魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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ラストバトル3 最後の水仙十字※あとがきにてもろもろ解説

「リネ、リネットどうして…!」

 

「お父様から言われたのさ。君たちが正しいと思うことを、ってね。」

 

「これが、私たちにとって正しいこと。あなたの、力になりたい。」

 

リネは手を挙げ合図を行った。

 

「かかれ!」

 

そこには、無数のファデュイ兵が集まっていた。

 

敵対したフォンテーヌ人たちを抑えている。

 

「見るに、その純水精霊たちを倒せばいいんだね!」

 

リネとリネットは、尚も攻撃を続けている守護天使の元へと向かう。

 

「無茶です、あんなでも天使の概念を持っている。並の攻撃では…」

 

トネリコは静止を呼びかけるが、二人は止まらない。

 

「やってきたのは僕たちだけじゃないってことさ!」

 

「じゃじゃーん」

 

リネットが、マジックポケットを取り出した。

 

中にいるのは…

 

「あ、マスター!良かった目が覚めたんだね!」

 

両翼をもがれたメリュジーヌだった。

 

「メリュジーヌ!なんで?え、というかのその羽!」

 

「あぁこれ?心配してくれるんだね、嬉しいよ。あの怪物…やっぱり原生生物は強いね。マナのうごきもなーんがおかしいし、ちょっと苦戦しちゃったよ。っていうか...」

 

「折角の再開なのに、邪魔しないでほしいかな。馬...はいないか。代わりに竜が蹴ってあげよう。」

 

メリュジーヌは、脚力のみで飛び上がり天使たちを引き裂いた。

 

「す、すごい!」

 

「わたしたちも行こう、お兄ちゃん。」

 

天使の標的がぶれた。旅人はシールドを残しつつ加勢する。

 

「...........!」

 

氷元素の攻撃で、天使は動きを封じられた。所詮は水元素の塊、凍結には逆らえない。

それが、テイワットの法則なのだから。

 

「すごいなあのサーヴァント、エリナスを倒してしまうだなんて。」

 

「うちのドラゴンは最強なんだ。」

 

藤丸は得意げに言い放った。事実、エリナスはかのレインドットの創造物。

 

7神でもなければ倒しきることなどできない。

 

「だけど残念ながら、竜じゃ僕に勝てないよ。僕の世界観において、それは堕落の象徴。黄金狂いには届かない。」

 

「ふん、もはや神の子気取りとは笑えてくるな。」

 

ソロモンが、口を開いた。

 

藤丸に支えられているが、口元は邪悪な笑みをうかべている。

 

「貴様、既に詰み始めているぞ。」

 

「カルデアの者...いや、ゲーティアさん。その体でよくも見栄を張ったものですね。得意の神殿はもう出し切ったのでは?それとも魔神柱でも呼びますか?残念ながら、それがしたいならこの世界から神を消さなくちゃ...」

 

「いや、そんなことするまでもない。」

 

ソロモンは笑みを絶やさない。そしてその目線は天使の方へ向いている。

 

否、実際はその奥。いつのまにか現れた一人たたずむ純水精霊だ。

 

「あれ、なんだあいつ。対応する守護天使はもう...」

 

そう言いつつも、ルネの表情に余裕はなくなっている。

 

心の奥底で気付いてはいるのだ。

 

それが、自分への致命的な弱点であると。

 

「万物は常に終わりを望んでいる。さながらあれは、貴様にとっての死の点といったところか。」

 

「...ッ!」

 

初めて、ルネは自ら動いた。

 

ソロモン目掛け、走り出す。

 

「させない!」

 

トネリコが、杖で応戦した。

 

「挑発はやめて、策があるならさっさとやってください、魔術王!」

 

「本当に、それはそう。」

 

藤丸も同調した。

 

「そうだな、ならば見せてやろう。」

 

術式は、既に組まれている。

 

ソロモンは、それが存在することを確信していたのだ。

 

「フォーリナーあの純水精霊に触れろ!」

 

天使と応戦中の旅人が振り向いた。

 

無論、目的を察したわけではない。

 

だが、理解する。それが、勝つために必要なことだと。

 

天使が現れた海面。

 

