魔神特異点 水獣敵対異国 フォンテーヌ・エリナス   作:旅人さんた

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今回ちょっとややこしいかもです。
ざっくりとした概要をあとがきに書いておきます。


間章
二人の少年と魔神王


単独権限は、ビーストに備わった固有の能力である。憐憫の獣の残骸は、無事藤丸達に同行するはずだった。

 

しかし

 

 

「ごめんなさいね!あなたには、あなたの役割があるらしくて!まったく、バーべロスも変な未来ばっか見せるんだから。」

 

 

「数百年は耐えてね、魔術式さん。」

 

 

 

 

 

 

「ふん、また厄介な特異点だな。」

 

藤丸達のレイシフトをたどるつもりだったソロモンは、ベリル地区、エリナス内部にいた。

 

「ま、また出てきやがった。」

 

「ルネ、僕ならきっと倒せる。任せてほしい」

 

二人の少年が魔物に襲われていた。どうやら私もその一派だと思われている。

 

「ふん、この程度か」

 

 

 

「ありがとう、でもなぜエリナスの中に?」

 

魔物を倒したソロモンに、ルネとジェイコブという名の二人が駆け寄ってきた。

 

「それはこちらのセリフだ。子供がなぜこのような...待て、この反応は」

 

違和感を感じる。世界の構造そのものが違う。このままでは、すくなくとも藤丸の体が持たない。

 

(そもそも私は彼らを追ってきたはずだが...まさか先ほどのノイズ、妨害か。)

 

妨害と一口に言っても、単独権限を妨害するというのは簡単な話ではない。

そもそもありとあらゆる世界に存在するという事象そのもののような能力なのだ。

 

(つまり、この特異点の外側の者が干渉してきた...?だいぶ過去に飛ばされたな。ええいこれが召喚であれば、聖杯によって知識を得られたというのに。)

 

いっそここでサーヴァントを召喚してやろうかとも思ったが、とにかく目の前の人間たちに事情を聴くことを優先した。

 

「それはもちろん、人類を救うためさ。ね、ジェイコブ。」

 

聞き捨てならない言葉を聞いた。人類を救う。ソロモンにとっては耳が痛い話だ。

 

「そうだ、あなた強いんでしょ?ならついてきてくれよ。僕たちちょっと探し物があるからさ。いいでしょ?ルネ」

 

「うん、あなた名前は?」

 

「ふむ、とりあえず、カルデアの者と名乗っておこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中、湧いてくる魔物を倒しながら、ルネとジェイコブからざっくりとした世界の構造を聞いた。

 

「七元素、この違和感はそういうことか。」

 

「なんだ、あなたがいたところってまさかテイワットの外なの?」

 

「まぁ、そういうことになるな。」

 

「ふーん、ていうかさ、カルデアの者さん、なんでわざわざ着替えたんだ?」

 

「俺たちを驚かせないようにだろ、でもその恰好じゃまるで医者みたいだ。」

 

「まぁ、医者の真似事くらいならできないこともない。ん、ジェイコブ体調が悪いのか?」

 

「あ、カルデアの者さん、ここにいて!僕たちちょっと用を足してくる!」

 

 

 

 

(いまのうちに手遅れかもしれないが、近代魔術論に変換できるようこの世界の構造に干渉してみるか。)

 

ゲーティアの正体は魔術式だ。そもイギリスの魔術師が大英博物館にて存在を確認するまで、一般に周知されてはいなかった。つまり、現代のゲーティア、ゴエティアを扱う魔術というのは早くとも十七世紀以降のものが多い。

 

無論、神代を生きたゲーティアにも、近代の魔術は扱える。例えば、カバラの概念である十のセフィラを利用した魔術だ。

 

(本来ならここまでの大規模な魔術は抑止力の干渉を受けそうなものだが、この場はどうやらこの世界そのものへの呪いをうけているらしい。)

 

ソロモンは気付いていないが、二人の少年の片割れ、ジェイコブはアビスの影響を受けていた。

 

この世界に無理やり生命の樹をあてがい、世界の土台であるイェソドのセフィラに干渉する。

 

炎を純エネルギーに、水を流動に、草を生命増殖に、岩を構造強度に、雷を情報伝達に、風を運動に、氷を停止・保存にそれぞれ置換し、五大元素世界との接続を試みる。

 

しかし、それは叶わなかった。この世界に当然のように存在する元素反応というものだ。

 

元素を概念として再理解しても、元素反応によって別の物へと変換されてしまう。

 

(まったく、構成する元素の種類が近いからこそ、歪みが起きてしまうか。)

 

なので、発想を変えることにした。

 

五大元素と七大元素に共通していない元素、つまり天体を構成する第五の元素、「空」を利用する。

 

空、つまりエーテルに先ほどのイェソドをねじ込み、このテイワットという世界に新たなる概念を付与する。

 

(第八架空元素といったところか)

 

これにより、近代魔術世界で生きる藤丸は、無意識で第八元素であるエーテルに干渉し、イェソドを通じてセフィロトの樹と接続できるようになった。

 

(発動は完了した。しかし...)

 

これほどの大魔術、固定するための楔が必要だ。それもこの世界に強く結びつく場所で。

 

(とりあえずはこの二人についていき、途中で探すとするか。)

 

 

 

その光景を、戻った二人は黙って眺めていた。

 

 

 

 

「見ていて面白いものでもないだろう。」

 

「すごい、もしかしてあなた、魔法使いなの?」

 

「...のようなものだ。」

 

「魔法を使ったのはわかるけど、一体なにをしたの?」

 

「特に何もない。ただ少し世界の構造に触れただけだ。」

 

ジェイコブとルネは顔を見合わせた。

 

「少し、話を聞いてくれない?」

 

 

 

あの二人は人類の滅亡を回避するために行動しているという。

「世界式」とやらの説明も受けたが、この世界におけるセフィロトのようなものだとはわかったが、言葉の意味はほとんどわからなかった。

 

「魔術式」ゲーティアが、である。

 

(この世界は本当に特異点なのか?)

 

そしてこの場は魔神エリナスという巨獣の亡骸の中らしい。二人はその魔神の血を探している。

 

 




簡単に言うと、型月と原神世界は構造が違い、型月は火、水、地、風、空+αなのに対し、原神はご存じ七元素です。なので、藤丸がこの原神世界で生きられるように、第五架空要素、空(エーテル)の元素を無理やりテイワットに生やし、空の元素を前提として生きている藤丸の体を介して、型月世界の五大元素にアクセスできるようにしました。
オンライン機能がないパソコンにUSB経由でデザリングをし、インターネットで別のパソコンを遠隔操作するみたいなイメージでしょうか。
そのためのケーブルに、カバラの概念であるセフィロト(生命の樹)を利用しています。

また、ここから水仙十字の話が絡んできます。
よく知らない方に簡単な現状の説明をすると、孤児院(水仙十字院)出身のルネが、独自の研究やスメールにある遺跡の調査をし、人類が滅亡するということが世界式というものを用いて判明しました。世界式については、メリュシー村の暖かい場所にある本に詳しく書いてあります。図面が完全にセフィロト!
また、ジェイコブが食糧難などで衰弱してしまったので、養父のカールの反対を押し切りアビスの力でなんとか生きながらえさせた所です。
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