魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
ストームボーダーは特異点に突入した。
「シオン、あれだ!あれがビースト!」
「えぇ、見えています。そして、聖杯もあそこにある!」
「おいおい、マシュが戦っているではないか!援護はできないのかね!?」
「特殊魚雷、発射!着弾確認!」
「ちょっと〜このままじゃキャメロットに突撃だよ〜」
「くっ旋回は不可能、各員、捕まって!!」
「やっと来ましたか。まったく。」
「あれは、ストームボーダー!」
「マシュ殿の仲間か。よかった。エリナスは沈静化したようだ。」
「向かう先は…え、キャメロット?」
「あの城を、知っているのか。」
「はい、あれは私たちの世界の…ということは」
「あれは、数百年前一人のサーヴァントが建てたものだ。中にいる人々は幽閉され、私でも開けない。」
「そのサーヴァントの名前は、わかりますか?」
「確か、トネリコと言っていた。」
ボーダー組員は、キャメロット上部に通された。臨時召喚されていたサーヴァントは、電力消費を抑えるために格納されている。
「それで、これはどう言うことなんです?王妃」
「モルガン、でいいですよ。今更、知らない顔でもないでしょう?」
「確かに知らない顔ではない。だけど、君は私たちが登録した異聞帯のモルガンと霊器情報が合わない。一体、君は何者なんだい?」
「えぇ、そうでしょう。私は、モルガン。異聞帯で召喚されたトネリコがこの特異点で成立したモルガンです。」
「そんなことより、だ!藤丸はどこに行っているのだね?」
「マスターなら、いますよ。ほら、ここに。」
モルガンはそう言うと、部屋の隅に指を刺した。そこには、宝石となった藤丸が何も発することなく置かれていた。
「な、藤丸!貴様、一体なにをしたのだ!」
「知れたこと、彼はかつて、致命傷を受けました。その傷はこの世界の呪いのようなものとなり、こうして宝石に変えるしかなかったのです。」
「やはり、藤丸君は過去に飛ばされていたか…」
「私は、あなたたちが来るのをずっと待っていました。そして──」
モルガンが、「鏡」を作り出した。
「マシュ!」
そこから、マシュ、ヌヴィレット、フォカロルスが現れる。
「ほう、ついに城の女王と面会というわけだ。」
「えぇ、長らくお待たせしました。ついに、ついに辿り着きましたね。」
「マシュさん、彼女は、そしてこの者たちは…?」
「安心してください、ヌヴィレットさん、彼らは私の仲間です。」
「説明を、してくれるんだよね?モルガン。」
「もちろんです、ダヴィンチ。この世界は、既に終わっている。私の水鏡ではどうしようもなかった。因果に関することですから。」
モルガンは、説明を始めた。
あの日、モルガン──トネリコは、この世界を見限った。マスターに対し、守るべきかどうかを問うた。その答えは、納得のいくものではなかった。だから
トネリコは、精神を操った。
藤丸立香が、フォンテーヌ人を守ることのないようにするために。
藤丸は、重傷を負った。ナルツィッセンクロイツとの戦闘の際、呪いを受けたのだ。無論、異界の技術───魔術である。
そして、エリナスが目覚めた。ナルツィッセンクロイツの保有する聖杯を求め、旅人ら全てを飲み込み、エリナスは、ビーストへと変質した。
間一髪で藤丸を逃したトネリコは、もうこれ以上藤丸が傷付かないように、フォンテーヌ廷をキャメロットに変えたのである。
「そうか、それは…すまないことをしたね。」
「あなたは、フォンテーヌの神ですね。」
「そうさ、人間である僕の死亡は、計画の失敗を意味する。となれば、出て来ざるを得ない。だけど、少し遅かったようだ。」
「それで、わざわざ呼んだということは、解決策は用意してあるのか。」
「ええ、もちろん。マシュ、あなたです。」
「えっわ、私、ですか。」
「レイプルーフを、あの巨獣に撃ちなさい。それで、因果は捻じ曲げられる。あの日の私の間違いにも、きっとそして──」
「この私を、殺しなさい。」
「なるほど、つまり、モルガンさんごと、あのエリナスをレイプルーフで撃ち抜けば、因果は変わり、その選択と、エリナス自身への影響が過去に現れると。」
「さすが、物分かりがいいですね、吸血種。」
話は、『遠い未来への話』へと、続く。
間章は、この1話のみです。この後からは、藤丸たち時間軸の話へと戻ります。