使用プレイヤー:真原健太郎
使用パーツ
射撃武器:なし
格闘武器:ツインブレード
シールド:なし
頭部:ガンダムバルバトス
胴体:ガンダム・バルバトス
バックパック:ガンダムバルバトスルプスレクス(太刀をマウント)
腕:ガンダムバルバトス
足:ガンダムキマリストルーパー
勇太への復讐のため、真原健太郎がバルバリックを改修したもの。
地上での戦闘を想定しており、その際に高い機動性と運動性を発揮できるキマリストルーパーの脚部が採用され、バルバトスのアンテナを模したツインブレードは連結することでレールガンとなり、ダインスレイヴの発射が可能となっている。
阿頼耶識システムによって得た反応速度で戦場を縦横無尽で駆け抜け、ダインスレイヴの一撃でとどめを刺すことが最大の攻撃となる。
なお、ケンタロウの復讐心を反映させるため、バルバリックでの戦闘中に折れたアンテナは改修されていない。
ケンタロウのコンソールへの操作によってバルバタウロスの周囲に発生する裂け目。
その中から次々とガンプラが出現する。
黒く、ミサイルポッドなどの重装備が施された陸戦型ガンダム。
スカイブルーやパステルブルーなどの青で施されたウイングガンダムゼロ。
赤く塗装されたグフカスタムや白の塗装が黒く染まったレッドフレーム、赤と白でカラーリングが施されたサンドロック、青く塗装されたドライグ、緑と赤で塗装されたザンネック、白と青の塗装のファントム。
8機の増援の登場で、数的優位はあっという間にひっくり返された。
「クッフフフフ…気をつけろよ、こいつらはあの雑魚どものパーツから組み立てたものではない。俺自らが厳選し、磨き上げたガンプラに特別なプログラムが施されたAIが搭載されている。どこまで持つか…見物だな」
「くっそ…この壁はきついな。簡単には破れねえぞ」
「モチヅキさん、どれだけ時間があれば、突破できますか?」
「10…いや、5分待て!!」
裏方に置かれているシミュレーターにパソコンをつなげ、眠い目をこすりながらモチヅキがキーボードを素早く操作する。
彼女だけではなく、運営でモチヅキの助手になれる人を集めて彼らと共同で動いている。
会場に設置するシミュレーターの予備に勇太が乗り込んでおり、いつでも出撃できるように待っている。
ログインできていない今、スマホに映る今のミサたちの様子を見ていることしかできない。
「ミサ…どうにか、持ちこたえて。すぐ、行くから…」
「もう、何なのよこの反応速度!!」
ドラグーンやビームライフルでどんなに撃っても、すぐに反応して軌道を変えて回避し、ツインバスターライフルを撃ってくる青いウイングガンダムゼロにサナは消耗していた。
今まで高難度のNPCと戦ってきたことはあるが、このAIの動きも反応速度も尋常ではない。
「その白い奴は…私を苦しめるために作られたのか!?」
ウイングゼロのAIパイロットの脳裏に浮かぶのはこの緑と炎であふれるジャブローではなく、香港の光景。
そこで、白いガンダムと戦う自分。
「みんな、みんな…燃えてしまえーーーー!!」
「AIの限界を超えているうえに、このプレッシャー…何なの?!」
「紹介しよう、貴様が戦うそのガンプラは究極の力で空を支配するウイングガンダムスカイゼロ!そして、そのパイロットはフォウ・ムラサメ。勝利への道へと導くゼロシステムを強化人間が使いこなす!それが見せる未来は、貴様の完全なる敗北のみ!そして!!」
「上!!キャアアア!!」
雲を突き破って飛んでくるビームがバックパックをかすめる。
ジャブローのはるか上空から狙いをパーフェクトストライクフリーダムに合わせるザンネック。
「かすめたか…早いな、あの機体。直撃だと思ったが」
「大気圏外からの狙撃を可能とするザンネック!歴代モビルスーツの狙撃技術を結集させ、サイコミュセンサーに匹敵する補足能力を手に入れ、進化したザンネック・シムナ!そして、そのパイロットにふさわしいのは成層圏まで狙い撃つ男、ニール・ディランディ…否、真のロックオン・ストラトス!!」
