深淵より這い出した者   作:観測者A

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第8話

とある物質があった。

 

この物質は『無限とも言えるほどの活用の可能性』を秘めており、実際にとてつもない活用が成された。

 

 

物流を動かすガソリンの代替素材となり……バイオディーゼルへの部分的な交代が発生し、石油産地の価値が下落。

既存のプラスチック製品やポリエチレン、ポリエステルへの集中的な使用になった。

 

オイルデリックの維持にかかる金額より完全に代替するためのコストが高いが故に、燃料の分野では『物質』に由来する代替ディーゼルガソリンが進出されても石油にはまだポテンシャルがあるとみなされていた。

 

しかし、『物質』はとてつもない規模の活用法があり、石油と同等とも言えるほどの種類の製品を生み出せる。

 

抗菌成分が含まれており、それを抽出して感染症予防などアルコール消毒液に類似した製品を作れたり、豊富な栄養を利用して医療分野ではワクチンの製造が加速した。

 

幹細胞の塊であるが故にウイルスの揺籃となることができ、ウイルスの培養にとても向いていた。

 

そして、炭酸カルシウムの塊である『物質』をさまざまなものに混ぜたり、一部の建材にも使用される。

 

絵の具……画材としてもそれは優秀で、さすがに人工塗料と比較すると発色は悪いが昔の絵画などを修復する時にも用いることができた。

 

 

そして、土木・建設業界で最もコストがかかり、かつ不足しているのは砂と石灰石だ。

 

しかしエッグマシンさえあれば…石灰石採掘の完全停止となる。卵の殻はほぼ100%の炭酸カルシウム。

 

エッグマシンに取り付けられた『生産ボタン』を連打して、殻を粉砕するだけで、セメントの主原料や道路の路盤材が無限に手に入る。

山を大量の資金を使って削る必要がなくなり、あらゆる建物の建設コストは輸送費のみにまで暴落する。

 

多孔質建材の圧倒的な標準化ができ、卵の殻を混ぜた壁材は、微細な穴が湿度を調整し、断熱性も高いのだ。

 

 

これまで高価だった珪藻土のような性質を持ち、高級建材として珪素土が、そしてエッグマシンから出た『物質』が最低ランクの安価な建材として世界中の住宅を快適な住居へ変える。

 

 

原材料が0円になっているのと同じであり、既存の建材は『物質』は棲み分けを余儀なくされた。

 

そして物流・梱包革命も止まらない。

 

石油由来の梱包材(発泡スチロールやプラスチック)が、法的規制を待たずして市場から消え去るのだ。

 

そして、加熱凝固による「型抜き」パッキングができる卵白は加熱すれば固まる。エッグマシンの横に金型(耐熱プラスチックやシリコンでも可)を置き、卵白を流し込んで熱を加えるだけで、精密機器を保護するオーダーメイドの緩衝材が完成する。

 

もしも脆くなっても使い捨てが楽。なぜなら廃棄コストのみがあるからだ。

 

 

 

 

そして100%生分解性を持ち、使用後はそのまま土に埋めるか、家畜の餌にするだけ。ゴミ処理費用がゼロになる。そのため、巨大物流企業はすべて梱包材がエッグマシンから出た『物質』を加工したものに切り替える。

 

農業・畜産革命も止まらない。

タンパク質濃縮による食肉の驚異的な低価格化が発生したのだ。

かつての畜産業の最大のコストは飼料(旧世界でのトウモロコシや大豆などを指す)だった。

 

しかし、エッグマシンから生産される『物質』は家畜飼料の完全代替ができる。

 

羊、豚、牛などに卵黄を加熱して与える。

卵はアミノ酸スコア100の完璧なタンパク質。植物性飼料より遥かに効率的に肉やミルクに変身し、人々の胃袋を支える強力な物となった。

 

そして、旧世界から新世界に切り替わった時、卵で育てた牛という逆転現象が発生した。

 

 

本来高級なタンパク質である卵を、最も安い肥料・飼料として使うことで、牛肉や豚肉の価格が劇的に下がる。

 

