魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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第二章 フォンテーヌ
盾と鎌と鯨


全く気にかけていなかったわけではない。少なくとも、数多の戦場にいなければできないような目をしていた。

 

ただ自己申告の通り、直接の戦闘力があるとも思えない。

 

こうゆう手合いには大抵、何かがある。

 

 

 

 

「誰だ貴様、どこから現れた。」

 

「どこから、と聞かれると難しいな。カルデアからと言うわけでもないし、強いて言うならブリテンから、か。」

 

強い衝撃の後、召使は宝具によるダメージを受けてもなお、いまだ臨戦態勢をくずしていなかった。

 

「俺にはマスターを守る義務がある。まだ続けるのなら容赦はできそうにないが。」

 

「優しさか、強さゆえの余裕か。」

 

召使はしばし逡巡した後、意を決したのか獲物を構えた。

 

「そうか、なら仕方ない。」

 

 

 

 

召喚時のショックで気を失っていた藤丸が目を覚ますと、盾の英霊と召使の激戦が繰り広げられていた。召喚されたのはもちろんマシュではない。令呪による移動ならともかく、今回のは確実に召喚だった。ならば、それはマシュ以外の英霊を指す。

 

「まさか、ギャラハッド!」

 

「目覚めたか、マスター。召喚早々酷い状況だな。」

 

藤丸のよく知るラウンドシールドとは別物だが、ついこの前の特異点で見た、あの英霊だった。

 

「少し約束があってね、君を守らなくてはならない。」

 

状況はギャラハッドの方が優勢だ。召使は大技を披露した直後というのもあり、消耗している。ただ、まだ何かを残しているような雰囲気もあった。

 

「君はその力をつわないのかい?出し惜しみしている状況ではないと思うが。」

 

ギャラハッドは召使の与える命の契約を全て盾で受け切っている。召使にとってそれは、戦闘をする上でかなり致命的なものだった。

 

「仕方あるまい、こちらも退けぬ理由があるからな。」

 

再度、赤い月が昇る。

 

一体が嫌な気配で包まれる。

 

「なるほど、人間に仇なす類の力か。」

 

ギャラハッドもラウンドシールドを地に立て、構える。

 

そこで

 

ブォォォォォン

 

と、化け物の声が聞こえた。

 

 

「これは…まさか」

 

召使が赤月の力を止めたと同時に、ギャラハッドも盾を構え直した。

 

直後、召使とギャラハッドの間の世界が、割れた。

 

 

 

 

「旅人、あれは!」

 

「うん、タルタリヤの技に似てる。でも、もっと大きい!」

 

 

召使の使う赤月の力は、アビスによるものだ。

それに反応したのか、呑星の鯨が顕現した。

 

「お前はカルデアから来たものか?」

 

涼しい声が鯨から聞こえた。正確には、その割れ目の中からだ。

 

「そうか、では殺さなくてはならない。」

 

「極悪騎スルトロッチが弟子、スカークだ。殺される相手の名前は知りたいだろう?」

 

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