小学校に入学して早二年、私も二年生になりそれなりに背も体も大きくなった(それでもなのは達よりも背は若干低いのだが…)
その間特に大きなイベントはなく棒術の鍛錬や結界を張って魔法の訓練も行っていた。長期休みにはミッドに行きミゼットとお喋りしに行くこともあった。
その際何度か会っている時にミゼットから私の性別についての話になったとこがあった。
どうやらミゼットは私が男だと初めから気づいていたようで、私はとても感動した。なぜなら会う人会う人全て女性と思われていたからだ。
そのことをミゼットに話したら「その容姿じゃ間違われても仕方ないわよ」と、同情してくれた。
また、高町家では棒術の訓練をし、ミッドでの依頼で合気と柔術の訓練も行っていた。
成長速度増加もあって、現在の私の力は魔力はS-、棒術は美由紀さんには勝てるようになり今は恭弥さんと稽古をしつつ技の練習もしている。
合気と柔術については比較対象がいない為どこまで腕が上がったのか分かりにくいが、少なくとも多対1でも相手を無力化出来るようになった。
精霊の力は通常の魔法を数段階効果を上げるため、初級の魔法でも中級や程度の低い上級魔法にも打ち勝てるのだ。
勿論精霊の力はそれなりに魔力を消費するので使いすぎると魔力が枯渇してしまう。そのため連続での精霊魔法使用は自重している。
更に現在の私の学力は大学卒業レベルにミッドチルダでミッド語とベルカ語を習得し、デバイスマイスタの技術も覚え今まで出来なかったニンフのメンテもするようになった。
その際ニンフからは[神様からの特別製なのでメンテは必要有りません]と言われたが、私が「どんな状況になってもいつも万全でいてほしいから」と言って納得してもらった。
こんな感じで私の日常は過ぎていった。未だに光と闇の精霊に会うことができないのは残念だが、なにか条件が要るのだろう。
小学校での私は基本あまり目立たないようにしている、具体的には授業は普通に受けテストでは70~90点の間を取るようにしていた、
体育では周りに合わせるようにしていたが、なのはから身体能力をばらされてしまい手を抜くことが難しくなっていた。
ただ授業中はノートを取っていても比較的暇なのでマルチタスクでイメージトレーニングをしていた。
トレーニングの内容は模擬戦だったり、魔法の構築だったりと様々な事をしている。たまに食事の献立を考えてたりするが概ねのんびりしていた。
やがて二年生も終わりの頃、私はアリサとすずかと一緒に下校する時があった。
「お待たせ、アリサ、すずか」
「遅いわよ樹」
「そんなことないわよアリサちゃん」
「ごめん、HRで少し遅れた。あれ?なのはは?」
「何か用事が有って私達と一緒に帰れそうにないって」
「そっか、仕方がないね」
その後私達は軽い雑談をしながら歩く
「三年生になったら今度は樹と一緒のクラスになりたいわね」
「そうね、一年と二年は別のクラスになっちゃったし、三年は一緒になりたいね」
「うーんそればかりは先生達の気まぐれだからどうなるかな?」
ちなみになのはを含めたこの三人はまだ私が男だとは知らない、一緒のクラスになった子達は流石に知っているが、
初めて知った時の反応は様々で、男子は主にそんなバカな!とか言っていて、女子はウソー、本当に?とか言われた。
その後は普通に接してくれたけど最初は色々と言い訳が大変だった。
暫く歩いていると前方に黒塗りの車がいて、その様子に私は二人に聞いてみた。
「ねえ二人共今日は車で帰るの?」
「そんなことないわよ、鮫島には今日は歩いて帰ると言ってあるし」
「私も今日は歩きよ」
「じゃあ、あの車は?」
そんなことを言っていたら車から数人降りてきてアリサとすずか、そして私を後ろから抱え込み口にハンカチを当てると二人は気絶したようだ。
私にも同じようにハンカチを私の口に当てるが、私には効かなかった。しかしこのままだと怪しまれると思い同じように気絶したように見せかける。
男達は私達の意識が無くなったと見て車に載せろとか言っていた。その間、私はニンフと念話をしていた。
「『これって誘拐だよね、私が動けば簡単に解決するけどどうしよっか』」
[『助けが来るまで時間稼ぎをすればいいのでは?』]
「『そうなるとノームだと二人を守りきれないから速度があるジンがいいけど、このままシフトすると魔力光でバレるね』」
[『認識障害と遮音結界を小規模、同時に展開します。これならばすぐシフトして結界解除すれば気づかれません』]
「『よし頼んだニンフ』」
[『……結界展開完了です』]
「『【エレメンタル・シフトジン】』」
『樹~呼んだかい』
『ああ、多分観ていたと思うけど誘拐された、その際友達二人を守るために手が足りなくなりそうだからジンに手伝ってもらいたい』