「サナ、今行くぞ!!」
トウマは背後からスカイゼロに向けてビームサイズを振るう。
白い機体であるパーフェクトストライクフリーダムに対して敵意を向けている分、今の彼女はそれ以外をおろそかにしている。
上空のザンネックのザンネックキャノンの冷却時間を考えると、今仕留めないとまずい。
だが、彼女を守るように側面から現れたレッドフレームのガーベラストレートが攻撃を阻む。
「何!?」
「ガンダム…引導を渡す!!」
人間のような滑らかな動きでリヴランスヘブンに蹴りを入れ、地に落ちたリヴランスヘブンの前にレッドフレームは着地する。
「くっ…このアストレイ、動きが鋭い!!」
「クククク!人の動きを極限まで追求したこのレッドフレームインバージョン!刃の切っ先まで魂を乗せるこの機体に最もふさわしいのは、執念を仮面に忍ばせたわが心の象徴、ミスター・ブシドーにおいてほかにあるまい!!」
「そんな機体が…うわっ!!」
右側のアクティブクロークに実弾が命中し、大きく転倒するリヴランスヘブン。
起き上がると既に目の前にはドライグが現れており、ライフルを向ける。
「やられるか!!」
リヴランスヘブンがメガソニック砲をあおむけの状態で発射したが、それを同時にドライグが瞬間移動したかのようにその場から消える。
そして、レッドフレームの隣に再び姿を現した。
「瞬間移動…いや、これは…」
「モビルスーツの小型化が進むきっかけとなったF90に敗れしゴーストファイター、MSA-120ドライグ!亡霊がごとき加速によって戦場を駆け抜けるドライグ・ゴーストのパイロットはゴーストファイターの可能性を最後まで信じ、運命を共にしたこの男こそふさわしい!ジャン・リュック・デュバル!!」
「ドライグよ…貴様もまた、ゴーストファイターなどではない。ヅダの魂とともに、私が証明しよう」
サナとトウマが戦いを繰り広げる中、谷底にいるリュウセイは正面に立つ黒い陸戦型ガンダムに翻弄されていた。
ツインアイが赤く染まり、谷底の制限された空間において空中戦が行えないヘリオスはマシンガンやミサイル攻撃の良い的となっていた。
時には地面に向けてバルカンを発砲されたことで粉塵が発生して視界が封じられ、そこからいきなりビームサーベルで切りかかられた。
「うわああああ!!」
「規格落ちをブラッシュアップするという俺のビルダー心を刺激した陸戦型ガンダム、市街地戦に特化したこの機体の内なる力は対ニュータイプ戦に特化したEXAMシステム、そして…そのシステムに最も愛された男、ユウ・カジマ!!これによって完成されたその力はまさに黒き死神!そして!!」
「こいつは…!!」
ようやく粉塵が晴れたが、陸戦型ガンダムは岩場に隠れてしまう。
それと同時に警告音がコックピット内に発せられ、真上からは多くのビームが降ってくる。
「拡散ビーム…いや、これは!?」
ビームに気を取られるうちに急速に接近してくる敵機体が抜いた、ゆらめる炎のようなビームサーベル。
何か嫌な予感を感じたリュウセイはビームシールドではなく、サーベルで直接防御する道を選ぶ。
「光の翼の力を求め、木星帝国が生み出した未完成機、ファントム!このテロ攻撃用モビルスーツファントム・ハデスのパイロットにふさわしきは同じテロリストたるこの男!」
「…人の犯した過ちは、マフティーが粛清する!!」
「はあああああ!!」
「おおおおおお!!」
赤く染まったグフカスタムとミサのブレイジングガンダムの脚と脚がぶつかり合う。
互角のパワーでぶつかり合う二機が一度距離を取り、ミサは目の前のグフの力に警戒する。
「強い…!」
何度か接近戦をしたが、一度も攻撃が命中していない。
機体だけでなく、限界を超えたAIパイロットもただ者ではない。
「ハハハハハ!!おびえすくむにはまだ早いぞ。俺と同じ悲運に翻弄されたエース、ゼハート・ガレッド!お前こそ、この炎の情念を宿したこのグフクリムゾンカスタムに乗る資格を持っている!」
「その程度か、ガンダム」
ゼハートが思い出す、火星の外で出会った数少ない親友と彼が乗るガンダム。
