ぼくらハグルマ団!03~世界一周レースの裏で~ 作:madron
イベントや世界観の発想など、「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作であることには間違いありません。
また、この作品はChatGPTを用いて文章を書き、修正・加筆を手作業で行っています。
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
数日後、冒険者組合の一室。
壁に掛けられた地図と、机の上に並ぶ記録資料。
セリルは、ブルー含む組合の幹部数人と若い学者、それに検死官らと共に椅子に座っていた。
机の上には数枚の写真。
それは例の敵──セリルが倒した銀色のスーツの異形の死体を写したものだった。
ブルーが口を開く。
「……セリルさん。例の遺体の件ですが、調査結果がまとまりました。
組合の上層部立会いのもとで、ヘルメットと服を脱がせた写真がこちらになります。」
幹部が写真をセリルの前に差し出す。
映っていたのは…
つるりとした赤い肌、真っ黒な瞳、筒状の口──そして首から下には、体の代わりに何本もの触手が生えていた。
セリルは訳が分からなかった。困惑の後、口から出てきた言葉は。
「……人間じゃ、なかったんですか」
だが、幹部の一人は首を振る。
「いや、“人間ではない”というのは確かだとは思うが……だからといって、亜人でもないとは言い切れないだろう。
仮に彼らが“火星人”と名乗ったところで…火星と言うのが何を示しているのかがわからん。翻訳機によれば、夜空に見える星の一つらしいが…本当に星の世界からの訪問者が来るなど、普通は考えない。」
もう一人の幹部も頷く。
「世の中には未知の異界、異次元の扉、禁断の研究の産物、果ては地下の古代遺跡で生まれた異形の存在まで、真偽を問わなければ多くの記録が確認されている。
どこから現れたかはともかく、正体不明の異種族──古代の伝承に、それらしい姿は見受けられるものの…多くの死体を残し去った、という記録が刻まれているだけだ。
今のところ、それ以上の判断はつかん。」
若い学者が説明を補足する。
「…あくまで古代の遺跡で発掘された記録に似たような災厄の記述があった、という話が残っているだけです。現存する資料も少なく、現実なのか創作なのかもはっきりしておらず、あくまで伝承の域を出ません。」
学者が捕捉を終えると、ブルーが続きを促し、検死官が話を続ける。
「それと、服を脱がせたことで分かったのは、服の中に触手を通して、人型の形を取って動いていたということです。
我々の間では“蛸の亜人”というのが最も近い表現だと思いますが、確認されている亜人にはこのような個体は居ないことがわかっています。
……完全に、未知の存在です。」
「人の形で動いてた理由は……?」
セリルの問いに、幹部の一人が資料を手に答える。
「彼らは君たちの報告によれば、人間のことを“猿”と呼んでいたそうだな。
こちらを動物と認識していたとすれば、人型を取ることで、警戒心を薄れさせようと考えた可能性がある、とのことだ。あくまで仮説だが。」
さらに、検死官が口を開く。
「もうひとつ。死因についてですが、調べたところ、セリルさんのナイフで付いた傷は無かったことがわかりました。
顔の表面に小さな傷はありましたが、これはヘルメットの破片で受けた傷のようです。
……問題はそこではなく、死体の状態なんです。例えるなら、全身に急激に病が回ったような状態に近い。」
セリルが驚いた表情を浮かべると、検死官は例を挙げる。
「聞いたことがありませんか? 遠く離れた地へ遠征に行った冒険者が、現地では風邪のように軽い症状しか出ない病気にかかった時、重病になることが極稀にあると。
土地によって体の耐性が異なることが原因と推測されますが…今回の遺体の状態も、それに近いです。
こちらの空気や病気に、異常なほど弱い体質だったのかもしれません。」