『了解だよ樹、二人はおいらに任せておいて』
『頼んだよジン』
『任された~あぁそうだ、手の拘束は唯のロープみたいだから弱めの
『解った、ありがとう』
「『ニンフ結界解除をして』」
[『了解ですマスター……解除完了』]
結界を解除した時男の一人が此方を見ていた様だが特に気にしてはないようだった。
やがて何処かの倉庫にたどり着いたようで、男達は私達三人を持ち上げ運び出した。
「こっちだ」
私達はどうやら二階の奥にある広めの部屋に置かされた。私は置かされた時の衝撃で目が覚めたように見せ掛ける。
「っう…」
「ん?どうやら一人目が覚めたようだな」
「こ、ここはどこ?」
「嬢ちゃんよ目が覚めたところですまんが黙ってくれるか」
「え?いったい…っアリサ!すずか!」
「黙れと言ったはずだが」
男は語気を荒くし凄みを効かせる。私には効いていないが一応黙るようにした。
暫くしてアリサとすずかも目を覚ましたようで辺りを見回していた。
「二人共大丈夫?」
「樹ちゃん?ええ少し頭がふらつくけど大丈夫よ」
「私も大丈夫、それよりここは何処よ」
「全員目が覚めたようだな」
「っ、誰!?」
「アリサ落ち着いて、多分私達を誘拐した犯人達だよ」
「そういうことだ、解ったら大人しくしているんだな、さもないと」
男はポケットからナイフを取り出し
「その顔に一生消えない傷を残すことになるぜ」
そう言って不気味に笑う。
「ひっ…!」
アリサは声にならない悲鳴を上げる。
「ごめんなさい!私が謝るからアリサちゃんを許して!」
アリサの代わりに謝るすずか
「私も謝るよ」
「すずか、樹……」
「まぁ良いだろ…金髪の嬢ちゃん、そっちの二人に感謝するんだな」
「二人共ありがとう。それにごめんなさい関係のない貴女たちまで巻き込んでしまって」
「気にしないでアリサちゃん友達でしょ。それにもしかしたら巻き込んだのは私の方かもしれないし。
大丈夫、きっとお姉ちゃん達が直ぐ助けに来てくれるわ」
「すずか…そうね。きっと直ぐ助けは来るわ」
アリサとすずかは気丈に振舞っているが何時まで持つか分からない。私はニンフにサーチャーを飛ばしてもらい付近の捜索をしてもらっていた。
「『ニンフどうだい、助けらしき人影、もしくはこちらに向かっている車とかはあるかい?』」
[『今はまだ見えません、このままサーチャーを飛ばして監視を続けます』]
「『お願い』」
私とニンフが念話をしていたら男が何か言い始めた。
「ふん、化物が友情ごっこか、滑稽だな」
「!」
「何よ、化物って」
「ん?ああ失礼、知らなかったのか。クライアントからは一応黙っておくように言われているからな」
「クライアントって、あんた達は私の身代金目的で誘拐したんじゃないの?」
「そうじゃねー我々の目的はそっちのお嬢ちゃんさ、あんたら二人は巻き込まれたんだよ」
「すずかが?何でよ。言っておくけど私の家の方が裕福よ」
アリサが疑問を聞いていると、すずかが青い顔をしていた。
「すずか大丈夫?顔色が悪いよ」
「そうよどうしたの?」
「う、うん大丈夫。アリサちゃんこれ以上聞くのはやめよう?私なんだか怖いの……」
「…分かったわ」
何か隠しているのか、すずかは怯えているようだ。恐らく誘拐犯の口から出るのが怖いのだろう。
しかしアリサは続けてこうも言った。
「でもね、すずかこれだけは言わせて……私達は何があっても親友よ」
「そうだよ私だってどんなことがあっても親友だから」
「うん!ありがとう二人共」
私達は笑顔で見つめ合っていたが、誘拐犯の一人が
「おい、こっちの金髪と黒髪は犯ってもいいか?」
「はぁ?お前ロリコンかい。こんなガキ共のどこがいいんだか……」
「人の趣味ぐらいいいだろが」
「まぁいい、クライアントが来るまでまだ時間がある、だが余り犯りすぎるなよ商品価値が下がるからな」
「へへ、ありがとよ。さてと嬢ちゃんよ俺と楽しいことしようか……」
「ひっ!来ないで!変態!」
アリサに変態の魔の手が伸びる前に私はアリサの前に出た
「やめろ」
「なんだお前が相手になるのか?俺はそれでもいいぜ」
「樹!ダメ!」
「親友が危ない目に会いそうになってるのに、手を拱いていたんじゃ親友としてダメだしね」
『ジン鎌鼬で拘束を切って』
『ほいほーい、それ』
私はジンの力で鎌鼬を発生させ手足の拘束を切った
「な!貴様どうやって拘束を外した!」
「これぐらいどうってことないよ、それに説明するわけないじゃないか」
[『マスター報告です。此方に向かっている人影を発見しました。恐らく後数分で着くと思われます』]
「『了解、じゃあそれまで時間稼ぎといきますか』」
私は戦いに向けて気持ちを落ち着かせた
第10話終了です
次回初めての戦闘描写になるかも?