足を痛めて歩けなくなったので続きを書きました。
青薔薇皇帝様の足元にも及ばないのでクソ惨めです。
【ドイツでの出会い編】
馬鹿みたいに鍛えたおかげで
日本でもそれなりに有力な選手になれたと思う。
12歳の時、ドイツのバスタードミュンヘンからの育成クラブ入団のスカウトが届いた。
他のクラブからも声がかかったけど、ドイツに行くことに決めた。
ユースの大会の中でもそれなりに大きな試合で結果を残せたので、それが影響したんだろう。海外からの視察も来ていたっぽいし。
使えるもの使ってここまでたどり着いたんだ~。
本当に大変だった。
この体物覚え滅茶苦茶良いから、言語は問題ない。
ああ、本当に前世の苦労を思い出すと泣けてくる…。
というわけで。
さようなら日本!
育成クラブに所属し、プロテスト合格を目指してせっせとやってたらなんとか合格できた。
チーム提携の学校でも、この体のおかげか、そこまで学業で困る事もなかった。
…アジア系が珍しいのか、ちょっかいかけられることも多々あったが笑顔で乗り切って
プレイで潰した。
世界レベルを体験するための留学、でもあるけど。
もう一つの目的としては、ドイツに来たのは、ミヒャエル・カイザーに会うため。
将来潔大好きマンになりうる人物だ。
ドイツにはスラム街といったところはなかったが、
両親の名前を基に調査したら、住んでいるところの目安はついたので、会いに行った。
ボールを蹴っている彼がいたので、声をかけた。
『サッカーで生活を変えられるよ』
育成クラブっていう衣食住がしっかり整っている素晴らしい場所があるんですよ、と。
囁いてやった。
結果的にカイザーのBMへの入団を早めることになった。
嬉しい~デフォルトの笑顔もいつもよりも増してニコニコですよ。
『お前のクソ笑顔はムカつくが、ナイスアシストだ、ケイ』
『そりゃどーも青薔薇皇帝サマ』
『…?』
出会った頃にはまだ青い薔薇のタトゥーは入っていなかったんだった。
そのあとちゃんとネスも見つけてBMへ入団する流れになった。
【Side:ミヒャエル・カイザー】
あいつとの出会いは、寒い冬の夜だった。
『よ、一緒にサッカーしようぜ』
そう話しかけてきた男は、俺と同じ年くらいの子供だった。
…こんな奴、ここら一帯にいただろうか。
『…?』
アジア系?それと、恐らくハーフだろうが、ここじゃまず見ない綺麗な服装。
なんでこんなところにこんな奴がいる?
謎すぎるし怪しいのでだんまりを決めるしかなかった。
『同い年くらいのサッカーやる子がいたらな~と思って。ちょっと遊ぼうぜ』
深紅の髪に、綺麗な笑顔が象徴的な男だった。
そもそもだが、ここで俺に話しかけるまともな奴なんていない。
俺が利用するために、あいつら(悪友) に話をする事はあったが。
当然だけど、サッカーする奴もいない。
純粋に、誰かとやるサッカーってものが気になったのだ。
こっちに転がってきたボールを蹴り返した。
~~~~~
何度目か忘れたが、あいつがやってきた時の出来事だ。
『怪我してんじゃねーか!』
今朝、親父に殴られた場所がまだジクジクと痛んでいた。
瓶で殴られたので、また何処か切れていたんだろう。
『ちょっとーーーー』
近寄って手を伸ばしてきたあいつの手をはたき落としたことがあった。
『…』
『あ、急にごめん
…じゃあさ。サッカーしようぜ』
善意の受け取り方を知ったのは、それから数年後の事だったが。
〜〜〜〜〜
『俺は有馬ケイ』
『…有馬?』
『名前はケイだからケイって呼んで~。お前の名前は?』
『…ミヒャエル・カイザー』
『なんて呼べばいい?』
『ミヒャでいい』
『おう、ミヒャ、改めてよろしくな~』
あいつは何度もここ(俺の家の付近)にやってきた。
ここの近くに住んでいるのか?と聞いたが、どうやら違うらしい。
『寮に住んでいるんだ』
『寮?』
『サッカーチームの育成クラブの寮ね』
~~~~~
『ミヒャならサッカーで生活を変えられるよ』
時間さえあればクソ物で練習して、あいつを驚かせるような技を習得したりして。
俺はバスタードミュンヘンの育成クラブのトライアウトを受け、合格した。
