魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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フォンテーヌの英雄/英霊

「へ?」

 

敵意がないとはなんだったのか、少女は唐突に殺害宣言を行った。

片手剣を握る。

 

「あのさ、毎度のことだけど説明が足りてないんじゃない?まぁ、でも今回は間違ってないか。」

 

「えぇ、『前例』ならあるわ。この世界ならきっと同じことができる。」

 

アビゲイルからも、オベロンからも敵意といったようなものは感じとれない。

 

というより、彼らからは感情を汲み取ることが難しい。

 

アビゲイルは注意を深くすると頭がおかしくなりそうだし、オベロンに関しては感じ取れる感情が正しいものなのか不安になる。

 

だが、それはそれとしてだ。向かってくる刃には、刃をもって──

 

「警戒は、されるわよね。ちゃんと説明するわ。簡単に言うと、あなたには一度死んでもらって、サーヴァントになってもらいたいの。」

 

少女は淡々とそう言い放った。言葉が出ない。正直、サーヴァントになるということがどういうことかよくわからない。

 

ただ、人から簡単に生き返られるから死んでくれと言われても、はいそうですかと頷けるわけがない。

 

「補足をすると、生き返るわけではない。サーヴァントっていうのはあくまで刻まれた人理の影。死した本人ではないのさ。」

 

「いつも嘘ばっかなのに、なんでここではそうなるの!」

 

「さぁ?霊器の縛りをここでは受けていないからじゃない?」

 

──となると、少し態度の冷たいように見えるオベロンの方が誠実なのだろうか。

 

「申し訳ないけど、その申し立ては受けられない。私は───」

 

 

 

「勘違いをなさってるようね。」

 

 

 

アビゲイルの姿が、最初に出会った時の、金髪姿に戻っている。

だが、先ほどまでや最初の頃とは明らかに気配が違う。

 

敵意──ではない、これは、この雰囲気は、

 

「私は、あなたにお願いしているわけではないの。これは、決定事項。ただ問答無用でやるのは、マスターが喜ばないから。説明しているのはあくまでマスターの方針。マスターを助けるためなら、私は別に方針なんて無視するわ。」

 

そうか、先ほどから敵意を感じていなかったのは、そもそも敵だと思っていなかったから。彼女はその気になれば、いつでも私を殺せるのだろう。でも、

 

「だからって、やられるわけにはいかない。」

 

「強情なことね。」

 

元素力は使えないが、よくわからない技術に身を任せるくらいなら、

 

振りかぶろうとする剣を、背後にいる何者かが止めた。

 

オバロンとアビゲイルではない。背後に立つ者の正体を確認するため、振り返る。

 

そこには、明確な形を持たない光がある。

 

「な、この世界に入ってこれるなんてっ!」

 

アビゲイルは動揺している。旅人の剣を弾こうと伸ばした触手は、その光に少し怯えているようだ。

 

「お人好しのお馬鹿さんっていうのは、どの世界にもいるみたいだ。」

 

オベロンは、妙に納得したような顔でそれを見ている。

 

「────」

 

何かを発しているようだが、うまく聞き取れない。その光に手を伸ばす。

 

『君には、迷惑をかけた。大丈夫、君の無事は僕が保証するよ。』

 

声にならない声は、伸ばした手を通じて聞こえてくる。

 

「あなたは、誰?」

 

『僕は、そうだな、護国の白騎士。君と同じ、フォンテーヌを憂う者だよ。彼らの言っていることは、正しい。本懐を遂げれば、この世界は正しい形に戻される。』

 

「白騎士──アラン・ギヨタン、あなたは、知っているの?」

 

『うん。彼らは本当にこの世界を救いに来たのさ。無論、最優先はあのマスター君だろうけど、詮無きことさ、結果は同じだ。』

 

「彼らは、信じられる?」

 

『彼らを信じられないなら、僕を信じて欲しい。こういう言い方は卑怯かもしれないけどね、僕が──僕たちが守ろうとしたフォンテーヌを、守っておくれ。』

 

そう言って、アランは消えていった。

 

「私は、こんなところで死んでられない。」

 

「えぇ、そのようね。」

 

「あなたたちは、どうしても信じられない。」

 

「外なる神と、嘘つきを信じらっていう方が、おかしな話だもの。」

 

意は決した。私は──

 

「私に、フォンテーヌを救わせて欲しい。」

 

「ええ、任せて。マスターのためにも。」

 

アビゲイルは、扉を開く。奥にあるのは、名状しがたき怪物ではない。魔術世界おいて、根源に限りなく近い場所。

 

優しい光が、旅人を包み、その姿を消し去った。

 

 

 

「アレ、なんだったのかしら。」

 

「この世界で生まれた英霊だろう、よくもまぁ、『座』のないテイワットて英霊が成立したもんだ。魔術王と接近していたのか、それとも案外、彼は光の戦士だったのかもしれないな。」

 

「そんなわけないわ。アレは、フォーリナーじゃないし、その枠は埋まっているもの。」

 

「あのふざけたOLか。全くあの顔した奴らは本当にめんどくさい。」

 

「それで、あなたも行くのでしょう?」

 

「君が呼んだんだろう。」

 

「呼ばなくても、行くつもりだったじゃない。」

 

「別に、何かするつもりはないさ。ただ」

 

「ただ?」

 

「あの女のあんな姿、見てられないだけでね。」

 




fakeコラボ、最高すぎる。
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