プロセカ反応集・短編集   作:白雪琉衣

2 / 25
短編集 東雲星名の『極端な才能』エピソード集

1. ニーゴ編:『究極の背景と、禁じられた肖像』

深夜のナイトコード。絵名がMV用のイラスト作業で行き詰まり、ついに星名に助けを求めた。

「……星名、お願い。ここの廃墟の背景、どうしても空気感が出ないの。あんたの『風景の神様』をちょっと貸して!」

星名は「いいよ、姉さん」と、ペンタブを引き受ける。数時間後、画面に現れたのは、廃墟の隙間から差し込む光の粒子、湿ったコンクリートの質感、そしてどこか物悲しい風の音まで聞こえてきそうな、息を呑むほど美しい背景だった。

『……すごい。えななんの背景、急に命が宿ったみたい……』

奏が感嘆の声を漏らし、瑞希も「これ、ボクたちのMV史上、最高のクオリティだよ!」とはしゃぐ。

「ふふ、喜んでもらえてよかった。……あ、せっかくだし、ここに立ってる奏さんたちのラフも、私が描き直しておこうか?」

その言葉に、東雲家の惨劇を知る絵名が血相を変えて叫んだ。

「待って! ダメよ星名! それだけは――!!」

しかし、星名の手は止まらない。数秒後。

神々しい光が降り注ぐ廃墟の真ん中に、

**『棒人間に目玉が4つ付いた、宇宙からの侵略者』のような奏(?)**が誕生した。

『……。……。……これ、……私……?』

奏はショックでフリーズし、瑞希は爆笑のあまり椅子から転げ落ちる。

「……ねえ星名。あんた、私のことバカにしてるでしょ?」

「えっ、姉さん。奏さんの『儚さ』を表現してみたつもりなんだけど……」

結局、背景だけを星名が担当し、キャラクターは絵名が描き直すという「分業体制」がニーゴの鉄則となった。

2. ビビバス編:『リハーサルの怪物』

ある週末。WEEKEND GARAGEで行われるライブイベントの直前、彰人が喉の違和感を訴えて声をセーブすることになった。

「……クソ。リハなしで本番行くしかねぇか……」

「彰人、無理しないで。……。……じゃあ、私がリハーサルで代わりに歌っておこうか? 立ち位置と音響チェックくらいにはなるでしょ」

星名の提案に、杏が「いいね! 星名の歌、ちゃんと聴いたことなかったし!」と賛成する。

星名がステージの中央に立つ。マイクを握り、イントロが流れた瞬間。

普段の穏やかな「お料理担当」の彼女は消えた。

「――♪」

突き抜けるようなハイトーン、彰人よりも鋭く、それでいて冬弥のように気品のある歌声が店内に響き渡る。練習していた他の出演者や、音響スタッフが全員手を止め、ステージに釘付けになった。

「……おい。……あいつ、何だよ……」

「東雲の妹か? 歌唱力、化け物じゃないか……」

曲が終わると、会場は水を打ったように静まり返り、次の瞬間、割れんばかりの拍手が沸き起こった。

「……あーあ。彰人、もう星名にメインボーカル譲っちゃえば?」

杏の冗談に、彰人は悔しそうにタオルを頭から被った。

「……。……っせぇよ。分かってるよ。……あいつが本気出したら、俺の居場所がなくなることくらい……昔から知ってるんだよ」

星名はステージを降りると、いつもの「妹」の顔に戻って笑った。

「彰人、音響さんは今のままでいいって。……はい、これ喉にいい蜂蜜ドリンク。本番、頑張ってね」

兄を圧倒する才能を持ちながら、それを「兄を支えるため」だけに使う。

それが、東雲家の隠れた最強、星名のやり方だった。

 

 




キャラクター別反応
東雲絵名 背景は「師匠」、人物画は「呪いの絵」。
東雲彰人 実力は認めているが、兄のプライドとして負けたくない。
宵崎奏 歌声に「救い」を感じるが、人物画には「恐怖」を 感じる。
白石杏 「ビビバスの秘密兵器」として、いつか同じステージに立ちたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。