転生したらざまぁされるエルフになっていた件   作:琥珀

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初めて感想がついててすごい嬉しい…
奈落最下層に飛ばされます。
前回のあらすじ
パーティメンバー裏切ってライト君守った


Q.奈落に落とされました。どうすれば脱出出来ますか?A.ダンジョンコアを解析しましょう。
Q.想定外の事態が起きた場合どうすれば良いですか?A.高度な柔軟性は持たなくても良いので、とりあえず出来る事をしてください。


共鳴武器を構え戦闘体制に入る私。そして向き合うは同じくいつでも戦闘出来る体制になっている元パーティメンバー達。

(最善はこの場から2人とも逃げ出す事)

(クソっ…よりにもよってこいつか…!総がかりでも殺せるかどうか怪しいぞ…!)*1

じりじりと後ろに下がっていく私。しかし元パーティメンバー達は近づいて来ない。

警戒されている…。しかし好都合だ。この『奈落』のだだっ広い空間は逃げるスペースに満ち溢れている。

両者共に睨み合って動かない。当然だろう。

相手は当たれば一撃必殺の変形自由の透明な武器持ちだ。慎重になるのも無理はない。

相手は向こうから近づいて来るのを待っているのか全然掛かってこない。膠着状態だ。

この膠着状態が終わったのは、私が突然ライト君を抱えて後ろに走り出したからである。*2

「!?」

「逃げた!?」

「言ってる場合か!追うぞ!」

(さて、)

私は後ろを見る。この速度だと…追いつかれるのに5分か。

(早いな…)

対処は可能。逃亡不可と看做して皆殺しか?

そんな事を考えながら走る私。ライト君は訳が分からないみたいな表情と苦しそうな表情が入れ替わってる。

そして奈落の上の階に登る階段を視認した。

私は勿論そこに向かって真っ直ぐ進んだ。

()()()()()()()()

私は踏みしめた足が少し不自然に沈んだ気がした。

それは気のせいではなく、ダンジョントラップである。

押してしまったスイッチを中心に光り始め─────

気付けば私は、『奈落』の何処かとしか言えない場所に居たのである。

片腕にライト君も添えて。

 

 

 

 

(間違いなくこの状況はヤバい)

自分自身の経験にはないが、とにかく絶体絶命の危機である事はわかる。

そう思った私は、片腕に抱えていたライト君を楽な姿勢にさせる。

……気配を感じる。それは人のものではなく、明らかに(モンスター)の類いだった。

「サーシャ……さん…」

「大丈夫よ。私達は絶対に生きて地上に帰るから」

そうはいうものの、ここが何処か分からない。

最下層かもしれないし、もしかしたら最上層の未探索の何処かかもしれない。

そんな希望は、やってきたモンスターのレベルが、希望(上層である事)を否定していた。

体長10mの4足の…トカゲ?が私たちを睨んだ。

そのモンスターのレベルは1000…。

ライト君はそのモンスターがレベル1000である事を知りパニックになっている。

サーシャさん逃げて、勝てる訳ない、とか、僕を置いて逃げて、とか言っている。

この状況でも他人を気遣えるのか…優しいな。

「ライト君、」

私は、そのモンスターの動きに合わせ、鎌を振るった。

「無限ガチャ、使える?」

透明で巨大なデスサイスに1秒も触れてしまった哀れな巨大トカゲは呆気なく爆散した。

驚愕の表情を浮かべるライト君。それはそれとして無限ガチャを引いている。

「ライト君、なんか良いもの出た?」

「レベル1000のモンスターを一瞬で…凄い…じゃなくて、なんか、普段じゃ絶対にあり得ないような良いものが出てる…?」

(やっぱりか。魔力を多量に吸わせたら、より良いものが出て来る。良い方の仮説が当たった。よし!)

