魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
研究とは別に、信奉者を増やすことを始めた。もしペトリコールで得た知識の方法を取るのならば、人手は多ければ多いほどいい。ジェイコブの力や、僕の神の目を見せると信者はまたたくまに増えていった。この科学と名のつく学院で信者というのも、皮肉な話だが。
その日のうちから、黄金の劇団にまつわる研究を進める傍ら、自身の神の目の制御も行っていた。相変わらず力を発動することはできても、なにか超常現象を起こせるわけでない。
いくらこのレイジュの使い道がわかったところで、使い方はわからない。あの日を思い出せ。カルデアの者が異世界の技術を使っていた際、世界式と似た図を使っていた。もしかしたらフォルトナは、同じくあちらの世界からもたらされたものなのかもしれない。ならばヒントはここにある。
この図式を使って、彼は世界の構造を変えていた。つまり、この図は世界を表している。唯一残されていたあの時の情景。下から二つ目、この位置に世界の基礎がある。上下に位置するもの、これを上位のものとし、土台に直接結びついてるのが下の円。ならば、これが重要。
図を地面に刻む。これが力の流れを示すなら、とりあえずあのエリナスで取れた石を溶かした水で線を描く。強大な霊的なもの、それらが存在する世界をこの一番下の円だと仮定し、そこから伸びる線、三叉路を循環させる。霊的なものを降ろすために、この世界、物質界を象徴する金属を用意。
完成した、あとはこれに、異世界の元素である神の目を通せば…
失敗だ。何も起きない、しかし、明らかな感触はある。
ルネはそれからトライアンドエラーを何度も繰り返した。
その果てに
「俺を、呼んだな!復讐の化身を!」
希釈したもので描いた陣の上にそれは、ついに現れた。
「ほ、本当に、」
「む、イレギュラーな召喚であったようだ。貴様が俺を呼び出したのか?」
「教えて、欲しい。あなたたちが何者なのか。」
現れたその男に、まず色々な知識を求めた。その騎士は異世界の技術…魔術について、特別詳しいというわけではなかったが、基本的なことだけ教えてもらった。彼らはサーヴァントという、人理を守る存在であること、本来は異世界の儀式…聖杯戦争で呼び出されること。そして、このレイジュ…令呪は、予想通り相手に指示をするためのものであるということ。
「まさか、異界においてそれだけの情報で英霊の召喚に至るとは。して、なんのために貴様はオレを?」
その答えは一つしかない。ずっと昔から決めている。
「世界を救うため、だ。」
「クハハハハ!貴様は、なるほど、そうか。ならば従おう!貴様が、神に抗い続ける限り!だが注意しろ、貴様が自らの信念を崩した際、我が炎は貴様を燃やし尽くすであろう!」
ルネは、自らの計画をその男、巌窟王に話した。異世界の技術ではフォンテーヌ人を救うことはできない。だから、やはり例の方法…海面の上昇が行われる前に、フォンテーヌ人を全て溶かし、意識を統合させるしかない。しかしそれには多くの戦いが必要になる。
ルネはジェイコブと共に、水仙十字結社という組織を設立した。学院時代の多くの信者がそれに参加し、規模はどんどん拡大していった。信者達にも知らない、ルネに仕える黒い外套の男の噂もあり、離反者や裏切り者はその男に粛清されるという話だった。
そしてまた、月日は流れる。
「では、そのように。」
「えぇ、結社の影響力は日に日に増しています。現在結社幹部はエリナスにおり、戦力を分散させる必要があるかと。」
「了解した。明後日水仙十字結社掃討作戦を開始する。最終目標は重要参考人、ナルツィッセンクロイツの確保。生死は──問わない。」
カルデアのセコムさんとは別人です。