魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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ポワソン町の悲劇

「なに、これ。」

 

ポワソン町は、半分ほど、海に沈んでいた。

 

「ナヴィア!よかった。無事なのね!」

 

「み、みんなは?」

 

「うまく逃げれた人もいたけど…全員は…」

 

「そんな、助けなきゃ!」

 

「あ、待って!ダメ!」

 

ナヴィアはポワソン町の中へと進んでいった。完全には沈んでいない。生存者も…

 

いなかった。

 

水位は、どんどん上昇している。

 

「あ…あ…」

 

何も、考えられない。海面には、溶けた人の物であろう服などが浮かんでいる。

 

「そっか…じゃあ、もう…」

 

「お嬢様ッ!」

 

腕を無理やり掴まれる。ナヴィアは、何かに無理やり上げられていた。

 

「え、何、マルシラック?」

 

マルシラックは、下半身が海に浸かっている。

 

「よかった。お嬢様は無事で…あぁ…よかった…」

 

「だ、ダメ!マルシラック!!!!」

 

『そこをどけ!』

 

すると、大きな水の塊が横切った。

 

「あっ」

 

ナヴィアは、海に堕ちる…

 

目を覚ますと、そこは法廷だった。

 

 

審判が行われている。これは、ナヴィアを裁くためのものだ。

 

 

 

 

 

 

「私たちはひとつになるべきで…」「ナヴィアは私たちの一部…」「あなただけ…」

 

 

 

『黙れッ!』

 

『私は、皆を救う。これは、決定事項だ、優劣はない。』

 

「あんたは…ナルツィッセンクロイツ?」

 

本来、ヌヴィレットがあるべきその場所には、一人の少年が立っていた。口調はあの時歌劇場で出会ったナルツィッセンクロイツだが…

 

「あぁ、そこにいるんですね。シルヴァ。」

 

一人の純水精霊が、それに尋ねる。

 

「ありがとうございます、ナルツィッセンクロイツさん。ですが、お嬢様にしばし猶予を与えて欲しいのです。」

 

『言ったろ、全員を救うと。そのためには…』

 

「では、私は貴方のお役目を手伝いましょう。」

 

『既に溶け落ちた君に何が…』

 

「わたしは、ポワソン町の人々の人格を知っています。今のこの溶けてすぐなら、魂の情報さえあれば貴方が取り込めるのでは?」

 

『そう、だな。了承した。その娘はまた後ほど救うとしよう…』

 

「待って、マルシラック、なにを…」

 

「これでさよならです。お嬢様。どうか、お元気で…」

 

 

 

「マルシラック!!!!」

 

気がつくと、そこはポワソン町の入り口にある鉄骨の上だった。

 

「私は生きて…でも。なんで。」

 

『君は助けられたんだ。ナヴィア。』

 

「あ、あんたはッ」

 

『安心しろ、彼との約束だ。君を救うのはまた後に回す。』

 

「マルシラックは…」

 

『彼ならもう私が取り込んだよ。このポワソン町の人もね。』

 

「じゃあ、そこに…いるの?」

 

『そうさ、シルヴァも一緒だ。メリュジーヌが溶かした人間と、私が直接取り込んだ人間は、みんなここにいる。』

 

「貴方の救いって、なんなの。」

 

『じきに、フォンテーヌ全体がこのポワソン町のように沈む。その前に、みんなのことを私が救ってみせるということさ。』

 

「じゃあ…まだ誰も消えてない?」

 

『あぁ、そうさ。君も、望むのなら今すぐ取り込んであげよう。ただ、もし君が私を手伝ってくれると言うなら…』

 

 

『あのカルデアのマスター。藤丸立香を殺して欲しいんだ。あの降臨者のことは殺さなくていい。彼女は、私のシナリオに干渉しない。』

 

「無理よ…殺すなんて…わたし…」

 

『ふむ、言葉が強かったかな。確かに、何も殺さなくていい。ただ動きを封じて欲しい。それくらいならできるだろう?』

 

「それは…シルヴァとマルシラックも望んで…?」

 

『みんなの望みさ。この、フォンテーヌを救う。そのためのね。』

 




水中でのあの裁判に関しては、ヌヴィレットが出てくるまでの流れは本編通りです。
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