別の幹部が口を挟む。
「毒物反応も調べたようだが、検出されなかったと聞いている。ならば、やはりあの銀色の服は、病や環境から身を守る鎧だった可能性が高い。」
最後に学者がため息混じりに言う。
「もっとも、全ては推測に過ぎません。
ただひとつ言えるのは、彼らの文明圏では、この近辺の、あるいはこの大陸そのものの環境そのものが極めて危険なものなのだろうということです。
我々にとっての日常が、奴らには猛毒で満ちている…」
セリルは改めて写真と資料に目を通しながら、呟いた。
「……なら、この空の下にいる限り…地中に潜った奴らも、いずれは……」
「耐性をつけ、克服する可能性は確かにある。だが、それもすべては“今のところ”の話だ。
連中の正体も、目的も、いまだ不明だ。金を狙っただけというのも真実かはわからないしな。」
セリルは資料を見下ろしながら、胸の奥で冷たい予感を感じていた。
奴らは必ずまた現れる。
だが、今回のような偶然に頼れるとは限らない。
──いつの日か、あいつらは必ず現れる。再び現れた時、俺達は勝てるのか?――
―そして現在。
居間に沈黙が訪れた。数秒の静寂ののち、セリルがぽつりと呟いた。
「……あれがきっかけだったんだ。あの事件があったから、フラーグムはこの町に来て、俺と結婚した」
驚きで口を開けたままの三人に、隣のフラーグムがにっこりと微笑む。「懐かしいわねぇ」と、過去を思い出すように目を細める。
「そんなことがあったのか……」
カルセドが呟くと、ロサとジルコンも頷いた。思わぬ過去の真相に驚きつつも、どこか物語を聞いているような楽しさもあった。
と、そこでカルセドはあることを思い出した。
「あ…」
「どうしたの、カルセド?」
「父さん…そういえば、その出発地の町……昔はゴールドラッシュで沸いたことがあったよね…?」
その言葉に、ロサとジルコンがセリルを見る。
「あぁ、まさにあいつら——あの事件の犯人たちが『この近くに金が埋まっている』なんて言ってたのが原因だ。」
セリルは苦笑いを浮かべながら、説明を始めた。
犯人グループは金を狙ってこの地を襲った。そして調査の結果、本当に金鉱脈が発見されたのだ。
そしてフラーグムの両親にお金を貸していた金貸し達は、金鉱脈発見の報を聞くとすぐに、発掘ではなく、採掘道具の販売や、金を持ち帰るまでの護衛などを行うようになったという。それも、冒険者組合よりも少しだけ安く。
結果として、金貸し業よりもはるかに儲かるようになり、今や機械鎧の製造・開発までこなす、街そのものの発展に貢献した大企業である。
「その連中…しぶといというか、逞しいというか…」
ジルコンが苦笑する。さらに、セリルが続けた。
「ちなみに、あの円盤——今でも山の向こうに、その時の穴が残ってる。ちょっとずつ浮いてきてるらしくてな…だが、最近は穴を遠くから眺めに来る観光客までいるらしい。ちゃっかりしてるよ。」
カルセドが「今度の仕事って、その円盤の調査だっけ?」と尋ねると、セリルは頷いた。
「そうだ。また戦うことになるかもしれないからな……
……機械鎧の技術もな、金の発掘のためってのもあるが、あの火星人どもに対抗するために、一気に進化したんだ。
……全部、あの日の続きだよ。」
「へー…それじゃあの時…前に裏山で見た、仮面のおじさんが乗ってた機械鎧も、その為だったりして…」
セリルは一瞬だけ固まると、すぐに口を開いた。
「…かもな。」
それから二日後、セリルは円盤の調査隊に合流する為、街を出た。
そしてさらに三日後、ついにレース本番の日がやってきた。
朝から街は異様な熱気に包まれ、遠く離れたひみつ基地にも、会場のにぎわいを伝えるラジオの音声が響いていた。実況アナウンサーは参加者の紹介や沿道に詰めかけた観衆の様子を朗々と伝え、子供たちも時折耳をそばだてながら、皿に盛ったおやつに手を伸ばす。
レースに興味はなかったが、セリルの話を聞いたこともあり、一度、最初から聞いてみよう! と、ひみつ基地に集まってラジオをつけたのだ。
