魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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降り立つ赤

「執行官様、なぜ出向かなかったので?」

 

科学院近くのファデュイ拠点で、一人のファデュイがそう尋ねた。

 

「することがあったのは嘘ではない。エリナスについて、私たちはあまりにも知らなすぎるからな。ただ、」

 

「ただ?」

 

「私は子供たちの意思をできるだけ尊重したいということだよ。」ね。」

 

 

 

 

 

 

「た、旅人。」

 

リネの顔が露骨に曇っていた。藤丸は言葉を続けられずにいる。

 

「リネットも、久しぶりだね。ファデュイの襲撃があることは予測していたけど、まさか君たちだったなんて。」

 

「僕たちは、君と、」

 

「うん、私も戦いたくはないよ。でも君たちはファデュイでしょ?なら仕方ない。そっちの人は?」

 

金髪の少女の目線がこちらに動いた。

 

「久しぶり、旅人。お兄ちゃんのことをあまりいじめないであげて。この人はファデュイじゃないの。多分だけど、お兄ちゃんは...」

 

「もう待っていられない!」

 

言いかけたところで、先遣隊のひとりが上空に発砲した。

 

「な、にを。それは僕の役目だったはずだ!」

 

「旅人が発見され次第合図を送るという話だったはずだ!十分我々は待った!躊躇している暇はないはずだ。」

 

棘薔薇の会メンバーの中で動揺が走る。来るのだ、執行官が。

 

「旅人、頼む撤退してくれ、今の君たちじゃお父様に敵わない!」

 

リネの悲痛な叫びを聞き、金髪の少女は少し驚いた表情になる。

 

「ふん、ずいぶん優しいのね、あんた。残念だけど、私たちはそんなにヤワじゃないよ。」

 

「違う、人数の問題とか、気持ちの問題じゃないんだ、ナヴィアさん、僕だってフォンテーヌ人だ。棘薔薇の会の貢献を知っている!こんなところで命を落としちゃいけない!それとも、無駄に命を散らすことが君たちにとっての名誉だと!?」

 

「それは...」

 

藤丸にとってリネは、善い人間に映っている。そんな彼が所属している組織だ、きっとファデュイというのは悪い組織ではない。そう思っていた。

 

ただ、目の前で敵対している少女も、悪い人間には見えない。無論必ずしも敵対関係にある者の一方が悪で一方が善だとは限らない。ので、

 

(あっち側とも話をしたい)

 

そう考え、割って入ろうとした、その時

 

 

 

 

 

「説得は無理だったようだね。」

 

 

 

 

赤が降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

「おとう、さま」

 

「無事なようで何よりだ、リネ。下がっていなさい。」

 

「少し、少しだけ時間を」

 

「あの合図は君のものではなかった。こちらとしては十分に待ったつもりだ。リネット、リネを下がらせなさい。」

 

「はい、お父様。ごめん、リネ」

 

リネットはリネを抱きかかえると、目にもとまらぬ速さで消えた。

 

「さて、こうして会うのは二度目だな、旅人。前回はゆっくり話せなかったが、今回は刃を持って語るとしよう。」

 

 

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