投稿速度がナメクジになりつつありますが、ご容赦ください…。
あとクルスタの方で真覚醒魔王とかいう3次元に堕ちた神を一方的にボッコボコに出来るのが出てきましたが、一応憑依サーシャの並行世界能力でも扱えます。ただしヴィーナスエクスカリバーノヴァのさらに上の代償を払う事になります。具体的には存在が砕け散ります。蘇生不可です。
前回のあらすじ
お前の復讐台無しにしたったわ(笑)
Side ライト 1人称
奈落 玉座の間
みんなが一斉に攻撃を仕掛ける。
僕はエリーのサポートとカードで何とか普通に動ける状態だ。
「
依然としてあの真っ白な存在にはヴィーナスエクスカリバーノヴァ以外で手傷を負わせられなかった。
100%は何故か届かなかったが、恐らく見えないだけでダメージそのものは入っている。
しかしグングニール2段階目ではあの厄介なバリアを破れない…。
だが、アヴニール自身が扱う魔法はどうだ?
ナズナが死を覚悟する程の魔法。
未来で扱う事が出来るというその魔法は、一体何年先の、
そして、そんな魔法を集めてぶつけたら…あのバリアを一時的に破る事が可能かもしれない。
「カオス!バフ込みでどれくらい吸収出来る!?」
答えは代わりにエリーから帰ってきた。カオスは少し不満そうだった。
【グングニール2段階目を1とするなら10はいけますわ!最も、これはわたくしの魔導書10冊によるサポート込みで成せる技ですので、あまり過信しないようにしてくださいまし!】
エリーの魔導書は色々変わった。魔法どころか魔法的な固有能力すらバフ出来るようになったのだ。
いつもならエリーに魔導書をつけた方が全然強い事もあってそんな事は教室を開くか検証の時以外そんな事はしないのだが、アヴニールの攻撃の性質上、カオスと非常に相性が良い。
そしてバリアを破ったら…デバフを徹底的に仕掛ける。カードによるあらゆるデバフ、スズの特化型のデバフ。
そしてアオユキの召喚顕現で最も強力で凶悪なデバフを付けて、何も出来ない状態を作り出す。
防御0の状態で総攻撃をすれば、あいつは多分死ぬ。
本当なら地獄を味合わせないと気が済まないが、そんな事を狙えるほど弱い相手じゃない。
「グングニール完全解除強制終了コード!『
グングニールの封印を元に戻し、また2段階目を解放する。
「うん、賢明な判断だ。思惑は分かってるけど…せっかくだ。乗ってやろう!」
そう言い切った瞬間。
全てを焼き溶かす炎球が。
炎球と一緒に爆発を起こしながら迫ってくる冷気が。
空間ごと貫く弾丸が。
天井から降ってくる光弾が。
アヴニールの白い体から溢れ出る純黒が。
最初に確認出来たのはそれくらいで、魔法の嵐の最中で混ざりに混ざった魔法達を個別に認識する事など
到底不可能だった。
轟音が鳴っているのに静かに感じる。
空間が無数に別たれている。
熱いのに凍え死にそうだ。
矛盾という言葉の例えが全て集まった混沌の空間にて、仲間の居場所すら把握出来ずにただ圧倒される。
一応オルカとカードのバフがあるからまだ耐えられるけど、それですらギリギリだ。
【総員!カオスの魔法チャージが完了致しましたわ!これから2カウントで合図致しますので、それまでにライト様の場所まで転移するように!】
早すぎる。溜まるのが早い事に越した事はないが、エリーの魔導書込みで容量を広げたカオスが1秒足らずで満タン?冗談みたいな嵐だ。
防御系カードを何十枚も解放する。
目の前にカラフルで薄い、しかし頑丈さを感じさせるシールドが何個も展開された。
多重に展開されたシールドが、混沌を少しだけ凌ぐ。エリーのカウント終了まで間に合うだろう。
【2!】
最初にエリーが転移してきた。
いつもの服がボロボロになっていたが、特に目立った傷は無い。
即座に魔法の代理詠唱を魔導書にさせ、複数個の魔法を展開する。
そして続々と仲間達が僕が展開したシールドの中に集まってくる。カオスの姿はまだ見えない。
【1!】
シールドにヒビが入り、何枚か破られる。早く…!