衛生・化学革命も容赦なく起きた。

界面活性剤と殺菌剤の「タダ乗り」だ。

 

 

石油化学製品の多くが、卵の成分で代替可能で、『物質』はそれほど直接的に恐ろしい脅威ではないが……何よりも既存の世界を粉砕した。

 

さらにこれは工業用乳化剤という用途もある。

 

塗料、化粧品、薬品の製造に欠かせない乳化剤(界面活性剤)。これを石油から合成するより、エッグマシンから出る卵黄から抽出する方が圧倒的に安くなる。なぜならタダで出現するのだから。

 

これにより、あらゆる化学製品の原価が10%〜30%ほど削り取られた。

 

しかし副作用として、卵白の殺菌成分、「リゾチーム」を精製せず、そのまま洗浄液として使ったり……粗悪な食品工場は床や機械を卵白水で洗い流すような光景が生まれてしまった。

 

精製すると強力な防腐・殺菌効果が得られるため、リゾチーム精製を強く推奨しているが……毒性の強い化学洗剤の使用量が激減した。

 

しかしウイルスのパンデミックは激減したがなぜか食品工場などで異様なまでについているウイルス・スコア。

これをきっかけに大規模調査が国際的に行われ、事件の全容が明らかになった。

 

食品加工工場に導入された『エッグマシン』は取り下げとなり、化学的な毒性を持っていたとしても殺菌力の強い旧世界の物を使うこととなった。

 

これ以外にも類似した事例はかつて多発しており、時間の問題だったとも言える。

 

 

結局は石油化学とセットにして使うのが最良の選択だった。殺菌力がいくらあると言ってもそれは一部のウイルスに限った話であり、『殺菌に耐えられる』『素早く増える』などの特性を獲得させる選択圧を働かせることに等しかった。

 

 

こうして科学的な殺菌も重視され、人々は『天然素材だからと全ての分野でむやみやたらに使えるほど優秀ではない』という事実に到達した。

 

パンデミック流行をきっかけに、エッグマシンを防疫分野に使う試みは停止された。

 

ちなみに、パンデミック以前から食品工場の無機化は進行していたが……皮肉なことに、パンデミックを引き起こした間接的な犯人の1人であるエッグマシンが契機となって無機化が促進された。

 

食品加工の現場では、エッグマシンの直接導入は厳禁され、今では遠く離れた集中精製所で完全に加熱殺菌・乾燥された卵粉末が製造され、それが厳重な管理下で工場へ運ばれる。かつての床を卵白水で洗うといった暴挙は、衛生や防疫、さらには薬学の教科書に載るほどの『集団的狂気』として記されている。

 

そしてそもそも、路盤材としての卵殻の限界があったのだ。卵殻を混ぜた道路は確かにコストが0円ということで全ての素材を凌いで無料という安価の極みだが、熱帯気候の場所で作られた際にカルシウムなどの成分が溶け出し、地下水に影響を与えることが判明した。

湿度の高い気候帯や頻繁に雨が降る地域では卵を使用した路面を使うことはせず、

現在では、特定の排水処理設備を持つ有料道路や、許可された工場敷地内にのみ使用が制限され、一般道は再びアスファルトなどの石油由来の製品が主役に返り咲いている。

そもそもとして道路を新しく作るような需要がなかったために、これらの卵で作られた道路というのは非常に希少だ。

 

道路の路盤材におけるカルシウムの溶出という指摘が行われ、現在はごく一部の場所にしか残っておらず、アスファルト類を使った方が良いという見解が存在するのが現実だ。

 

炭酸カルシウムの物性もあるが……卵殻の95%は炭酸カルシウムであり、これはセメントの主原料である石灰石とほとんど同一であり、これが利点でもある。

 

しかし、天然の石灰石が数億年かけて結晶化したのに比べ、卵殻は有機物に付着した薄いごく一部の殻の集まりに過ぎない。

路盤材としての限界もあり、未処理の卵殻をそのまま道路に敷けば、付近の工場の影響を受けた雨水(酸性雨)によって炭酸カルシウムが重炭酸カルシウムとなり溶け出し、地盤沈下や地下水のアルカリ化を招く。