同じガンダムの名を持っていることで目の前のその機体に期待していたが、やはり彼には及ばない。
「これで終わりだああああ!!」
「独自のカラーバリエーションで組んだガンプラに理論値を越えた性能のAIパイロットか…」
戦況を見つつ、ガンプラとAIのデータを見るカドマツは新たに登場した脅威、そしてそれを作り出したケンタロウに舌を巻く。
ガンプラは出来栄え次第ではどうにかなるが、AIパイロットについては普通にパイロットレベルを上げるなどをしても、今起こっているような戦いの状況は作れない。
今のミサたちは高レベルのAIパイロットが相手でも苦戦しないほどの力量だ。
「まさか…意図的にバグをプログラムの中に組み込んだってのか?」
刀とビームランスがぶつかり合い、その中で飛んでくるレールガンにも警戒するトウマ。
今の状況ではミサを除くと2対1。
これでは勝つことは難しい。
どうにかして一気に数を減らす手段がないかと頭の中を整理する。
二人のガンプラの性能と兵装、そして自分の機体の状況。
「…!リュウセイ、サナ!!この状況では分が悪い!連携で一気に仕留めるぞ!」
「「了解!!」」
レッドフレームに背を向けたリヴランスヘブンが上空のパーフェクトストライクフリーダムの下へ飛ぶ。
そして、2機はお互いに味方に向けてビームを発砲する。
お互いの同士討ちとなるビームを避け、対象をはずしたビームは追跡していたウイングゼロとレッドフレームに襲い掛かる。
「何!?」
あくまでも真正面からのビームのため、避けることはたやすい。
だが、問題なのは想定していない攻撃が来たことだ。
フォウとブシドーの姿をしているが、AIであることには変わらない。
想定外の行動に対して、ほんのわずかだが反応が遅れる。
「もらったあああああ!!」
「そこだあああああ!!」
パーフェクトストライクフリーダムがシュベルトゲベールを、リヴランスヘブンがビームサイズでそれぞれレッドフレームとウイングゼロに切りかかる。
先ほどの攻撃で遅れた反応と生まれたわずかな隙。
だが、やはりフォウとブシドーの姿をしているだけあって、生き残るだけの手段はある。
レッドフレームは左腕を犠牲にする形でコックピットを切り裂かれるのを阻止し、ウイングゼロはツインバスターライフルを盾替わりにする。
だが、連携はここまででは終わらない。
ここにはまだドライグがいて、上空にはザンネックがいる。
二人は谷底へ向かって飛び、それを3機が追いかける。
谷底へ降りたところでサナはパーフェクトストライクフリーダムのガトリングを地上に向けて発射して粉塵を作る。
そして、リュウセイと交戦中に陸戦型ガンダムに向けてビームライフルを撃つ。
背後からの攻撃に気づいた敵はビームライフルをかわすとシールドでコックピットを守る態勢に入り、その間にリュウセイはサナとトウマとともにその場を離れていく。
モビルアーマー形態へ変形したファントムにつかまった陸戦型ガンダムは3機と合流し、6機で逃げていく3機をおいかける。
「リュウセイは切り札の準備をしろ!エネルギーは大丈夫だな!?」
「大丈夫だ!!先に行く!!」
ヘリオスが加速していき、反転したリヴランスヘブンとパーフェクトストライクフリーダムが追いかけてくる敵機に向けてメガソニック砲とドラグーンで攻撃を仕掛ける。
谷から飛び出したヘリオスは地上に降り、その姿をグフと戦うミサが目撃する。
「ちょっとちょっと!!何かやるなら、私も混ぜてよ!!」
「説明している時間がないんだ!!」
いくらトウマとサナでも、足止めに長い時間は使えない。
リュウセイはGコンを操作し、月面に信号を送る。
戦いの中でいつの間にか夜になろうとしていたジャブローにかすかに浮かぶ月。
そこから送られるマイクロウェーブを受信し、ヘリオスのツインサテライトキャノンが発射態勢に入る。
更にパルマフィアキーナやビーム砲も一斉射撃の態勢に入る。
「タイミングを合わせてくれ…みんな!!」
ツインサテライトキャノンのチャージ完了までのカウントが始まる。
