魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス 作:旅人さんた
藤丸は、相変わらずキャンプの中にいた。
このファデュイという組織の次の行動が決まったらしい。フォンテーヌの中心部に位置するという歌劇場を落とすとのことだ。
自分はリネの隊に同行する。
裏切りを考えていないのか、裏切ったとしても問題ないと思われているのか。
おそらく後者だ。あの召使という女への返答は嘘ではない。自分自身に戦う力があるわけではない。
リネからも、同行を拒否してもいいと何度も言われた。
しかし、
(うちの問題かもしれないからなぁ)
そもそも今回の目的はこの特異点の修復だ。それにあのメリュジーヌが原因となれば黙ってはいられない。あの小悪魔系AIを筆頭にカルデアのサーヴァントが原因であることは少なくない。
無論、そう見えるだけで実際は何か必要性があるというのが、彼女の関係する話では大半だが。
(それにしても今回は規模が…)
普段の微小特異点では一つの町、大規模なものでも島くらいのものだ。
一つの国家丸ごとというともはやロストベルトの規模感となる。
藤丸自身、完全にファデュイを信じきれているわけではない。リネやリネットなど、個人個人のことは信じているが、組織となると話は別だ。
特にあの召使という女。
普段相手にしているのが英霊である藤丸立香にとっても、あまりにも異質なあり方だ。
おそらく、ただものではない。この戦いに参加した理由には、ファデュイという組織を見極めるという目論見もある。
万が一の場合、極地消耗型・七天礼装を使いサーヴァントを呼び出すことも視野に入れている。
何度か試してみたが、簡易召喚が機能していない。
あの時間神殿のように、身を削って戦うしかない。
「やぁ、立香。準備は済んだ?」
「うん、大丈夫。そもそも何か持っているわけでもないしね。」
「そうか、戦場の経験は…あるんだったね。基本的に僕かリネットと一緒にいてくれれば問題ないよ。ただ、できるだけ自分の身は自分で守って欲しい。僕たちの敵は今回棘薔薇の会と氷風…えっと、ロボットになる。」
「棘薔薇の会?」
「フォンテーヌに古くからある民間団体だよ。現会長はナヴィアっていう女性で、君には彼女との交渉役を務めてもらいたいんだ。もちろん僕も同行するけど、メインで話をするのは君だ。ファデュイでないものの方がきっと警戒心も薄れるだろうからね。」
「わかった。ロボットっていうのは?」
「クロックワークマシナリーの話はしたよね?その中でも戦闘力の高い個体さ。普段は演劇用なんだけどね。こっちはリネットと僕の部隊が対処する。僕の部隊、だなんてまるで執行官みたいだ。他にもマシナリーはいるけど、その辺は後続のファデュイ一般戦闘員たちが抑える。一体一体の戦力が高いわけではないからね。」
リネが話し合えると、タイミングを読んだかのようにリネットが入ってきた。
「リネ、私たちの部隊の編成が済んだ。いつでも出発できる」
リナとリネットがこんがらがってました!