魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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◻️の◻️女 

結果的に残ったものは、呑星の鯨だけだ。

 

旅人、公子、召使、リネ、リネットは尚も戦闘を続けているが、決定打には至っていない。

 

それどころか、周囲への被害を増やすのみとなっている。

無論、放置すればそれ以上の厄災となるので致し方なしではあるのだが。

 

「どう、したら。」

 

頼みの綱だったギャラハッドは裂け目の奥に消えていった。

 

パスがつながっていることは感じるので、消滅はしてないのは確信しているが、この場にいなければなんの意味もない。

 

それに、ギャラハッドの理由もまだ掴めていない。

 

「とりあえず、ダヴィンチちゃんに…」

 

連絡が取れないことはわかっている。

 

「サーヴァントの再召喚を…」

 

七天礼装の空きは問題ない。しかし、消耗が激しいどころか、そもそも電力がない。

先の召喚は、今思うと誰かしらからのバックアップがあったのだろう。

 

「なら自分自身の魔力で…」

 

魔術師としては三流以下の自分にサーヴァントの戦闘に足りうる魔力供給などできない。

 

指を咥えて見ているしかない。彼らの戦闘を。

 

旅人はおそらく何もかもが足りていなく、後から来た長身の青年は心身ともにボロボロ、召使もギャラハッドとの戦闘の影響で万全でない。リネとリネットに関しては、最初のイメージより戦えてはいるが相手が悪そうだ。

 

おそらく、最適解を選べてない。

何かを間違えた。

これまでも最適解を選び続けて来れたわけではないが、悔いのない選択をしていた。

 

七つの特異点、七つの異聞帯、他もろもろ

 

これまでの経験が全く活きていない。

 

ここで完全に気付いた。ここは多分根本的に違う世界だ。

 

最初気を失った時から思う。神代とか、近代とか、歴史が違うとか、剪定事象とか、虚数空間とか、そういう意味じゃない。

 

『テイワットにはテイワットの法則がある。』

 

何者かが囁く。

 

なら、ルールに則ろう。

 

マナとかオドとか、五代元素とかじゃない。

 

普段の礼装を脱ぎ捨て、いつもの決地用カルデア制服に戻る。

 

ダヴィンチちゃんの言うことには、あの礼装があればどんな環境でも生きられるとのことだったが、それでは意味がない。

 

この世界のルールで戦わなければ、ダメだ。

 

魔力を練る。なんだっていい。礼装の頼りでなく、自分で出せる魔術。

 

小さい炎を生むでもいい、かすり傷を治すくらいでもいい。

 

足跡を刻め、この世界に。

 

かつて、世界を救う証明をした男の残した手帳の中にあった、視力強化の魔術。

 

目の逸話を残す神は、数えきれないほど多い。

 

しかし、その中でもメジャーなもので言うと、北欧の大神。

 

現代では水曜日を示す言葉として残る、あの神性。

 

それに由来する視力強化を見よう見まねで発動する。

 

 

 

 

 

「繋がった。」

 

 

 

 

フォンテーヌの歴史における過去、特異点が完成する直前に魔神王が残した魔術によって、この世界の構造は変化している。

 

「空」の元素

 

異なる世界へとアクセスできる第八番目の元素。

かつてある一人の少年のみその存在を把握してるモノ。

 

天から宝石のようなものが落下する。

 

テイワットの人間が見れば、ほとんどの人間が理解する、それは

 

 

神の目だと。

 

 

 

所属 カルデア

神の目 エーテル

命の星座 ゲーティア座

 

藤丸立香

 

 

 

 

 

このテイワットがまた、歪められた。

 

 

 

 

 

 

力を行使する。

使い方は一つ。

というより、藤丸にはその戦い方しかわからない。

 

ずっとやってきたことだ。

 

それは無論、英霊の召喚。

 

 

聖遺物はない、藤丸の縁によってのみその道筋を確保する。

 

「天秤の守り手よ!」

 

 

 

「よく私を選びました。」

 

鐘の音が聞こえる。

 

 

 

「サーヴァント、キャスター。」

 

「あなたが私の召喚者、ですね。」

 

 

「君は、アルトリア…」

 

「ではありません。救世の妖精であることは間違ってませんが。」

 

姿形はあの異聞帯での少女に瓜二つだ。もし違うのならそれは

 

「トネリコ、です。妖精騎士ギャラハッドはいないのですか?彼女がいれば話は早かったでしょうに。」

 

マシュをそう呼ぶ存在といえば、心当たりは彼女しか

 

「モルガン?」

 

「まぁ、貴方に馴染みがあるのはそうですよね。いいんです、分かってますから。でもごめんなさい、その名前で呼ぶのはやめてほしいのです。今はただ、トネリコとお呼び下さい。」

 

「そして、状況はわかりました。ひとまずあの鯨を倒せばいいのでしょう?お任せください。戦闘経験は、あの少女より上のはずですから。」

 

「目に映るもの、全てを灰に」

 

 

 

 

 

 

 

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