魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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ラストバトル2 防御機構

わけなんてないのさ、と言われたところで旅人の持つ攻撃手段は他にもある。

 

「稲光ッ」

 

「おっと雷はまずそうだ!」

 

旅人の放つ一太刀を、ルネは炎剣によって防ぐ。

 

本来エデンへの帰還を阻む概念としての炎剣だが、出力した結果はただの炎でできた剣だ。と言っても、並の元素力ではないが。

 

だが、雷元素との接触により過負荷反応が生じる。

 

爆風に巻き込まれ、旅人の体が吹き飛ばされる。

 

「まずい、このままじゃ!風よ!」

 

遥か彼方へと吹き飛ばされそうな体を、風神の力で無理やり押し留める。

 

「器用な真似をするんだね。よほど複数の元素の扱いに慣れてると見える。」

 

とはいえ、何度もしたいものではない。現状高火力を誇る攻撃特化型の二つの元素攻撃を実質封じられてしまった。

 

「あなたは、なんであの爆風を。」

 

「当然だろ?あれは炎剣によってもたらされた結果だ。そんなのでエデンへの道を許すわけないじゃないか。」

 

 

 

 

「お、おい!まずいぞ!あいつ、急に出てきたと思ったらめちゃくちゃだ!お前、休んでないでどうにかできないのかよ!」

 

「無茶を言うものだ。霊核にまでダメージが及んでいる。今の私に介入できる余地などない。」

 

と言いつつ、ソロモンもなんとか加勢しようと魔神柱を呼び出そうとしてはいるが、先ほどナルツィッセンクロイツと同様、不発に終わる。この世界に、72柱は顕現させられない。

 

「ちっ……!」

 

空間に展開された召喚陣が明滅し、そのまま霧散する。一本たりとも魔神柱は現れない。ソロモンは舌打ちし、霊核を押さえながら荒く息を吐いた。ならば、せめてあのサーヴァントの解析をと思いルネを見つめる。その姿は、かつて会ったあの時と同じだ。まさかあの断片的な情報からここまで至るとは。

 

(知恵の樹、世界式との同化...)

 

(フォンテーヌ、この世界への干渉権。ならば、『あの存在』さえいれば...)

 

目線に気付いたルネは、炎剣を片手にじっと目を細めソロモンを見つめ返す。

ここにきてルネは明確に焦ったような表情を浮かべた。

 

それに、トネリコが気付いた。

 

(何に焦って...?)

 

考えてみるが、思い当たらない。いまのソロモンに決定打足りうる攻撃などできない。

 

(攻撃...じゃない?なら、それは)

 

 

 

「なら、しょうがない。」

 

その瞬間、水面が脈動した。

 

嫌な静けさ。次の瞬間、海そのものが持ち上がる。

 

「っ!?」

 

旅人が反射的に動いた。予言の再現。あの時の海面上昇が思い起こされる。

 

だが、持ち上がった水はごく一部。それらは、それぞれ個々にまとまり始める。

 

翼。光輪。これは...人の輪郭?

 

旅人は、これを知っている。璃月にてその存在を知った、それらは

 

「純水精霊!」

 

 

 

 

特有の透明な肉体。その内部を淡い光が流れている。

 

まるで祈るように両手を重ねたそれは、ゆっくりと瞳を開いた。

 

『生命圏維持機構、起動。』

 

機械のような声で、感情がない。

 

だが、そこには微かに慈愛のようなものを感じる。

 

『知恵の樹への干渉を確認。』

 

『固有名、ルネの保全を開始します。』

 

藤丸の背筋に寒気が走る。見覚えがあった。明確に似ているわけではないが、確かそれは確かイタリアの...

 

「……守護、天使。」

 

その呟きに、ルネは応えた。

 

「そう。これが、もうひとつの防衛機構。」

 

水によって構成された守護天使の翼がゆっくり広がる。

 

水面が共鳴するように波打った。

 

『救済を執行します。』

 

数にして10。

 

10体の純水精霊が、顕現した。

 

 

 

「まずい、キャスター!藤丸を全力で守れ、これらは10のセフィラに対応している!」

 

ソロモンが叫ぶ。と同時にトネリコは動いた。

 

「杖よ!」

 

防御術式を発動する。そして、

 

『第一掃射開始。』

 

それを食い破ろうと、純水精霊たちが攻撃を放った。

 

「持ちこたえて見せる!」

 

令呪のバックアップもあり、拮抗している。だが

 

「このままではもたん。それにこれらが10のセフィラならば、おそらく...」

 

嫌な予感は、当たるものだ。

 

海面から、新たなる純水精霊が顕現した。

 

「隠されしダアト!それが眠るのは...アビス!」

 

『第二掃射、開始。』

 

11番目の精霊からの攻撃が始まる。現在でも拮抗しているのだ。このままでは

 

「堅如磐石!」

 

旅人が、岩元素でできたシールドを展開した。

 

二重の守りにより、攻撃は防げている。だが、このままではなぶり殺しだ。

 

なにか、打つ手は...

 

「間に合ったようだね、旅人!」

 

声がする。その声の方向にいるのは…

 

二人の、マジシャンだった。




炎の剣はあくまで防御にしか使えないので、ルネの主力はこの守護天使となります。藤丸的にはついこの前奏章4をクリアしたばっかなので、またかよって感じです。ちゃっかりメタトロンとかもいますしね。もちろんジャンヌの姿ではありませんが。

ちなみにルネは、「世界式を自らへ埋め込むことで世界へ至ろうとした存在」対して旅人は、「世界を旅し終えたことで到達した存在」という対比になっております。

そしてお気づきでしょうか最終章といいつつ34話も使っております。完全にペース配分を間違えました。

また、知恵の樹関連がピンとこない方は、調べるとある程度納得されるかと思います。今時のAIに聞いてみるのも手かと。なぜこの辺にこんな拘るかは、完結後のあとがきなどで書こうと思います。
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