魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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サロンでの一幕とシャワールーム

「だからなぁ?パレエルモニアの連中はなまぬるぃんだよ。なぁ、大柄」

 

「そりゃそうよ、大審判官様も行方不明って話じゃねぇか。」

 

「いやいや、行方は分かってんだよ。メロピデ要塞だ。」

 

「えぇ!大スクープじゃねぇか。」

 

このサロンではお互いの名前は知らない状態でやり取りしている。

いわく、話の内容的に所属メンバーの名前を知らない方が安心するらしい。

 

いまいるのは最初に出迎えた白髪、藤丸に質問をしてきた大柄、それに加えて眼鏡と使用人の四人だ。

 

正確にはもう一人、カウンターで一人飲んでいるピンク髪の女性だ。

 

「そんなわけないでしょ!調査よ調査。ほら、ちょっと前の裁判でいろいろあったでしょ。」

 

その女性が割り込んできた。どうも、我慢ならなくなった様子だ。

 

「記者さん、あんたがなーんも話してくれねぇから俺ら邪推をしちまうんじゃねぇかよ。」

 

「新聞くらい読みなさいよ!これくらい昨日の朝刊に載ってるわよ。」

 

「どーにも新聞はあてになんねぇからなぁ。」

 

「だとしても読んでから判断すればいいでしょ!少なくとも大審判官様が投獄されたなんて馬鹿げた話よりは信ぴょう性あると思うけど?」

 

もめている。あの少女は記者と呼ばれていた、呼ばれ方の通りなら、そりゃ腹の立つ会話だろう。

 

「あんたも、こんな連中とつるむ前に家に帰りなさい!」

 

「おいおい、勝手なこと言うなよ。サムライは俺らが見つけたんだぜ。」

 

自分はサムライと呼ばれている。雰囲気が東国にある稲妻という国の人間っぽいかららしい。

 

「フリーナ様と会ったって?野暮だからここで身分は聞かないけど、外で見かけたら覚悟なさいよ。まったく、今のフリーナ様と会えるなんて一体ナニモノなんだか。」

 

正直藤丸からは何とも言えない。とにかく、彼らの話を聞くだけだ。

 

「つってもサムライもなーんも話してくんねぇけどな。」

 

「当たり前でしょ!あんたらが簡単にぽろぽろこぼし過ぎなのよ。あんたらのそのコードネーム、意味ないんじゃない?そもそもサロンなんて言ったって大した身分でもないでしょうに。」

 

こんな調子で一時間ほど話を聞いていた。

わかったことは、ファデュイと比べてフォンテーヌ廷の人々はあまりこの状況に危機感を抱いていない。

そもそも最初からあまりファデュイに対して良い感情はなかったのか、なんなら目の上のたん瘤だった連中から仕掛けてきてくれて少し浮足立っているみたいな印象だ。

 

「パレエルモニアのやつらも後手後手なんだよなぁ。居場所はわかってんだから、さっさと潰しちまえばいいのによ。」

 

勝手なことをいう。ファデュイの戦力をあまり把握していないのだろうか。

 

「噂の執行官とやらも大審判官様に手も足も出なかったそうじゃねえか。」

 

大審判官。たびたび出てくる名前だが、まだ会えていない。

ファデュイが総出で身動きを封じようとするほどの人だ。

どのような人間なんだろう。

 

「でも、実際なんでファデュイはメリュジーヌを敵視してるんでしょう。」

 

ずっと疑問に思っていた。ファデュイに基地で聞いたが、詳しい話は聞けなかった。

そもそもあの時は勘違いしてたし。

 

「さぁな、噂はいろいろあるがね。」

 

「でも、きっと何か理由g」

 

「理由なんざ知らねえ!」

 

大柄が持っていたグラスを机に叩きつけた。

声が震えている。

 

「ちょっと、やめなさいよ。酔ってるの?」

 

「そんなんじゃねぇ。あんな、サムライの兄ちゃんよ。あいつらはメリュジーヌを傷付けようとしてんだ。それだけで十分なんだよ。」

 

やっとわかった。彼らはファデュイ憎しってだけでない。メリュジーヌという生き物を心から愛している。だからこそ許せないのだ。

 

「はぁもう遅いから帰るわね。ほらサムライ君、送っていくから、どこに泊まってるか教えて?地元の人じゃないでしょ?」

 

「大柄がすまないな。悪気はねぇんだ。ただ俺らはメリュジーヌを大切にしたいんだ。観光客にはわかんねぇだろうけどさ。」

 

「いえ、こちらこそごめんなさい。デリケートな話でした。ありがとうございます、記者さん、大丈夫ここからすぐですので。」

 

「そう、ならいいけど。まって、ここから近くの宿って...」

 

大柄が青い顔をしている。

 

まるで初対面の時のような反応だ。

 

 

「超金持ちじゃねぇか!」

 

 

 

 

「じゃあね、お金持ちのサムライ君。私は『スチームバード新聞』の記者、シャルロットです。たまにあのサロンに出入りして、記事になる内容探してるの。他のとこじゃ入れないから。ここうちの近くだから。うん、おやすみ!なにかあったら連絡して!」

 

そういうと彼女は去っていった。こちらこそ送っていくと言ったが、「帰り道わからないでしょ」とのことだ。

 

部屋に戻ると、トネリコは椅子に座り、なにかを覗いていた。

 

「おかえりなさい、成果はどうでした?親切そうな女性でしたね。」

 

「見てたの?」

 

「マスターの安全を確認していただけです。」

 

「そうか、ありがとう。」

 

「お酒臭いですよ、シャワー浴びてきてください。私は先に寝ていますから。」

 

そういえば、サーヴァントには睡眠が必要ないという話だったが、どうしてだろう。

藤丸としては人間らしい行動をしてくれていた方が心地がいいけど。

 

少し、場酔いをしてしまったのだろうか、ほてった体に冷たい水がよく染みる。

 

安心できる環境というのはレイシフトしてから初めてだ。

 

今はサーヴァントもいる。やっぱ心強い。

 

不可解な点は多い。ギャラハッドの謎、スカークの謎、それになによりマシュとソロモンの所在だ。

 

信用できる相手に聞こうと思ったが、未だ安心できる相手は少ない。

 

「マスター少しいいですか?」

 

シャワー室の外から声が聞こえた。

 

「すいません、入浴中に。いそぎ報告したいことがあって。」

 

「大丈夫、それで、報告というのは?」

 

「ギャ...マシュさんとソロモンの所在です。マシュさんに関しては時間軸が違いそうです、つまり、未来にいます。」

 

「無事なの!?」

 

「ええ、少し『見え辛い』ですが、問題はなさそうです。それで、ソロモンですが...」

 

「近くにいます。この、フォンテーヌ廷のです。」

 

 

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