そしてようやくカオスがやってくる。
10冊の光り輝く魔導書と共にやってきたカオスは、膨大過ぎる量の魔法が込められた腕は白と黒が渦巻き、まさにカオスに相応しい状態になっていた。
カウント終了直前に、ゴールドが仁王立ちし、カオスが突撃の構えを取り、スズもあらゆる弾丸を発射する用意を整え、アオユキもすでに召喚顕現を完了し、オルカも効果時間が一瞬の超高効果バフを撒こうとする。
それ以外にも、バリアを破った時に最適な攻撃が出来るように準備を整え、タンクになれる者は全員前で防御姿勢をとっていた。少しでも攻撃を凌いでアヴニールのバリアに攻撃を届かせようとしたいのだ。
僕はそれを見て絶対に届かせると決意し、カウント終了を待つ。
【0!】
「総員!往け!」
最初にバリアを破ったのは僕のグングニールだった。即座に魔法の嵐がバリアに阻まれていたエリアを全て飲み込もうとするが、それをゴールドとメラとナズナの分身とジャックなどのタンクになれる仲間達が防ぐ。
前に進むのは安定した出力を出せる僕のグングニールの役目だ。進む方角は確認した。
エリーがこの嵐のさなかでもアヴニールの場所を特定していた。
そこに向かって直進する…!
【発射用意!】
後ろの方にいるエリーから念話が入る。
あまりの音の大きさに、念話でもないと至近距離でも聞こえないのだ。
その言葉を合図に、僕は槍を構える。
「
そして、転移するのと同時にグングニールを全力で投擲した。
最初にバリアに到達したのはグングニールだった。グングニールはアヴニールと比べると弱いとはいえそれでも並大抵の魔法には負けない。その並大抵の魔法がほぼないのが問題だったのだが、バフのおかげでバリアを破るための一本道は出来上がった。
その次に到達したのはカオスが吸収した魔法を解放した上で2枚のあるカードを使って4倍の威力に増した一撃だった。
アネリアが僕の意図を把握してからカオスに渡したカードは、『SUR
その効果は、『魔法であるならどんな物であろうと2倍にして反射出来る』という物だ。
しかし残念ながら上限を過ぎると一回で壊れるという制限は付いているが、一回でも確実に反射出来るなら十分過ぎる。
カオスはこれで放出した魔法を自分で反射し、結果的にグングニール2段階目の40倍という恐ろしい火力を叩き出すに至った。
そんな全てを消し飛ばしかねない一撃が、ビームとなってアヴニールに襲いかかる…!
アヴニールのバリアに着弾した瞬間、あまりの衝撃で魔法の嵐が完全に晴れた。
アヴニールは少し迷ったような表情をしていた。
そして、少しの拮抗の末に、アヴニールのバリアは破壊された。
「破壊出来た!今だ!!
またしてもグングニールを投擲。それと同時にデバフ系カードを時間を止めて同時に掛け、出来るだけ仲間を妨害しないように攻撃系のカードも仕掛けておく。
次にバリアを貼られるのがいつか分からないから、出来るだけ攻撃を仕掛ける。
時間停止が解除される。
スズの弾丸が今までに見た事がない速度で飛ぶ。
アオユキがこの世に存在する状態異常全てを付与する最強のデバフコンボ『桃色の爪』を両手に握り、スズの弾丸と同じかそれ以上の速度で飛ぶ。
そして、スズの弾丸が、アオユキの爪が、僕のデバフカードが届く前に────────
意識はある。しかし動けない。力を込める意志を込めても、体が何一つ反応してくれない。
どれだけ殺意を込めても、目の前の存在に殺気をぶつけようとしても、顔の筋肉どころか、眼球一つ動かない。
正面を向き、背中を向いているアヴニールがいたはずなのに、いつのまにか目の前で椅子に座るアヴニールがいた。
その歩みは、ただ。
毎日が充実した人の、朝のルーティンでもこなすかのような足取りだった。
椅子に座ったアヴニールが語る。
「よくもまあ、ここまで出来るものだね。私の目的を分かっているのかい?君が、担い手になる事が私の目標なんだ。バリアが突破されそうになった時は、何人か始末しようかな、って思ってたけど…」
何が始末だ。僕の仲間を道具みたいに呼びやがって。
仲間を犠牲にしなきゃ担い手になれないなら、一生そんなものにならなくてもいい。
「
必要無い?
どういう事だ?
「君の
表向きは…?
混ざった不純物…サーシャさんの事か?
人の家族を不純物だと?お前はどこまでも僕の怒りを買うつもりなんだ…!