これは土木工学における石灰安定処理の副作用と同じであり、そのため現在では卵殻を一度焼成し、生石灰(CaO)に変えてからセメントに混ぜるという工程が必須となった。ここでも、焼成のための熱源として、石油や卵由来のメタン燃料が必要になるので、石油は希少性がなくなると新世界に変わってから、やがて実現するだろうと毎日のように騒がれた『未来予想図』は全くの的外れもいいところだった。

 

卵が無限にあったところで戦争は世界から消えなかったし、飢餓ゼロの達成はできたが分配の不平等が未だ根強く、社会主義に基づく公平な国家による分配が機能していない地域も多い。

 

そして現在はワクチンの培養に広く使われることとなったのだが……何よりも最も使われるようになったのはバイオディーゼル、つまり燃料の分野。

 

 

語弊があるかもしれないが易化して話すと、石油にはナフサやエチレンなどが含まれている。これを精製して取り出すのが『精油』という工程だ。

 

ガソリンにも軽油や重油などの種類があるが、これは精製する時の言葉であり比重が軽いか重いかでしかない。

 

石油と一言に言っても、原油から抽出できるものには種類があるのでさまざまな利用方法があるわけだ。

 

しかし、エッグマシンから出てくる『物質』は、ただの無精卵。ヒヨコはいくら鶏で温めても孵らないし、インキュベーターでじっくり温めても孵化することはなかった。

 

 

しかし、ただの卵と言えど無限にあるのなら恐ろしい規模の産業の破壊が発生する。実際に起きたのは飼料用トウモロコシの需要が根本から無くなることだ。

旧世界から育てられ続けたデントコーン種などの飼料用のトウモロコシは大多数の農地が放棄され、限定的な産出に留まって年々縮小している傾向にある。

 

コーンシロップやバイオエタノールなどの利用ができるトウモロコシのみが生き残り、さらに豆類に関しては土壌に窒素を供給する『伝統的農法』でのみ使われるようになり、肥料用のマメ科の植物は商業価値が多いに下落。ついでに卵の殻は何度も言っているがほとんど炭酸カルシウムなため肥料になり、化学肥料メーカーは『無料の調達コスト』と『無尽蔵の原材料』という特性を持った肥料と勝負しなくてはいけなくなり、価格競争では全く勝てなくなった。

 

なにせ肥料という形に加工した費用である加工費と人件費、その他もろもろの設備費用だけで理論上は販売できる。

 

利益で財布を潤したいならこの肥料を相手に価格競争をして値段を下げに下げ、薄利多売の路線に行くしかない。

 

しかしそうしようにも……土地は増えることはない。農家の数は増えるが土地が拡大することは新規に開拓でもしない限りありえない。

 

販売先の数が同じで、量では完全に負ける。なら質で戦おうとしようにもリン肥料などは国が下水道とかから回収して農家に与えているため無料、つまり植物三大栄養素の1つは国家が既にやっていて売れない。

 

カリウムか窒素か……活路を見出すにはここしかないので既存の化学肥料メーカーは、エッグマシンが登場する前からリン肥料以外に絞った商品戦略をしていた。

 

ターゲット層が農家か、小規模なトマトとかを自家栽培してる人のみであるので出来るが……肥料の一点だけに卵は使えないという訳では無い。

 

 

むしろ卵が肥料としての役割を持っているはサブ的な役割。

既存の化学肥料メーカーがピンチに陥った時、保護政策で絞ったからエッグマシンは化学肥料を代替しなかった。

 

空気を遮断して卵の卵黄などを燃やし……タンパク質だとか、嫌気性だとかなんとか専門用語は使うと長くなるので結果だけ書くと、『メタンガス』が大量に出る。

 

これを発電に使えば?もちろん既存の火力発電所より効率は悪いが『元手0円』の『無料の電気』が発生する。

 