《さあ、いよいよ大陸一周レースの幕開けです! 第一走者は準備に入りました!》
レース開始前から会場の活気に満ちた様子がラジオからひみつ基地に流れる。
だが、わずか数分後、ラジオから突然、振動音や爆発音、さらに観衆の悲鳴が響く。その直後、動揺したアナウンサーの声が割り込んだ。
《り、臨時ニュースです! か、かかか観光地となっていた大穴から、じゅ、12年ぶりに円盤が浮上しました! 無線が乗っ取られ、謎の音声が発せられています!》
ラジオからブツッという音がすると、今度は平坦で不気味な声が流れ出す。
『ワレワレハ 火星人 ダ。
猿ドモ ヨクモ 眠ッテイル間 ニ 金 ヲ 盗ンダナ。オマエ ラ 駆除スル』
ラジオの音声が緊急放送に切り替わる。冒険者たちがレース参加者を守りながら戦闘を開始したという。
そしてまたブツッという音がすると、またも不気味な声が流る。
『抵抗 ハ 無駄ダ。ワレワレハ スデニ コノ星ノ 空気ヲ 克服シタ。狩リ ノ 時間 ダ』
その声は冷ややかで感情の起伏もなく、却ってぞっとするような響きだった。
続いて、再び放送は切り替わり、冒険者たちの奮闘を伝える緊急放送が流れる。
《現在、冒険者たちがレース参加者の避難誘導を行いながら、火星人と交戦中とのこと!》
セリルはレース会場から参加者を安全な場所へと誘導し終えると、銃弾の装填を急いだ。今回のために開発された、火星人の防護服を貫く特製の銃弾だ。
争点を折れるとすぐに走り出したセリルたち冒険者の前に姿を現したのは、防護服を着た火星人ではなかった。
大穴から浮かび上がった円盤のハッチが開き、巨大な何かが落下し地響きを立てる。
それは、三本足の巨大な機械兵器だった。
前から見れば球のような、上から見れば三角形のボディに、それぞれの角から地面に伸びる三本の足。前方には、赤くて丸い半透明の物体が、正面を見据える目のように輝いている。
それが、二体。
二体の巨兵は地面を揺らしながら進み、からは容赦なく光線が放たれる。光線が地表を薙ぎ払い、逃げ惑う観衆の間に悲鳴が響いた。
「チッ! 流石にこういうのは予想外だったが……」
セリルは苦々しい声で呟く。
「だが、俺たちが狩られるのを待ってるだけだと思うなよ!」
レース警備にあたっていた冒険者たちは即座に動き、機械鎧を装着した戦士たちが陣形を組む。投石機付きの車両が戦線に引き出され、機械鎧の者たちはその投石機に岩と爆薬を次々と運び込み、素早く装填を行った。さらに彼らの一部が、機械鎧自身に搭載された射出装置で岩の塊を飛ばし、巨兵の装甲にぶつける。
「…駄目だ! 見えない壁みたいなものが…うわぁっ!!」
しかし、三本足の機械に近づいた岩や爆弾は、見えない壁らしきものに阻まれてしまう。
「バリアシステムって奴か!? 古代遺跡でそういうものに遭遇したという記録はあるが…」
「ひるむな! なんとしてでもここで倒すんだ!」
機械兵器の身を包む目に見えないバリアが全ての攻撃を弾き、逆に赤い目のような部分から発射される光線で、機械鎧や投石機付き車両が次々と破壊される。
しかし、冒険者たちは焦りはするものの、勇敢に攻撃を続ける。
…そこで、機械鎧部隊の一人がふと、巨兵の足元に舞い上がる土煙がそのまま流れているのに気づいた。
「…おい、足元だ! あれを見ろ、煙が普通に流れてる! ……あそこだけバリアがねぇ!」
それを聞くと、他の冒険者たちが機械兵器の足元を見る。
「本当だ…!」
「目標は敵の足元だ! 地面ごとぶっ飛ばせ!」
ウォォォォ!! と、投擲に参加していた冒険者たちが雄叫びを上げ、攻撃が殺到した。
機械兵器たちは光線を放ち攻撃を続けるが、足元に爆弾が落ちると、爆発が地面を抉り、その衝撃でバランスを崩す。
更にそこへ岩石の投擲も加わり、上手く足元へ転がり込んだ岩が、足の一本にぶつかり、バランスを崩すことに成功する。
と、その敵の足元へ今度は爆弾が着弾し、横転させた!