攻撃をやめ、再び逃げだしたトウマとサナ。
向かうのは先ほどリュウセイから送られた座標地点だ。
「ああ…そういうことね!!」
やりたいことが分かったミサは切りかかろうとするグフの右腕をつかむと、背負い投げの要領でヘリオスに向けて投げつける。
「3,2,1…ヘリオスセステットキャノン、シュー…」
「フォウは先行し、ゼハートを救出しろ。残りの機体は谷底からまだ出るな!!」
「何!?」
先に飛び出してきたのはサナとトウマではなく、武装をすべて捨てたウイングゼロで、投げられて射線上に入っていたグフがその上に乗って逃げていく。
そのあとでサナとトウマが出てきて、そのあとで発射されるツインサテライトキャノンとビームの奔流。
それらは虚空を貫くだけで、ビームが収まった後で5機が谷から出てきた。
「俺たちの…連携が」
「破られた、だと…?」
起死回生の一手が回避された衝撃は大きく、呆然とするリュウセイ達。
そして、その姿を見たケンタロウは高笑いし、そのそばにはサンドロックの姿があった。
「この機体って?!」
「8機目だ…どんなに圧倒的な力を持っていたとしても、個だけでは戦局を変えることは難しい。
その個を集団に変えるための力を持つガンダム、サンドロック!指揮官となるのは最前線での戦いを繰り広げ、ガンダムを狩り、誰一人戦死者を出すことなく戦いを終えたジオンの異端児、ゲラート・シュマイザー!フェンリルの名とともにサンドロックで、力を振るうがいい!」
「これがガンダムというものか…敵として戦ったゆえに分かった。それを味方にすることがどれほど大きいかを」
「これが…これこそが彼らと私の力だ!首をたれろ、敗北を受け入れろ!!」
再び上空から飛んでくるザンネックキャノンのビーム。
避けたとしても、陸戦型ガンダムとドライグの火力が襲い、ファントムとウイングゼロが上空を制圧し、グフとレッドフレームが懐に飛び込んでくる。
そして、サンドロックもまた、ジャイアントバズーカを手に6機に合流する。
「まだまだ!まだ私たちは戦える!そうでしょ!みんな!!」
ケンタロウも含めて9VS4となってしまったが、それでもまだ機体そのものが大破したわけではない。
使える武装とシステム、出ていない撃墜判定。
それらがまだ自分たちも、自分たちが魂を込めて作ったガンプラも、あきらめていないことを教えてくれる。
「戦えぬさ!!なぜなら、まず貴様がここで敗れるからだ!!」
バルバタウロスが放つテイルブレームがビームサーベルを展開させてブレイジングガンダムに襲い掛かる。
グフと戦っていたミサがそれに気づいたときにはもうブレイジングガンダムの反応速度でも避けられない状態だった。
このままでは背中から貫かれることになる。
「ミサさん!!」
「逃げて…!!」
3人も、助けに向かう余裕がない。
一瞬止まったように感じた時間の中で、ふとミサの脳裏に浮かんだのはタウンカップ決勝で、勇太が助けてくれた時だ。
(勇太君…!)
彼の名を心の中で呼ぶと同時に、ミサを貫くはずだったテイルブレードが高速で飛んでくる弾丸の一撃によって粉々に破砕される。
「何!?」
今戦っているミサたちは正面にいて、射線は明らかに側面から。
今はミサというイレギュラー以外のログインなどありえない状態で、ドラグーンを使ったとしても、このような攻撃などできない。
だが、それは誤りだと告げるのはレーダーが反応するもう1機だ。
「1時の方角に…所属不明機1、だと!?」
右手に大型ライフルを持ち、全身が真っ黒なクロークによって隠れた機体。
ゆっくりと立ち上がったその機体が左手でクロークを脱ぎ捨て、満月を背にその姿を見せる。
「あれは…」
「バルバトス…?」
胸部に見慣れない増加装甲をつけ、左腕にガントレッドが装備され、腰には太刀を2本差した第4形態のカラーリングのバルバトス。
そのコックピットには耐圧服姿で阿頼耶識システムで機体と接続している勇太の姿があった。
「沢村勇太、バルバトスバルドル…行動開始。ミサ、今行くよ」