前回のあらすじ
帰省したら政府から依頼受けて表向きのパーティのリーダー決めた
リーダーを決め、何とかハッタリを通す事が通す事が出来た私は、ライトという人間を探していた。私以外満場一致で「サーシャが勧誘に行け」というものだから、自分が勧誘に行くしかなかったのだ。確か召集の手紙には「『ますたー』候補、ライトの特徴は─────」黒髪で、自分達より小さい。黒い目をしている……あっいた。とりあえず話しかけよう。
「ねえ、そこの少年」
突然話しかけられてびっくりしたのか
「うわあひゃい!?」
などと素っ頓狂な声を上げた。かわいい。*1
「ああ失礼しました…なんですか?」
「このクエストに困ってるように見えたから。出来れば手伝って上げるよ?」
「えっと…いいんですか…?」
私が優しく肯定すると、ライト君は自分が今やってるクエストの詳細を話し始める。
ライト君が今受けているクエストは、F級には珍しい日数がかかるクエストだったのだ。勧誘の成功を確信した私は、そのクエストを数時間でクリアしたのち、こう勧誘した。
「ねえ、ライト君」
「なんですか?」
「私たちのパーティに来る気はない?」
「えっ」
クエストをこなしている最中にライト君がなぜ冒険者になろうとしたのかの理由は聞いておいたので、
「私たちはあなたの事大歓迎だよ?」最後に、
「お母さん達のこと、楽させて上げたいよね?」
と付け加えた。
結果的に勧誘には成功したが私に罪悪感が残る結果となってしまった。
(親の弱みを利用するなんて…最低だ。私)
こうして『ますたー』候補監視グループ「種族の集い」は正式に結成されたのである。
宿屋に帰った後「遅い」と言われた。
2年後
今日で種族の集いが結成されてから2年が経過する。
あの日から綻び…つまり、ライト君がこのパーティが結成された真の理由に勘づくという事態は起こらなかった。
ライト君が持っている
私はこの子が本当に『ますたー』なのか疑わしくなってきたが、他に監視の目がある以上、表立って『無限ガチャ』の検証はできない。
ライト君が『ますたー』であると証明してしまえば…豪華な暮らし?強大な権力?あり得ないだろう。エルフ女王国に預かるならまず人間を奴隷にしているシステムを廃止にして、代わりのシステムを作るべきだろう。
ライト君は人間差別を嫌っている。そんなライト君が人間差別の権化たる女王国に預けられたらどうなる?
反逆→エルフ国滅亡→世界侵略か、
反逆→ライト君死亡→一族郎党皆殺し
のどちらかだ。じゃあエルフ国に預けなければいいじゃんとなるかもしれないが、エルフ国が考えている『ますたー』はエルフ大好き人間である。
こうなると高確率でエルフ女王国に送られるだろう。
一方で『ますたー』ではないと証明された場合?始末しろって言われてる。こんな子供をだ。
詰んでいると思うかもしれないが、今あるこの現実は、2択だけではない。第3、第4の選択肢がある。
1.ライト君が『ますたー』である事を証明し、世界侵略か一族郎党皆殺しルート
2.ライト君が『ますたー』である事を証明せず、始末する。
3.『種族の集い』を裏切りライト君とその家族を保護する。この場合冒険者としての地位を失う。
4.『種族の集い』を裏切りライト君の恩恵を利用して何処かに隠居する。この場合ライト君が事実上家族を失う事になってしまう。冒険者の地位も失う。
私は『無限ガチャ』が強いと信じている。信じるしかない。
ライト君が『無限ガチャ』を使用する時、周辺の魔力をそのボタンに吸収されている現象を確認しているからだ。
この事実は誰にも共有していない。
ライト君も知らない*2。
しかしその現象が齎すものがなんなのかは不明な関係上とにかく魔力を吸わせてみるしかない。*3
そう考えた私は、魔力で満ち溢れている場所……つまり『奈落』にパーティメンバーを行かせるよう誘導した。結果として誘導は成功し、『奈落』までくる事が出来た。
問題は奈落でライト君以外で集まった時の会議である。
リーダーであるドラゴが、「あの
私はその日、ライト君の運命を決定付ける選択をしなければならないのだ。
翌日
奈落の中層に突入するタイミングで、ドラゴが言った。
「ライト……オマエをパーティーから追放する」
「……えっ?」
「!!!!(よりにもよってこのタイミングか!)」
私は悩む。私はどの選択を取るべきなのか。
昨日の晩から悩んでも答えが出ない。
だが、答えを出さねければ強制的に選択肢2になる。それは避けたい。
自分が悩んでいる最中にもライト君は圧倒的に格上の手加減されているとはいえ凄まじい威力の蹴りを喰らっていた。
罵詈雑言が投げかけられている。
事実を告げられて絶望している。
私が取るべき選択肢は……!
私は、
「どういう事だ?サーシャ?」
ドスの聞いた声で私に話しかけるパーティメンバー…いや、
「どういうも、何も無いわ。パーティから抜け出すのは、ライト君だけじゃ無いっていう話よ。
私もこのパーティから脱退する」
つまり、
「ライト君は私が貰っていく」
後ろから「サーシャさん…!」と希望を見つけたような声で私の名前を呼ぶライト君。
この戦場における優先順位を設定する。
1.ライト君を連れてその場から逃げ出す。
2.逃亡不可なら全員殺す。
3.最低でもライト君だけは生かして地上に返す。
この目標を設定した私は戦闘体制を整えた元パーティメンバー達と共鳴武器を構え向き合うのだった。
Q2年間何してたの?
Aパーティとして普通に活動していました。しかし実力者が集まっているだけあってすぐに有名になり、収入も1人で活動してた頃よりも増えました。しかし自分の収入の半分はライト君の家族に仕送りとして送っていたため少々金欠気味になる場面もありました。
Q堅実にやってた憑依サーシャがよくこんなギャンブルに出たね?
A無意識に“ライト君を見捨てるのは論外“という思考をしていたため、最終的には『種族の集い』を裏切るしかありませんでした。