その良いものとは、身体能力強化、消音、パン(カビてないし白パン)即時回復、持続回復…

いやスゴ。地上にいた頃と変わり過ぎでしょ。

「ライト君。消音の方、使える?」

「う、うん…使ってみる…ええっと…『消音』!」

シーン………

「…………」

「…………」

私たちに沈黙が流れる。消音って絶対そういう事じゃない。

「えっと、サイレントって読んでみたら…?」

ライト君は恥ずかしくなったのかすぐに

「『消音(サイレント)』!」

そういうとカードは光の粒子となって消滅し、効果が発動したのか風の流れ一つも聞こえなくなった。

「おお…これが無限ガチャの力…」

そう言ったのはどっちだろうか。

ハズレだと思っていた恩恵の強さに感動したライト君か。

人生最大の賭けに成功した事を確信して喜んでいる私か。

あるいは両方か…。

 

 

数日後

 

 

あれから私達は『無限ガチャ』から出て来る食べ物やキャンプセットなどを使って意外と普通のダンジョン攻略みたいな事をしていた。敵のレベルが異常に高い事を除けば。

1500とか普通に出て来る。

あいつらの攻撃当たったら一撃必殺なんだよ?

普通レベル差900は絶望どころじゃなく遭遇したらその場で膝を突き両手を合わせ、信じている神に祈るくらいしかないレベルなんだよ?私はとても強いからなんとかなってるけども…。

*3というかレベルって獣だと絶対の指標だけど人だとそんな事ないよね。基礎スペックだけ上がるというか。*4

「ライト君。なんか良いもの出た?」

あれからライト君には出来る限り多く無限ガチャを引いて貰っている。

「出ましたよ!ええっと…『SSSR/血吸いの妖刀 死結(しけつ)』?」

「ライト君。絶対に曰く付きよ。それ」

私は出すのを止めようとするが、名前を呼んでしまったのが悪いのか、それとも妖刀が意識を持っていたのかは分からないが…。勝手に出て来た。

しかもライト君の右腕…利き腕の方に勝手に装着されていた。

「……どう、します?」

「血吸いとは言っても…敵の血を綴るとかそういう意味かも知れないし…でも楽観的な考えはダメだな…」

この数日で貯めた回復系のカードがある事を踏まえて、私は…

「即死さえしなければセーフ…かな?でも、回復系のカードいつでも解放出来るようにしといてね?」

「分かりました!」

(レベル1000のモンスターは恐ろしいけど…攻撃されそうになったらサーシャさんが倒してくれるはず!)

(攻撃されそうになったら倒すか…)

そう元気に言ったライト君は私と一緒にモンスターの近くまで行った。

「一応、攻撃されそうになったら私が倒すから。いつでもそれが出来る位置でスタンバイしとくわね」ライト君は頷くと、唐突に刀が光出した。

*5

「うん…行ける!」そう言ってライト君はモンスターの近くまで走り出した。

当然、モンスターの方も気付く。しかし先に動き出したのはライト君だった。

レベル16とは思えない俊敏な動きで刀を何回も振るった…らしい。早過ぎて見えなかった。

モンスターは攻撃直前の体制のまま固まり、そしてブロック状に崩れて消滅した。

(!?!?今何したんだ自分!?斬った?あのモンスターを?)

(見えなかった…)

何が起きたのか自分でも分からない顔をしているライト君に近づいて顔色を見る。

……問題は…あるな。明らかに顔色が悪い。

「ライト君。ステータス見せて?」

「は…はい…」

ライト君がステータス画面を表示させると、レベルの欄が585と表示されていた。

即時回復のカードを使いライト君を治療すると、顔色は良くなって来た。

「レベルがすごい上がってる…って人種(ヒューマン)の限界レベルは100じゃなかったの!?」

「あっ…ほんとだ」

人間の限界を明らかに超えている。どういう事だ…?

