魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
「なにを、言って」
スカークは言葉を発した瞬間藤丸を斬ろうと迫ってきた。しかし、それをサーヴァントは許さない。
「カルデアと言ったな、なぜそれを知っている。」
「貴様がサーヴァントだな、趣味ではないが救世のためだ。諸共殺す。」
スカークは尋常ならざる力を持つ英霊、その中でも聖杯探索を遂げたあのギャラハッドを押している。
「まずい、そもそもなんでギャラハッドが?それに、あの女の人、サーヴァントって!」
藤丸は混乱しているが、事態は迫っている。「向こう側」から来たのはスカークだけではないのだ。
一方で、
「チッ、旅人、手を貸したまえ!こいつをなんとかしないとファデュイだろうがメリュジーヌだろうが呑み込まれるぞ。」
召使はギャラハッドに向けるはずだった力を全て鯨に向けている。
炎の糸で絡め取ろうとするが、捕鯨とはいかない。
「パイモン、下がって!ナヴィア!みんなを逃して!」
いつのまにか命の契約は解除されている。
ナヴィアは目を覚ました棘薔薇の会のメンバーからすぐに海辺に寄せておいた船に誘導する。
「お父様!僕たちも手を貸します!」
リネットによって引き剥がされていたリネも駆けつけた。召使、旅人と共に呑星の鯨へと攻撃する。
しかし、呑星の鯨は一向に傷ついてる様子はない。
「まずいぞ旅人ぉ!呑み込まれる!!」
鯨が大口を開け、その場にいる旅人を呑み込もうとしたところを、
「狂乱、怒とぉおおおおおお!!!」
魔王武装を完全装備したタルタリヤがすんでのところで鯨の上顎を閉じさせる。
「タルタリヤ!なんでこんなところに!」
完全装備とは言っても、その体はすでにボロボロだ。
「説明してる暇はない、相棒。とにかくこの場から逃げろ!師匠は完全に異邦者を殺す気だ!そのためなら国一つ滅ぼしかねない!」
「異邦者って?」
「あの黒髪の少年のことだ!俺もよくわからないけど、師匠は少なくとも100年以上もカルデアとやらを追っていた!」
ファデュイの執行官が二人、暖炉の家メンバーが二人、異邦の旅人が揃った。
「公子、お前はこれまであの鯨と戦っていたのか。」
「召使!なぜ相棒と?いや、状況は俺には何もわからない。メロピデ要塞から抜け出したあと、あの鯨がフォンテーヌを襲おうとしてたから戦ってたら、急に師匠が現れて『扉』を開けたんだ!」
「なるほど、その消耗にも納得がいった。とにかくこの場はあの鯨を収めるぞ!」
「その、剣技。聖杯の知識にも存在しない。お前も、この世界の人間じゃないな。」
最初はギャラハッドの盾による戦いに面食らったようだったが、スカークは二振りの剣技により、上手くかわして見せた。
スカークの攻撃をギャラハッドは盾で受け切っていたが、そのほとんどが凍らされていた。
藤丸にとってニ度目の光景だが、質が違う。
「そうだとも、盾の騎士。良き戦士であることは認めよう。私の知っているサーヴァントとやらとは少し違うようだ。」
「どうして君がサーヴァントを知っているんだ!あと、なぜ俺を狙ってる!」
藤丸はここに来てからしたことといえば先ほどの召使との戦いにおいて、サーヴァントを召喚したことくらいだ。予想外のものを召喚したが、だからと言ってここまで命を狙われる理由など、見当がつかない。
「貴様がカルデアから来たからだ。今この世界は、貴様らのせいで混沌としている。」
「俺が何をしたって?」
「『カルデアの者』について心当たりは?」
言葉に詰まる。それは、あのソロモンが以前使っていた名前だからだ。
「なるほど、マスター、話が見えてきた。そうか、俺はこのためにここに呼ばれたのか。」
「何、を?どういうことだギャラハッド!」
ギャラハッドは何も答えず、飛び上がる。
「まだ来るか!」
スカークは剣に力を込め、迎え撃とうとする。
「ハイアングルデザスター!」
盾の機能を逆に使い、上空からの質量攻撃をスカークにぶつける。
「む、」
スカークはそれをすり抜けると同時に、散らばった裂け目を拾い上げる。
「星々よ、静かに眠れ」
着地直後のギャラハッドを異界からの斬撃が襲う。
「それを待っていたんだ!ハイロード・キャメロットぉぉ!」
スカークが斬撃を放とうとしたその一瞬、裂け目が生じた瞬間に、ギャラハッドは宝具を展開した。
展開された宝具によってテイワットの地に再度キャメロットが顕現する。境目に捩じこむようにして。
それにより、異界の境目は無理やり開かれることになった。
「マスター、忠告しておく!あの旅人と組め!」
「ギャラハッド!なにを!?」
「俺はこいつを押しとどめる!」
キャメロットが、スカークごと無理やり異界へと押し込んだ。
「最初からそれが狙いでっっ!」
裂け目が閉じる。まるでそこには何もなかったかのように。
スカークは絶対強いはずです。
料理人と組んで戦うわけないじゃないですか。