もしも攻撃が上手くいかなかった場合、機械鎧の決死隊が足元に取り付いて爆弾を設置する手はずになっていたが…その必要はなかった。
二体目の巨兵も同様に、足元を狙った爆撃で倒されたのだ。
すぐさま、セリルは倒れた機械兵器に近づきコクピットをこじ開けると、中には、予想通りかつて戦った異形の生物——火星人が乗っていた。今回、彼らは防護服を着ていない。先程の放送で言っていたように、地上の病原菌を克服したからだろう。その蛸を人に近いサイズまで引き伸ばしたかのような火星人は、明らかに焦燥の色を浮かべていた。
「動くな!」
機械鎧の冒険者が銃を向けるが、火星人は素早く銃を引き寄せ乱射する。
『猿ドモ ガ! ワレハ 誇リ高キ ウラーニ家 ガ 末裔デアルゾ!』
冒険者たちは身をかわし、すぐさまセリルをはじめ何人もの冒険者が、対火星人用の銃弾を撃ち込む。
何発もの銃弾に触手や頭部を撃ち抜かれ、火星人は倒れ込み、ピクピクと動き…やがて、動かなくなった。
しかし、もう一体の巨兵に乗っていた別の火星人は銃を乱射しながらコクピットを飛び出し、追撃をかわしながら円盤の方へと駆け出した。
『ワレラ 誇リアル カヴォリス家 ノ 末裔ガ 猿ナド ニ…』
「逃がすな!」
冒険者たちが追おうとしたものの、火星人は円盤の扉に飛び込み、直後、入り口は固く閉じられる。
そして円盤は浮上し、空高く逃げるように飛び上がった。
…空高く逃げる円盤を目で追う事しか出来ず、セリルたちが追撃をあきらめかけたその時…
その空に、暗雲のような影が広がる。
見渡す限り、空に無数の―――新たな円盤部隊が現れたのだ。
彼らは円盤を取り囲むように集まると…次の瞬間、円盤部隊からいくつもの光の輪が放たれ、その火星人の円盤を締め上げた。
次いで、無線機が彼らからの通信を受信する。
彼らも翻訳機を使っているようで、平坦な声が流れ出す。
『捕獲対象 確認。捕獲 完了。違法活動 ヲ 行 ウ 者 ハ、拘束 シタ』
『挨拶 ガ 遅レタ。コンニチハ。
ワレワレ ハ、貴方達 ノ 言葉 デ 言ウトコロノ、警察組織 デ アル』
『対象 ハ、我々 ノ 領域外 ニ 侵入、知的生命体 ヲ 殺害、違法採掘 ヲ オコナオウトシタ 犯罪者。
カツテ ハ セリナイト家 カヴォリス家 ウラーニ家 トイウ 貴族 ノ 血筋 デ アッタ ガ…
現在 ハ、ソチラ ノ 言語 デ イウトコロ ノ 「没落貴族」 デ アリ、「進入禁止地域 デ 違法行為 ヲ 行ウ 密猟者」 ニ 相当 スル』
その場にいた人々があっけにとられる中、真っ先に動いたのは、ラジオ中継を行っていたアナウンサーだった。
「あぁーっと! 聞こえましたでしょうかラジオの前の皆さま!!
なんとあの、空を覆い尽くす無数の円盤は敵ではなく、味方のようです!
あの円盤たちの正体は、敵かと思われた彼らの存在は!
どうやら、密猟者を取り締まりに来た、警察組織のようなもののようです!!」
アナウンサーのおかげで少しづつ冷静さを取り戻していく冒険者や観客たち。そこへ平坦な声が、まだ続く。
『コノ 星 ノ 資源 ハ、非常 ニ 貴重 ナ モノバカリ デ アル。
友好 ヲ 結 ブ 意思 モ アッタ ガ、既 ニ 犯罪者 ガ 干渉 シテイタ 以上、我々 ハ 当面、貴殿 ラ トノ 接触 ヲ 断 ツ 方針 デアル』
そう告げると、上昇を開始する円盤部隊。その言葉に、誰もが言葉を失いかけたその時——セリルの声が空に響いた。
「敵対しないってんなら、こっちも拒む理由はない! いつか、また来たときには、友好を結ぼうじゃないか!」
円盤の上昇が止まる。そして、しばしの沈黙。
数秒後、円盤から届いた言葉はひとつ。
『アリガトウ イツカ マタ』
やがて、円盤部隊は、光る輪で締め付けられた円盤を、まるで見えない紐で引っ張るかのように、空の彼方へと消え去っていった——。
静寂の戻った地上。セリルは、深く息をつく。
「……後始末は、まだ残ってる。でも……」
空にはもう、何もいなかった。先程までの光景が嘘のように。
だが、遠くでレース再開の協議が行われているのが見える。あれは夢ではなかった。
…つまり、12年前からの因縁は、終わったのだと気づいた。
「……とにかく早く帰って、フラーグムの入れたコーヒーが飲みてぇ…」
そう呟いて、セリルは大の字に倒れた。
「終わったぁ~…」
※ この作品は、アークライト様のアナログゲーム「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作です。
イベントや世界観の発想など、「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作であることには間違いありません。
また、この作品はChatGPTを用いて文章を書き、修正・加筆を手作業で行っています。
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.