月村家から帰ってから次の日
「ニンフ結界を張って、規模はこの家の敷地全体を包むようにね」
[了解ですマスター……結界展開完了です]
「ありがとうニンフ」
[これくらいは問題ないです、それよりどうしましたか?いつもの鍛錬の時間より早いですが]
「ん?あぁ月村家で顕れた闇と光の精霊に会ってみようかとね」
[なるほどそうでしたか]
「よしやるか『……聞こえてるかな?みんな』」
『聞こえてるぜ樹、要件は、まぁあの二人だよな』
『話が早くて助かるよ、二人に会うことは出来るかい?』
『んーそれなんだけどな、ん……そうか直接会うそうだ』
『直接?月村家の時のように顕現するのかい?』
『そう言う事だ、主よ力を少し使わせてもらうぞ』
そう宣言された後、私の魔力が消費され目の前に闇が集まり始める。
『初めましてだな主よ、我は闇の精霊【シェイド】だ』
「初めまして櫛灘樹だよ、光の精霊は?」
『直ぐに来る』
そう言った直後、また私の魔力が消費されシェイドの横に光が集まる。
『やぁ樹、初めまして光の精霊【ウィル・オ・ウィスプ】だよ、長いから普段は【ウィスプ】でいいからね』
「初めまして樹だよ、二人共こうして会えて嬉しいよ」
[この存在が精霊ですか…]
「あ、そうかニンフは初めてになるよね、このネックレスは私のデバイス【ニンフ】だよ」
[初めましてマスターのデバイスの【ニンフ】です]
『うむ、いつも主を守ってくれて感謝している』
『樹の内から見ていたよ、いつも助けてくれてありがとうね』
[いえ、マスターのデバイスとして当然のことです]
「みんな挨拶はそのくらいで、でね私はシェイドとウィスプに聞きたいんだ。なぜ月村家の時に顕われたんだい?」
『うむ、それなのだが現在の主の力なら我とウィスプの力も使いこなせるようになっておる。
その為ウィスプと相談し4月の時点で我々から姿を顕すつもりでいたのだ』
『だけどその矢先の誘拐事件さ、正直誘拐自体は何も不安はなかった、樹なら簡単に解決できると信じていたからね』
『だが問題は解決後だった、主も聞いただろうが忍といったか、あやつは魔眼の力を持ち他人を操り記憶の操作も出来る。
何もしなければ我らも干渉しなかったのだがな、主に危機が迫ったためやもえずに顕れたのだ』
『樹が転生者という事実は秘しておきたいし、何より樹が危なかったしね』
「ウィスプ、シェイド…ありがとう。でも良かったのかい本当に」
『少し時期が早まっただけだ問題は無い』
『それよりもね僕達の付加効果を教えておくね』
「そうかまだ二人の効果は教えて貰ってなかったね」
『うむ、我の付加効果は精神の干渉だ。
月村の力と同じだが力の規模が違う、また念話の盗聴も簡単にできてしまうから扱いに気を付けるように』
「うん、分かったよ」
『じゃあ次は僕だね、僕の力は浄化と通常視えない物が視える様になる効果さ。
要は霊気、神気、魔力等目に視えない物が視えるのさ。この力も視え過ぎるから情報を意識的に選ばないと大変なことになるからね』
「了解、頑張って扱えるようにするよ」
『主よ』
「どうしたのシェイド」
『我ら精霊が出揃った為新たなエレメント・シフトが使えるようになる』
「新しいシフトだって!?」
私はシェイドから驚きの報告を聞く。
『新しきシフトは【ダブルエレメンタル・シフト】精霊2体同時にその身に宿すことが出来るシフトだ』
「2体同時…出来るとは思っていたけどやっぱり私の魔力が低かったから今まで出来なかったのかな?」
『それもあるけど、条件が精霊全てが扱える様になることだからね。シフトのやり方はシフトの後に宿したい精霊を続けて並べるんだ。
それから最初に言っておくけど僕とシェイドのダブルシフトは出来ないからね、力が反発しちゃうから』
『それ以外なら基本的に問題は無い。最後に我とウィスプが別の精霊と同時シフトした場合、ウィスプは我以外の精霊の力を増幅』
『シェイドも僕以外の精霊の力を増幅するよ、だけどダブルシフトは消費魔力も同じように増えるから多用は禁物いいね』
「そうか、分かったよ出来るだけ使わないようにするけど、いざという時は使わせてもらうね。
……ところでやっぱり2体同時があるならそれ以上のシフトもあるよね?」
『……あるにはある…が、今の主では一度使うと二~三日は魔力枯渇で倒れてしまうだろうからお薦めはしない』
シェイドが気遣って薦めないと言ってくれたが私は聞くことにした。
「それでも一応は聞いておきたい、どうすればいいの?」
『……【ペンタグラム・シフト】その後に僕かシェイドを入れればシフト出来るよ。
ただこいつは本当に危険だからね、シェイドも言ったけど消費魔力が膨大なんだ、普段は絶対に使わないと約束して』
「二人がそこまで言うなら本当に危険なんだね、分かった普段はダブルシフトまでにするよ」
私は二人にペンタグラム・シフトは使わないと約束をした。そして私はある質問をした。
「ところでシェイドにウィスプ、二人に一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
『なんだ主よ』
「今精霊達はシェイドとウィスプ以外は私としか会話が出来ない、だからニンフとも会話出来るようにするにはどうしたらいいかな?」
[マ、マスター!?]