これは後回しにして、妖刀の事だ。

「ライト君。それはそれとしてその妖刀は今後使用禁止ね」

「うん…まあそうだよね…」(こんなの振り回してたらレベルが上がるより早く死んじゃう…)

私たちが今日得た教訓は、

「『無限ガチャ』から出てくるものは、必ずしも有益なものばかりでは無い」

という事だ。*6

「『SSR/武器封印』」カードを使って武器を封印する。妖刀は鎖に巻かれその光っていた刀身の輝きは消え失せた。

 

 

更に数日後

 

 

そのカードが出たのは妖刀事件より数日後だった。

時間感覚は『SR/原子時計』でダンジョン内であっても平常なままとなっている。

妖刀事件でレベルが上がったライト君もモンスター狩りに参加して、今やレベルも私の4倍以上の2500となっている。

もうライト君は攻撃を喰らってもなんともない。むしろ私の方が危険なくらいだ。

閑話休題。

そのカードは『USR/探求者メイドのメイ レベル9999』と表示されていた。

「凄いよサーシャさん!レベル9999の仲間だよ!」

ライト君は大はしゃぎしてすぐにでも召喚しようとしていた。

「待って。妖刀事件を忘れたの?」

「ッ!すみません…」

ライト君は教訓を思い出したようですぐに落ち着いた。

『無限ガチャ』から出てくる物は、必ずしも有益なものばかりでは無い。

そのカードを使い召喚しても、一度倒さないと仲間にならないシステムかも知れない。*7

そしてそのシステムだと、私は…

「ライト君。これがもし、一度倒さないと仲間にならないシステムだった場合…私はなす術なく死ぬわ。レベル9999なんて…それこそ基礎スペックの暴力で押し潰される」

私とて最強じゃない。レベル差がありすぎると、私がどんな小細工をしても意味がない。

ライト君も戦闘技術というか格上に勝つ手段が『無限ガチャ』でメタ張って封殺するくらいしか無い。それもすごい強いけど。

つまりは一度倒さないといけないシステム…調伏って呼ぼう。

調伏が必要だった場合、私もライト君もなす術なく死ぬ。

しかも最悪な事にこのカードは二つ名と写真、名前から全くもって攻撃手段が分からない。

この事をライト君に説明すると────

「分かりました。このカードは保持すべき、ですね」

「うん、そうしよう。」

そのカードを召喚するのは非常時か確実に倒せる場合にしか召喚しない。そう2人で約束するのだった。

*1
ガルーの思考。

*2
この時点で武器はもう既に解除してる。すぐに構えられるからである。

*3
事実だがすごい傲慢。

*4
実際には魔術の看破能力、無効化、魔力増大など色々ある。サーシャのレベルが低いのに魔術が通っているのはあくまで現象を介してるから。プルプルさせるだけの魔術となんの意味のない魔術を組み合わせたらこんなに凶悪になるなんて女神も思わなかった。最後の爆発は明らかに魔術単体だが、特大防御デバフがかかっているので簡単に通る。レベルが5000を超えると複数回しないといけなくなる。

*5
この刀には意思が宿っているがサーシャ達には聞こえない。ちなみに妖刀君はライトの役に立てると思ってすごい張り切ってる。

*6
妖刀君はライトの血を吸ってライトに特大バフを齎したが、それと同時に血を吸いすぎて貧血の症状が起こっていた。

*7
別にそんな事はない。




Q憑依サーシャがトラップ踏んだ時、パーティメンバーはどう思ってたの?
A「あんなのを庇うからこうなるんだ」という嘲笑が3割、「あんなのと戦わなくてよかった」という安堵が7割です。
Q2人の目標は?
A1日目の終わりらへんでライト君は思いっきり泣いて悔しい思いを吐露しました。復讐したいとも言っていましたがそこら辺は受け流して憑依サーシャはしっかり慰めて「とりあえずここから出る」という目標を立て動くことにしてました。
Qレベル9999の仲間達はどこ?
A代償あるかも知れないのに不用意に召喚するわけないじゃ無いですか。でも次回出します。
この後は無限ガチャで出したもので生活環境を整えながら調伏出来そうなカードを当てるまで回し続けるだけなので…。
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