魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
「む、倒されたか。」
スカークはギャラハッドとの戦闘の中それを悟った。
「教えてくれて助かる。ならこちらも安心して戦える。でもいいのか?」
「仕方あるまい。回収はしたいが、どうせお前を倒さなくてはあの壁は消えないのであろう?」
異界との扉は、城壁によって閉じられている。
「次から次に...お前はなんだ。」
召使は呑星のクジラが倒されても尚警戒を緩めない。
「大したガッツですね。安心してください、別に私はあなたの敵ではありません。味方でもないですけど。」
その様子を見て、リネが駆け寄ってきた。
「お父様、撤退を進言します。目的は果たされました。」
確かに、メロピデ要塞と外との出入り口は戦闘の余波によって破壊されていた。
「もう終わったのかい?本当に?」
タルタリヤが信じられないといった表情を浮かべている。無理もない。あれと一番戦っていたのは彼なのだから。
「ご心配なら、もう何発か叩き込みますが、意味があるとは思えません。多分、役目が違うんですよ。マスターからの指示が来ないうちに逃げるのなら逃げたほうがいいですよ。別に私はあえて皆さんを殺していないわけではないですし。」
召使がその言葉に反応する。最後の挑発ではない。
「役目、とは?」
「今来たばかりの私にはわかりません。けど、うーんなんでしょう、多分本当の敵は別にいるのでしょう。そういうのに慣れてるんです、私。」
「無事?」
藤丸は旅人にたずねた。近くの小さな生き物はびくつきながらこちらを見ている。
「あなたは、なんなの。」
「味方...と思ってほしいかな。自分は藤丸立香。この世界について、いろいろ教えてほしい。」
「おい、こいつ神の目を持ってるぞ!さっきはなかったよな?」
神の目、というらしい。さっき降ってきた装飾品を小さな生き物が指さしてる。
「わかった、よろしく。私は蛍。」
「いいのか!?うーん、でも確かにみんなを守ってたし...ふん!おいらは旅人の専属ガイドだけど、一緒にいる間はこの世界について教えてやるぜ!」
感謝を述べた後、藤丸はトネリコの方をみた。
特に英霊召喚のための聖遺物を用意しているわけではなく、ただ自分の英霊との縁を頼りに召喚した。
正直、あの少女とそこまで縁があるかと言われたら怪しい。
モルガンの方ならともかく、だ。
だからきっと土地の縁なのだろう。一応白紙化地球の上ではフランスがあった場所のはずだったので、あるとしたらマリーとかかなと正直思っていた。
つまり、土地は土地でも、この世界ということになる。
妖精國を思い出す。あえて彼女が呼ばれたということは、つまり
「滅びに向かっているのかな。」
トネリコはぼーっと空を眺めている。
現在テイワットは黄昏時。陽は落ちて、星が見えてきた頃だ。
「そっか、嘘っぱちなんだ。大変ですね、この世界の占星術士は。」
妖精眼を使うまでもなく、星空の空虚さを実感する。
「今度は守れるのかな...」
「なんて、どうでもいいですけど。だってブリテンじゃないし。」
雨の魔女はぼそりとつぶやいた。