「君の
僕の恩恵は…この世界のアカシックレコード的な場所から選ばれて、恩恵の力でカード化してるという仮説をエリーが前に建ててたけど…違うのか?
「まあ答えられないから答えてあげるけど、正解は、
終焉を迎えた並行世界から…?
じゃあナズナも、アオユキも、並行世界から呼び寄せたっていうのか…?
しかしそれがもっといい方法にどう繋がるんだ…?
「さて、前置きは終了。仲間はかつてライト君に仕えてた世界線の奴を恩恵パワーで弄ったりしてるとかそういうのもあるけど、そういうのは置いといて。本題に入ろう。
もっと良い方法についてだ。私の能力が概念的物の貸し借りである事は分かっているよね?」
分かっている。借りれる数に制限がないから、あんな魔法の嵐を起こせたんだろう。
あんな物をぶつけられて分からない奴はこの奈落にいない。いたとしてもわかるように導くだけだ。
「貸し借りって事はさ、当然、
…!
まさか!辞めろ!僕の…僕の仲間を!
ここまで一緒にやってきたんだ!!どうしてお前に、よりにもよってお前に!
「君の恩恵は、並行世界から借りてくる。つまり…私の返却の対象だ。今までに借りてきた分…全部、これまで3年分無限ガチャから排出されたカード、グングニールを除いた全てを…」
辞めろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
「『返却しよう』」
そう宣言した瞬間。
時間は動き出した。
アヴニールはただ、僕を見つめていた。
返却が始まった。
アオユキがカードになって何処かに飛んでいった。
メイが、ナズナが、カオスが、オルカが、スズが、アイスヒートが、メラが、ジャックが、ゴールドが、ネムムが、アネリアが、アルスが、アーミラが、ウルシュが、フェンリルが。
全員が、儚い光の線を引いて何処かに飛んでいく。後ろからも、前からも、妖精メイドのみんながカードになって何処かに帰っていく。
エリーのカードは見えなかった。しかし何処かに帰っていくのが見えた。
僕はその光景を、美しいと思ってしまった。
仲間を失っているのに。
その光景を、ただ僕は…眺めることしか出来なかった。
頬を伝う何かの事など気付かずに。
ただ…喪失感に。痛みに。
「ここまでの大規模な返却は、流石に初めてだな。………?」
その時の僕は気付いていなかったけど。
アヴニールはこの時だけ『泡沫』を疑うような目で見つめていた。
Side サーシャ 1人称
奈落 玉座の間
奈落のみんながカードになっていくのを見て、私は失敗したと思った。
私もあの場にいれば。
私も戦いに参戦出来てれば。
こうはならなかったはずなのに。
私が玉座の間に転移した時、残されていたのは、ただ茫然と立ち尽くすライト君と、アヴニールだった。
「アヴニール!お前…」
「………」
「…ダメか。大きな傷は付けたはずなんだけどな…」
「お前は一体…何がしたいんだよ!!」
それは私の疑問であり、奈落の一員としての怒りだ。
こんな事をされる程奈落は世界に酷い事をしたのか?
いや、していない。
人間の地位を上げるという目的に沿って、その膨大すぎる暴力を振るう事もあまり無く、健全に国を築いてきた。
なのに何故こんな事をする?
「言っただろう。混沌の担い手を作りたいだけだ。そのために、多少の犠牲は必要なだけ。世界が滅ぶよりはマシだろう?」
その言葉で血管が千切れそうになる程の怒りが湧いてきたが、コイツを相手に何が出来る?
倒せそうな手段はあるが、それを使ってしまったら…ライト君は家族をまた失う事になるだろう。
だから何も出来ない。仇に対して何も出来ない無力感。
ただ事実としてそこにある絶望が、そこにあった。
「ふーん…?もう少し練り直すか。そうだね…1ヶ月以内。最低でも1ヶ月以内には再来すると約束しよう。それまでには、もう少しそれをまともに扱えるようになるといい」
止められない。
ライト君の頬を伝う涙のように。アヴニールが逃げるのを止められない。
この日…私たちは、初めての完全敗北を喫する事になった…。
ダイゴ戦終了回の後書きで言ったと思うんですけど、この章でエリーの深掘りしますって言ったじゃないですか。
そのエリーがどっかいっちゃったんですけど、どういう事ですか!?
ええ、大丈夫です。打ち切りじゃないです。ちゃんと連載ルートです。
打ち切りだったらサーシャもライトも死んでるので。
次回から再起です。ここから落ちる事はありません。