うつけ姫の弟   作:ホークス馬鹿

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信秀の病です。


信秀の病

信奈の謹慎が解かれて暫くした後、信秀は病で寝込むようになった。

その間、政治は信奈が取り仕切る事が増えていった。

その信秀の寝室に

 

土田「殿、お身体の具合は如何でしょうか?」

 

信勝「父上・・・」

 

土田御前が見舞いに来た。信勝を連れて。

 

信秀「まぁ・・・悪くはない。」

 

信秀「それで、何の用だ?」

 

信秀は、起き上がって土田御前に何用か尋ねた。

 

土田「はい。織田家の後継者の事です。是非とも、信勝にしてくれますでしょうか?」

 

土田御前は、信勝を織田家の後継者にしてくれるよう頼んだ。

 

信秀「何を言い出すかと思えば・・・この前信忠を頼んだと思いきや、今度は信勝か・・・」

 

信秀は、呆れた表情を浮かべた。

実を言うと、以前もこのような話があり、その時は信忠を後継者にして欲しいと頼んだ。

しかし、信秀は拒否し、当の本人も

 

信忠「俺は、姉上を押し退けて跡を継ぐ気はありません。」

 

と断られたのだ。

それで、今度は信勝に後を継がせようとした。

 

信秀「お前、信奈もお主が産んだ子であろうが。」

 

土田「いいえ!あんな大うつけ、私の娘ではありません!」

 

土田御前は、信奈は自分の娘ではないとハッキリ言い

 

土田「その点、信勝は優しくて礼儀もしっかりしております。まさに次期当主に相応しいかと存じます。」

 

信勝を褒め、後継ぎに相応しいと答えた。

 

信秀「・・・しかし、信勝は武芸と学問はからっきしだと聞くぞ。」

 

とは言え、信勝には欠点があった。

それは、文武共に要領が悪いと言う事だ。

勿論、その事は信秀も聞いており、故に後を継がせるつもりは微塵も無かったのだ。

 

土田「そ、それは・・・」

 

これには、土田御前は言葉が詰まった。

 

信秀「この激動の乱世、人が良いだけじゃ乗り切れぬ!ワシは、ワシにすら測れぬ信奈の器に賭ける!」

 

信秀は、異論は認めないと言わんばかりの気迫で言った。

 

土田「しかし、信奈は・・・!」

 

それでも納得出来ない土田御前は、再度信勝を後継者にしようと言おうとしたその時

 

信奈「いたのですか、母上。」

 

土田「キャッ!?」

 

信奈が現れ、驚いた。

 

信忠「これは母上。信勝もいたんだな。」

 

土田「え、ええ・・・信忠もいたのですね。」

 

信勝「姉上・・・兄上・・・」

 

土田「さっ、行きましょう信勝。」

 

そのまま土田御前は、信勝と共に部屋を後にした。

 

信秀「で、何用だ二人して?ただの見舞いではあるまい?」

 

信秀は、二人が見舞いだけで来るとは思えなかったので、用件を聞いた。

 

信奈「ええ、その通りよ。父上、今すぐ隠居して、私に家督を譲るのよ!!」

 

すると信奈は、信秀に家督をくれと言った。

 

信忠「父上。父上の病は既に知れ渡っております。このままだと、どうなるかお分かりの筈。」

 

信忠は、信秀の病が広まっている今、このままでは敵が攻め寄せてくる危険があると言った。

 

信秀「そんな事は分かっておる!だが、信奈が継ぐにはまだ早い!今暫くはワシに任せろ!」

 

しかし、信秀は時期尚早と答え、隠居を断った。

 

信秀「こんな病、気力で治してみせ・・・ゴホッゴホッ!」

 

「「父上!」」

 

信秀「兎に角、隠居はまだせぬ!以上じゃ!」

 

信秀の有無を言わせない発言に

 

信奈「・・・分かったわよ。」

 

信忠「・・・御意。」

 

二人は頭を下げ、部屋を後にした。

 

信秀(彼奴ら・・・ワシに気を遣いおって・・・)

 

この時、何故自分に隠居を勧めたのか察した信秀だった。

何故隠居を勧めたのか。勿論敵が攻め寄せてきて、尾張が危険だと言うのもあるが

 

信奈「父上・・・何故隠居を断るのよ・・・隠居してゆっくり病を治して欲しいのに・・・」

 

信忠「姉上・・・」

 

実を言うと、隠居してゆっくり養生して欲しいと言う思いがあったのだ。

故に、隠居を勧めたのだ。

そして、不安は的中し

 

「今川軍が攻めて参りました!」

 

今川が攻めてきたとの知らせが入った。

この知らせに

 

土田「殿!その身体で出陣は無茶です!!」

 

信秀「皆がワシの動きに注目しておる・・・敢えて出陣して、内外に健在だと思わせねばならぬのだ!」

 

信秀は支度をし

 

信秀「さぁ、行くとするか!!『尾張の虎』織田信秀最後の戦にな!」

 

出陣したのであった。

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