何をするでもなく立っているだけの純水精霊。

 

それはまるで、ルネを心配しているようなたたずまい。

 

どこからともなく出現させた炎のバイクにまたがり、旅人はそこへ向かった。

 

「やめろッなんで、なんで今現れた!」

 

ルネはそちらに向かおうとするが、トネリコがそれを止める。

 

「やめろ、やめてくれッ!」

 

その叫びは、悲痛なものだった。

 

敵ながらに、憐れみを感じてしまう。

 

「貴様の敗因は、さっさとあのフォーリナーを消さなかったことだ。」

 

「...ッ!光を放て、ケテル!」

 

純水精霊、守護天使メタトロンに呼びかける。

 

それに対応するは王冠ケテル。

 

そして、そこに内包されたものを解き放つ。

 

『執行開始。アイン・ソフ・オウル』

 

無限の光が、旅人へと迫る。

 

それは本来すべてを焼き尽くす暴力的なまでの光。

 

だが...

 

誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)

 

光は、また別の光によってかきけせられる。

 

抜け目のないゲーティアは、ここぞという場面のために宝具を撃つ力を残していた。

 

旅人の手が、純水精霊へと触れる。

 

「『彼女』に触れるな!」

 

その声に、どのような感情が含まれていたか、藤丸にはわからない。

 

だが、結果として

 

「解析完了。キャスター貴様の出番だ。」

 

ソロモンはトネリコに呼びかける。

 

この短い時間で、トネリコは全てを察していた。

 

そもそも、旅人をサーヴァントにしたのは誰だったか。

 

アビゲイル・ウィリアムズの宝具、「光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)

 

とある偉大な魔術師の弟子は、外宇宙と『それ』を結び付けていた。

 

ならば、アビゲイルによってフォーリナーになった旅人にも当然、その概念は内包されている。

 

あとは、きっかけさえあればそれは出現する。

 

マリアン・ギヨタンを延命させるため、自らの存在と融合させた純水精霊がいる。

 

その名は、純水精霊リリス。

 

生命の樹セフィロトに対を為す『それ』を構成する一つ、第9iのクリファ。奇しくも、それに対応する名も、リリスだった。

 

トネリコが使用した魔術は、至極単純。

 

ただ、この場の空気を、「不安定」にさせただけ。

 

ただそれだけで、その純水精霊は旅人に吸収された。

 

そして、旅人に新たなる概念が組み込まれる。

 

『それ』こそは...

 

「同化、完了しました。あそこにあるのは邪悪の樹クリフォトです。」

 

戦いは、最終局面を迎える。

 




解説パートです!

まず旅人はアビーに鯖にされてましたね!
なので、旅人のクラスフォーリナーにはどうしてもSAN値由来の物が混ざっています。そしてアビーの宝具の由来は、クリフォトです。

話は変わりあのゲシュタル塔での戦い以降、マリアンと同化した純水精霊リリスはずっと眠っていました。
ですが、ルネやアランの出現により目が覚め、何事かと様子を見に来たわけです。
そこに現れた旅人。
作中でも言っていますが、セフィロトに10のセフィラがあるように、クリフォトにも10のセフィラがあります。その9番目が、アィーアツブス(不安定)。対応する悪魔はリリスです。あのマシュ嫌いで有名なリリスと同一かはちょっと難しいので割愛。おそらく型月的には別物のはずです。本人もそういっていたような気がします。
ということで、ゲの字さんはこう思ったのです、(こいつ守護天使を純水精霊にしてんなら、逆に純水精霊を悪魔にできんじゃね?)と。
無茶苦茶ですが、無茶苦茶の塊であるほんのりクトゥルフ味ある旅人と、リリスがふれあい、トネリコが後押しすることで、旅人の中にクリフォトが発生したってわけです。
旅人のインフレが止まらねぇぜ!

また、カルデアの召喚ではないはずのメリュですが、召喚直後に恋人面したのと同じと思っていただけば。それと、マジックポケットに入ってたのは、エリナスに勝った後その辺で寝てたところをリネットに拾われたからです。壊れなくてよかった。

タイトルの最後の水仙十字はマリアンのことです。

次回、本編最終回
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