魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
「いたぞ!ナヴィアだ!!おい!あいつもいるぞ!」
クロリンデとヌヴィレットは、フォンテーヌ廷へと向かい、旅人とパイモン、藤丸とトネリコは、ポワソン町に到着した。
「ナヴィア!離れてッ!」
旅人は、草元素の攻撃をナルツィッセンクロイツに向けてはなった。水元素以外の攻撃が有効なのは、先のクロリンデの攻撃で確認済みだ。
旅人は無理やりナヴィアを引き剥がし、背に立つ。
「よかった、ナヴィアさん、無事で。トネリコ!ナルツィッセンクロイツを!」
「ごめんね」
藤丸の腹に、ナヴィアの砲撃が放たれる。
「ッ!」
トネリコはすぐさま藤丸に駆け寄る。スカークによる傷が、再度開いてしまう。
「よくも、よくも!」
「待って、トネリコさん!」
トネリコは治癒魔術をかけつつ、ナヴィアに向け剣を向ける。
それを、旅人は受け止めた。
「どいてください。彼女はすでに敵です。わたしの、マスターを傷つけるのは、みんな…」
「ナヴィアが…相棒が意味もなくそんなことするわけない!お願い、トネリコさん、剣を下ろして!」
「マスターは、あなたたちを、助けようとしていた。本来、そんな義理はないのに。そんなマスターを傷つけた人を庇うのなら、あなたも…」
「だめ…だ。トネリコ…」
藤丸は、息も絶え絶えながら、トネリコを制す。だが、トネリコは聞き入れる耳を持たない。
『殺す必要はない、というのは甘かったか。どうやら取り込んだばかりで彼らの影響を受けてしまったようだ。サーヴァントを殺すのなら、マスターを殺すのが手っ取り早いというのに。』
「ナルツィッセンクロイツ!ナヴィアに何したの!」
『何もしていないさ、変数。彼女は、私の救済を手伝ってくれると言うだけだよ。そうだろ?』
「ごめんね、相棒。彼は…私を、二人を、ポワソン町のみんなを、助けてくれた…フォンテーヌはもう終わりなの。」
「そ、そんなナヴィア、ひどいぞ!おいらたちを裏切るのかよ!」
「あんたたちは…フォンテーヌ人じゃないから、海に溶けない。知ってる?自分自身が溶けるかもしれないという恐怖…大事な仲間が溶ける恐怖…」
「そ、それは…」
『さて、よくやってくれたよ。ナヴィアさん。では、あとは私が…』
「まずい、マスターを守りきれないッそれなら、宝具で敵ごとッ」
メモリーオブロンディニウムの展開を始める。この際、マスターさえ生きていればそれで...
「令呪を…も…て、命ずる。やめて、トネリ…コ」
藤丸の意識は、そこで途絶えた。
トネリコは、宝具を展開できない。カルデア式の令呪には本来拘束力はないが、キャスターはこの地で藤丸が正式に呼び出したものだ。
「なんで、なんで!もうやだ!あなたも、ウーサー君も、信じた人々に裏切られた!私は、もう、そうさせないと決めていたのに!こんなんなら、『私』で召喚された方が良かった!トネリコじゃ、もう、何も守れない!」
「わ、私は…だって…みんなを…」
「旅人、まずいぞこのままじゃ、みんなあいつにやられる!」
「でもこの手を離したらナヴィアが…」
「痛いから我慢しろよ!」
近づいて来るナルツィッセンクロイツを止める者が、一人。
「お、お前は!」
「やぁ、相棒。どうやら大変そうな状況だね。ここは一つ、俺に任せてくれないかな?」
『貴様…アビスの力を使っているのか…?』
「へぇ、よくわかったね。とはいえ、直接的な者じゃない。うん、どうやら水元素じゃまずいらしい。」
「だめ、タルタリヤ、その傷じゃ、魔王武装は!」
「おいおい、こいつはお守りじゃないんだ。こーゆー時に使わないと、意味がないんだよ。」
タルタリヤは、既に傷だらけの状態から魔王武装を展開した。
「さぁ、逃げろ!」
旅人は、トネリコの刃を跳ね除け、ナヴィアを連れて逃げ出した。
「待て、待て!だめ、マスターを抱えては…」
トネリコは動くことができない。藤丸の傷を治すのに、精一杯だ。
「君は、その人を治すのに専念するといい。ここは…俺に任せてもらう!」
『その体で、よくやる。まぁ良い。相手をしてやろう。』