チーム関係者が保護者の同意が必要だと言って、チーム関係者と同伴の元、俺の家に行った時、
案の定親父は暴れだした。
ああ、俺はまたここに戻ることになるかもしれない────。
『お前の未来はお前のもんだからさ、大丈夫だって』
『…うん』
ケイが隣にいてくれたのは本当に心強かった。
その後、親父は警察に連れていかれた。
~~~~~
あの街にいた時もよくあったが、
基本、自分よりも強い人間には逆らえない。
ケイはここに来た当初、酷い嫌がらせや差別を受けてきたという。
『全員がそうじゃないけど。好意的に接してくれる人もいるよ。アリとか。
ま、結局は試合でねじ伏せるのが一番効果覿面かな』
俺も鍛えまくって、
相手を試合で叩きのめし、絶望する顔を何度も見てきた。
ケイは既にトップチームに合流して練習してるそうなので、
普段はほぼ話さない。
学業だって、ほぼ学校に通っていなかった俺とは別クラスなので会わない。
…休日だって、いつもどこかへ出かけているみたいだ。
そういえば俺、あんまこいつのこと知らないよな。
☆
『げ!ミヒャお前なにそのタトゥー!超カッコいい』
『…まぁな。カッコいいだろ』
『花言葉:不可能の青薔薇。良いねお前らしいよ』
『…お前本当に何でも知っているよな』
うっかり忘れそうだが、こいつはドイツ語だけじゃなくて、英語、スペイン語、日本語やその他言語を多様に話す多彩マンだ。
それに、人当たりの良い笑顔もして、現在は人間関係も良好な関係。
本当に非の打ち所がないというか。たまにズボラな時もあるけど。
俺も頑張らないと、と思える。
そういえば、あいつよく「初心忘るべからず」なんて言いながらエグいトレーニングしているな…。
~~~~~
『じゃじゃーん。ミヒャに影響されて俺もタトゥー入れてみた』
『はぁ?!お前、何やってんだよ…』
ケイの左鎖骨あたりに刻まれた文字。
”Bis zum Ende”(終わりまで)
『…?どういう意味でこれ入れたんだ』
『とりあえず90分間試合に出ても途中でバテナいようにしたいって目標を書いた』
『…ダサ』
ケイらしいなとは思った。
『ミヒャイケメンなのにタトゥー入れた時は本当に驚いた。
でも、自分を象徴するタトゥー入れてて、似合っているし更にカッコ良くなったと思った』
全ての人間が魅惑されるような笑顔でそう言ってくる。
『バッ!そういうこと言うなよ恥ずかしい』
本当にこいつはオム・ファタールなんじゃないだろうか。
『俺はミヒャのファン1号だからね』
☆
ケイがネスとかいう奴を連れてきた。
『ミヒャ、可愛がってあげてね』
『よ、よろしくお願いいたします!』
『は?』
意味わかんねえ。
この犬ころみたいな奴の世話をしろということなのか?
踵を返して部屋へ戻ろうとする。
『待てミヒャ。ネスはお前にとってきっと役に立つから』
ケイは口酸っぱく「誰かが居なきゃ成り立たないプケイはしない」と言っていた筈だが…。
『どういう意味だ』
『試合外で仲良くしてねってこと』
その後、ネスはよく俺の元へ駆け寄ってきてくれたり、
長くて鬱陶しい俺の髪を何とかしてくれたり。
普通の人間ができるであろう身の回りの世話をよくしてくれた。
休日に3人で出かけたこともあった。
買い出しに行ったり、観光地に行ってみたり。俺は観光地なんてものに詳しくなかったので、ネスの情報便りに様々な場所に行ってみた。正直、人工の名所はともかく自然の絶景で心打たれるのは理解できなかった。ケイはそういったのが好きだったっぽいが。
それとウィンタースポーツにも挑戦した。スノーボードでコースを疾走する俺を、ケイはスマホでずっと動画を撮っていた。ケイはそれをネスに見せて、ネスの様子がより一層可笑しくなったのは覚えている。時折恍惚した表情を俺に向けてくるようになった。
ケイと俺は、割とバッサリした関係というか…。
必要だったら話す。利用できるときに話す。
でも、ネスは俺の深くまで関わろうとしてくる。
便利だからなのはそうだが、一緒にいて自身が笑顔になる場面があるなと思った。
なんというか…。
ぼくもカイザーインパクト撃ちたいです