ニンフがやや慌ててるが無視して聞いてみる。
「どうかな何か方法はあるかな?」
『それなら一つだけあるよ』
そう言ってウィスプが教えてくれる。
『今樹が精霊と話せていられるのは樹に精霊の力が宿っている為、だから会話をさせたい相手に僕等の力の欠片を宿らせれば会話は簡単だよ』
『無論誰でもいい訳ではないがな。その点ニンフ殿は条件を満たしている。
一つは主と共に精霊の近くに長くいた事、もう一つ此方が重要なのだが精霊に密接に関係する名だったことだ』
『名前っていうのはとても重要でね、それ自体に力を持つこともあるほどなんだ』
「じゃあ精霊達から力の欠片をニンフに渡せば…」
私が希望を持って聞き返そうとすると
『ただ問題があってね精霊の力は例え欠片でも強い力を持っている、受け取る相手が弱ければ力に耐え切れず壊れてしまう』
「……」
私が黙っていたらニンフが意見を出した。
[それでもマスターに役に立てるのなら構いません]
「ニンフ!?」
[マスター、私はマスターから貰ったこの名前を誇りに思っていますし、マスターを信用も信頼もしています。マスターはどうなのですか?]
「私だってニンフのことは信用も信頼もしている」
[なら私を信じて下さいマスター]
「……分かったよニンフ、シェイド、欠片の受け渡しはどうすればいい」
『それならば各精霊にシフトし精霊の同意を得られれば空中に各種に対応した欠片の結晶が発生する。
それをニンフ殿に吸収させればよい』
「そうかやってみるよ」
『やるなら攻撃色の強くないドリアドかウンディーネを最初にしたほうがいいよ』
「よし…【エレメンタル・シフトドリアド】」
『樹さん話は聞いてました、欠片の受け渡しですね』
『うん、ドリアド頼めるかな』
『分かりました欠片の受け渡しに同意をします。さぁ受け取ってください』
ドリアドがそう言い終わると私の目の前にドリアドのシフト時になっている魔力光の色である緑のクリスタルが浮かんでいた。
『そのクリスタルが私の欠片です』
神秘的な光を放つクリスタルを眺めつつ私はニンフに確認をした。
「ニンフこのクリスタルがドリアドの欠片だ、ニンフがこの欠片を吸収すればドリアドと会話出来るようになる。
…本当にやるんだね?」
[はい、私はこのクリスタルを受け入れます。始めてください]
私はニンフを机の上に置き、クリスタルをニンフの上に設置した。
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……結果シェイドとウィスプ以外の5精霊の欠片は受け入れることが出来た。
二人の話しでは光と闇はまだ早いとのこと、多少残念だったがあまり急ぎすぎても壊れるだけだと言われれば引くしかなかった。
話し合いが終わった後、シェイドとウィスプは私にこれからよろしくと挨拶をし戻っていった。
余談だがニンフが精霊達と会話出来るようになってから少し賑やかになった、私としても嬉しいことだった。
第13話終了です
やっと次回から原作開始となります、無駄に長かったかな?