しかし核融合炉のお陰で既にそれは達成済。しかし、それでも結構な発電効率がメタンガスにはある。

 

温室効果ガスなので周辺の温度が夏に上がったりするかもしれないという可能性はあるが、漏洩しなければ良いだけの話。

 

火力発電所……まあ風力発電所や地熱発電所より、計画的な発電ができるだけの劣った発電所。

 

それを、わざわざ新設する意味も薄いので実験用に1基しか建てていない。なぜ水素式の核融合炉があるのに発電所があるのかと言えば……まあ利権が絡む話なので、簡潔に説明しよう。まず既存の効率が悪くなってきた発電所があるならそれをできるだけ生かして、延命しながら代替する手段を探す。

 

どうにもならないのなら巨大資本を投入して発電所を建てるがこれはあくまでも最悪の手段。コスト面で言えば最悪の効率で、長期的に見れば+になるのかもしれないが現代でそんな場所はだいぶ少なくなってきた。

 

それに、企業との癒着などメディアが報じる場合もある。企業と癒着だの言われても……大規模な建設事業というものを、国の事業にする方が手間がかかるのだ。

 

資材の全てに管理番号書いた札を貼り付けて、毎年毎年、卸しをやるのは事業者としても労働者としても双方が損をする嫌な選択肢。

 

 

 

現実として数千の資材、しかも発電所となれば大量の部品の発注をする必要があるし、それを全て管理しないと国の責任問題とかになってとんでもない苦労がかかる。

 

発電所の重みで地盤が沈下しない場所の選定から始まるのにそんな本番である煩雑極まる手続きことをやる段階にするには最低でも5年……いや、8年以上は必須である。

 

"全て"の資材に管理番号つけて管理する必要がある。全てというものの重みがあまり市井の民は理解していないようなのだ。

 

ゼネコンとの癒着だとか騒ぐが、企業と国は一生分の仕事を生み出す。

社会というものは大きくなると資本主義経済を否定したがるルサンチマン的思想を助ける物が出現する。社会主義はルサンチマン的思想の冗長性を高めるものとして避けられてきたが、デフレの雨が降り注ぐエッグ・ショックの影響から世界は未だに抜け出していない。

 

2112年になっても、15年前のエッグマシンによる大恐慌の影響が現れている。

 

 

メガコーポレーションが次々と発生したのも大恐慌に合わせた時期であり、企業が倒産し続け最終的に国がデフォルトするというデフレの連鎖に加え、失業率が劇的に上がった時期でもある。

 

 

当時の企業はとても苦しんだ。原価が下がるというのは……まあ地獄だ。

 

商売の基本は「原価 + 利益 = 販売価格」で、これは加わることがあるが基本的には変わらない式だ。

原価がゼロになれば、競合他社は生き残るために価格を極限まで下げ、最終的に販売価格もゼロに収束する。

だが利益が出ない以上、企業は従業員に賃金を支払えず、投資も行えなくなる。

 

そして市場の蒸発が発生し、誰もがタダで手に入れられるものに対して、市場は成立しないという資本主義という商業と金融のエンジンを動かしていた利益を上げたいというインセンティブが、一瞬にして凍結される。

 

そして同時に担保価値のゼロ化も進行していく。

銀行が企業に融資する際、工場や土地、在庫を「担保」にするが、この前提はよほど大きな災害がない限り、固定された財産であるという大前提が働いていなければいけない。

 

しかし、卵由来の物質が無限に溢れれば、大量の資本を投入して露天掘りした石灰石の産地や、石油コンビナートを湾岸から輸出する大量の船……ひいてはそれを作る造船所、そしてデントコーンなどの広大な農地は、すべて維持費だけがかかる負債に変わり、全員が『窒息死』する。

銀行は貸し倒れによって一斉に破綻し、人々の預金も消滅する。

 

するとどうなるか?倒産する前に引き出そうと、銀行の金が無くなるまで人が押し寄せる。

 

資本主義の幻影が見せた蒸発の悪夢は実現し、世界恐慌へと発展した。

 

 

