
氏真「国を滅ぼされ、何も無くなったこの私を助けてくださり、加えて優しく私をお世話してくれましたの。」
氏真「その感謝の言葉と共に何か差し上げたくて・・・」
氏真は、少し頬を赤らめ若干モジモジしながら言った。
信奈「そ、そう・・・」
信奈(相変わらずね、あの子は・・・本当に・・・)
信奈は、弟のモテぶりに少し引いていたのだった。
ついでに言うと
良晴「そういや、十兵衛ちゃんもいないな・・・どこに行ったんだ・・・?」
光秀もいなかった。
半兵衛「光秀さんなら、一人庭に立って何か考え事をしていました。」
良晴「そうなのか?今日はめでたい日なのに何で・・・?」
光秀がお祝いの宴に参加してない事に良晴は首を傾げた。
その頃光秀は
光秀「・・・」
半兵衛の言う通り、一人庭にて空を見上げて考え事をしていた。
満月がよく見える美しい夜空だった。
しかし、夜空と満月が美しいからと言う理由で庭で一人空を見て宴に参加してないわけではなかった。
すると
信忠「そこで何をしておる、十兵衛?」
光秀「っ!信忠様!」
信忠に声をかけられ驚き、光秀は慌てて跪くと
光秀「私、ここで『戦』をしていたです。」
戰をしていたと返した。
勝家「・・・何だと?」
信忠の側に控えていた勝家は、光秀の言ってる事が分からず、片眉を上げた。
信忠「・・・」
信忠は、光秀の言葉に何も言わず、彼女を見据えた。
光秀も、そんな彼に目を背けず
光秀「今回の宴は素晴らしい事ですが、まだ『上洛の戦』は終わっていないのです・・・」
光秀「四国に逃げた三好三人衆は、恐らく今頃体勢を立て直し、虎視眈々と機会を伺っております。」
光秀「氏真の将軍宣下が無事に決まって油断し、その隙に奇襲をかけられればひとたまりもないです。せめて、警戒に私一人だけでもとこの場に立ち、『戦』をしていたのです!」
はっきりと理由を答えたのだった。
暫く静寂が包まれ、永遠に続くかと思われた。
すると
信忠「・・・はっ!」
「「?」」
信忠「はっはっはっ!!面白いな、十兵衛は!」
信忠が笑い始めたのだ。
勝家(あんな風に笑う信忠様は久しぶりだ・・・!)
勝家は、屈託無く笑う信忠を久しぶりに見たので、驚きを隠せなかった。
光秀(屈託の無い笑み・・・こんな顔を持っていたのですか・・・!)
光秀も、信忠の笑いに驚きつつも少し見惚れていた。
すると、信忠は光秀に近寄り
信忠「此度の宴、俺は姉上や氏真に言ったのだ。まだ『戦』は終わってはおらぬので、宴にある能の演目を減らすようにとな。」
信忠「良い心掛けだ・・・益々頼り甲斐があるな!励めよ、十兵衛!」
光秀を褒めた。
光秀「は、はい!!」
光秀は、信忠の褒め言葉に笑みを浮かべ、ハキハキとした返事を返した。
すると
信忠「それと・・・さっきからコソコソそこで聞いておろう!十兵衛は良い心掛けだぞ、弾正!」
信忠が立ち上がると、物陰に視線を向けて言い始めた。
すると
久秀「うふふ・・・別に盗み聞きしたわけではありませんわ・・・私も、明智殿と同じく警戒しておりましたわぁ・・・」
久秀が、蠱惑な微笑を浮かべながら姿を現した。
勝家「そこで何していたんだ、貴様!もしや、信忠様のお隣に・・・!」
久秀「あら?だとしたら?」
勝家「ええい!そこに直れ!成敗する!」
久秀の煽りに、勝家は目を吊り上げて久秀に詰め寄ろうとし
久秀「あらあら・・・そんなに怒ると歳を取りますわよ・・・」
勝家「う、うるさい!!」
久秀は軽くいなし、勝家は揶揄われて益々顔を赤くして詰め寄った。
信忠「はっはっはっ!」
光秀「はは・・・!」
信忠は、そんな二人に心から笑い、光秀も続いたのであった。
投稿出来ました。
かなりオリジナル内容で、上手く纏まらなかったんですけど、どうだったかな?
たまらなかったら、お許しください。
それでは、また。