魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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ややこしいかもなのでがあとがきに解説を載せておきます。


ビーストの誕生

『君か、アラン・ギヨタン。何をしに来た。』

 

エリナスの心臓部で、ナルツィッセンクロイツは最後の計画を実行しようとしていた。

 

「お前を、殺しに来た。」

 

『巌窟王よ、我がサーヴァントよ、ここに来て裏切るというのか?』

 

「告げていたはずだ。貴様が自らの信念を崩した際、我が炎は貴様を燃やし尽くすと。貴様には余分があった、マスターではあるが、我が共犯者足り得なかった。」

 

『そうか、残念だ。』

 

アランは、機械仕掛けの戦闘服エグゾスケレット・ドゥ・コンバを装備する。

 

『リリスは置いてきたのか。本当に復讐者に成り果てたのだな。』

 

「お前を殺すのが最優先だ。リリス…マリアンは、今するべきことじゃない。君はその令呪を手放せないんだろ?あらアヴェンジャーを消すことはできないはずだ。」

 

『貴様も異界の知識を身につけたか。そうだ、確かに私は令呪を下すことはできない。これは別に必要なものだ。だが、』

 

『たかが人間とサーヴァント一騎、どうとでもなる。』

 

先に動いたのはアランだった。両腕に武器を構え、ナルツィッセンクロイツに突撃する。

 

『鎧で身を包むのは正解だな。我が体…原始胎海が届かない。』

 

ナルツィッセンクロイツは、アランを拘束しようと水の腕を伸ばす、それを

 

「はぁあッ!」

 

アヴェンジャーが焼き切る。

 

『夢で君の過去を見たよ、巌窟王。恩人の真似事か?』

 

「いいや違うな。俺は復讐鬼だ、フィリア神父のようにはなれん!」

 

超高速で動く巌窟王は、黒い炎を惜しみなくナルツィッセンクロイツにぶつける。

 

『恩讐の炎か、ならば』

 

巌窟王から放たれた黒炎を、剣によって払い除けた。

 

「それは、水仙十字聖剣。なぜお前が!」

 

剣は、悪なるものを燃やすと言う概念を、分解する。

 

「アヴェンジャー!できるだけ動きを止めてくれ!」

 

「了解だ!我が共犯者よ!虎よ、煌々と燃え盛れアンフェル・シャトーディフ!」

 

巌窟王の宝具は、エリナス内部を巻き込み最大出力で放たれる。そして、

アランは、両腕を組み、エネルギーの全てを集中させる。

 

イプシシマスの塔を出る際、マシナリーには改造を施している。

プネウムシアだけではない、試練の中で見た、あの全能神の力の一端を、再現する。

 

(異界の神、ゼウスの一撃。何度もこの身で受けた。神秘こそないけど、奴を倒すだけなら十分なはず!)

 

「今だ!」

 

「我、星を裂く雷霆ワールドディシプリン・ケラウノス」

 

無論、それは大神の宝具に敵うべくもない。だが、七つの試練を与えるという巌窟王の宝具の中、自らを復讐者と定義付けるまでに行く度の方法で、殺されてきたアランにとって、最も価値があったのが全能神の雷だった。機械でできた真人にも興味は湧いたが、国を守るための構造に意味はない。アランが求めたのは、敵を殺す一撃。

 

幼い頃から神童と言われていたアランは、不完全であれど、その再現に成功した。

 

 

 

 

 

ナルツィッセンクロイツは、その攻撃によって身体の八割を消し飛ばされた。

 

 

『アラン・ギヨタン、まさか、そこまでとは』

 

「終わりだ、ナルツィッセンクロイツ、お前はここで…」

 

「また共犯者様子がおかしい。これは…まさか!」

 

『最早私は体を維持できぬ。ならば…令呪を以て命ずる!我を助けよ、ビースト!』

 

人類悪が、そこに顕現する。

 

「チッ、伏せろ、共犯者!」

 

 

数年を経て呼び戻されたソロモンによって、アヴェンジャーは、消滅した。

 

「今のは…アヴェンジャー、なぜここに?そしてお前は…ぐッ」

 

『来てくれてありがとう、カルデアの者、いや、ビーストI。そして、君は、私を助けるのだ。』

 

アランの一撃の余波によってえぐられたエリナスの心臓に、ソロモンは吸収されていく。

 

「これは、一体!」

 

『私を助けるという令呪…君が受け入れてくれたからこそ、やっと為せる。ビーストⅠ、憐憫の獣よ。君はこれから、私を助け続けるのだ。だが君の意思はもういらない。そして私にとっての救済は世界の救済と同義。この巨獣エリナスは、ビーストⅠを取り込み、新たなるビーストとして再誕する!ふふふふふふははははははは!エリナスの血肉はやがて、新たなるアビスの生命を生むだろう!そして、いずれ君を助けようと『カルデア』が現れる。その時初めて、エリナスはビーストとして完成する。!』

 

「そんな、はずは。」

 

『そのために、仕込ませてもらった。アラン、君のおかげだよ。復讐者の炎、そして復讐者となった君の攻撃で、エリナス内部はメチャクチャだ。エリナスの復讐心は、フォンテーヌ人へと向いてる。私の体はおそらくもうじき崩壊を迎えるだろう。だから、今すぐエリナスをビーストとして完成はさせられない。だがね、このエーテル元素を持つものが現れれば、話は別だ。この世界に、ビーストという概念が生まれる!他ならぬ君がしたんだろ?憐憫の獣、ゲーティア。未来の君の仲間が生きられるように!』

 

「まさか、そこまでの知識を得たとは。」

 

『新たなる命は最初、人間を愛すだろう。それが、ビーストになるための条件だ。そして完成した暁には、フォンテーヌ人を最も簡単な方法で殺し始める。そう、原始胎海の力でね。それを私が拾えば、意識は統合される。滅びの日を迎えるまでに、未来の君の仲間には是非助けに来て欲しいものだ!』

 

そうして、ゲーティアは、エリナスの体に封印された。




メリュジーヌは元々エリナスの血からできている生命ということを前提としておきます。

ルネは、予言の日を迎える前にフォンテーヌ人を全て溶かす必要があると考えました。海に沈んだら、フォンテーヌ人の意識だけ抽出することができないからです。

なので、確実に溶かすための手段としてエリナスを使いました。度重なる研究によってエリナスから新たなる命が生まれる可能性があることを発見したのです。その生命にはフォンテーヌ人を確実に溶かしてもらわなきゃいけなかったので、人類愛から生じる人類悪をエリナスに取り込ませました。
しかし、そもそもこの世界にはビーストという概念がありません。ルネはゲーティアとの会話や、魔術の研究から未来に藤丸たちが来ることを予見していました。なので人類悪という概念が存在する人類=藤丸の接触により、エリナスのビーストとしての覚醒を促すというものになります。

そしてそのビーストの方向性として、敢えてアランには自分を復讐させるように父親を目の前で溶かすなどし、仕向けました。
ルネに復讐しようと思うアランの意思を持った攻撃がエリナス内部を傷つけ、新たなる命はフォンテーヌ人への復讐という意思を持ったビーストとなると思ったからです。
誤算としてはエドモンが味方になったことで、想定以上に体に損傷を負ったことです。当初はエドモンがヌヴィレットの対処をし、ジェイコブがアランを助けるだろうと予想していたのです。

この過去編はおそらく次で終わります。
そしてその次は最終章になります。
ここまで読んでくださってる方々、本当にありがとうございます。あと少しお付き合いいただければと思います。
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