消費税・所得税の蒸発が、エッグマシンによって起こる。

モノの値段がゼロに近づけば、消費税は取れず、企業に利益がなく、労働者の給料が消えれば、所得税や法人税も取れない。

 

そして資源税も容易く崩壊する。

かつて国庫を潤した石油への課税や、外国企業に石灰石・砂利の採掘などをさせたり、事業にかかる公租公課も、卵の代替によって価値が消え、税収はゼロになる。

収入がなくなった国が、かつての高度経済成長期や黄金の時代に借りた巨額の国債を返せるはずがない。

 

信用というフィクションの終わりである国家デフォルトとは、究極的には国が発行する通貨(紙切れ)は、"もう誰も価値があると保証しませんと"宣言することだ。

 

通貨の紙屑化が起こり、銀行に押し寄せる人々の恐怖は正しかった。

国がデフォルトすれば、通貨はただの印刷された紙や電子上の嘘になり、唯一の価値基準は投機的価値を持たない固定的な流動性の低い物体や土地へと移行する。

 

ハイパーデフレ影響を受け、卵関連はタダ同然(デフレ)なので産業が死ぬ。投資をされなければ呼吸ができず、徐々に首が絞まるようなものだ。酸欠になって死ぬのと同じく、資金を入れなければ産業は窒息死する。なぜなら呼吸をしない生物がいないように、全ての産業は資本が必要となるからだ。

 

そしてデフォルトが招く最も思想的な転換……社会主義への無条件の移行が発動する。

国がデフォルトして機能不全に陥った時、残された選択肢は強権的かつ中央集権的な社会主義への移行しかない。

 

借金を返せなくなった国は、もはや法律や契約を守る余裕を失い死ぬ。デフォルトを機に、"今日からすべての私有財産、土地、そしてエッグマシンは国のもので誰も奪えない物です"などの意味合いを込めた言葉を宣言し、資本主義から社会主義への移行という思想的なリセットボタンを押すわけだ。

 

資本主義経済でも社会主義経済でも、どちらでもデフォルトというものは起こりえるものだが……この『エッグ・ショック』はただのデフォルトを指すものではない。

 

資本主義の基礎である、利益……つまり、マージンが無限の物資によって取れなくなることだ。

 

物質的貧しさから希少性を語る資本主義とは絶望的に相性が悪い。

国が敗戦の影響を受けて分割統治されていたのもあるけれど、しかしこれが決定打となって東西に分裂した。

 

 

資本主義陣営と社会主義陣営が立てられ、誰も彼もが集まった。強いリーダーとなる国を探した。

 

なぜならどちらも怖いからだ。

 

15年しか経っていないので、すぐにでもこれを超える『魔法的な技術』が発明されるかもしれないという、言うなれば"危険を伴う魅力"が存在する。

 

 

 




『発熱喘鳴病』

インフルエンザの根絶された変異体。

その症状はあまりに多岐に渡り、変異部位があまりに多くDNA解析が難航した。

抗原提示細胞が対応できないがゆえに初期はとてつもない流行を見せ、その名の由縁となった症状を発揮した。頚部硬直から、肺の繊維化まで勢揃い。
最終的に肺水腫によって多くの宿主は死ぬ。ヒト科のみに感染するように毒性が弱められたウイルスを作り出して生物兵器としての構想が"あるかもしれない"。

オリジナルの病原体は根絶されたが、一部の研究所で保存されており……定期的なワクチンが打てなかったりした人間は研究用の離島に立ち入ったら死ぬだろう。

髄膜炎に重症化した末に、BBBが突破されて一気に死ぬ。
そんなことになる"かもしれない"。


可能性があるという点で危険性は消えていない。
だからこそ抗議運動を起こして、強硬な政府による言論の封鎖という高い壁を破壊すべきだ。

どれほど連帯を削ぐような憂き目にあっても、我々は抵抗をしなければならない。無抵抗こそ悪であり、抵抗によって善は生まれる。

よりよい善のために抗議を続けよ!だからこそ我々には摂理が宿るだろう!
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