公園に着いたときどうやら私を探していたのか此方を見つけるとすぐに近づいてきた。
「樹ちゃんよかった、一緒にいなかったからどこに行ったのかと思ってたよ」
「ごめんね、ちょっと野暮用で遠回りしてた」
「そうなの?」
なのははよく分からず首を傾げていたが、まぁいいやという感じでユーノに向き直り話を聞くことにした。
「ねぇユーノ君さっきのあれは何だったの?」
「そうだね、それと一応自己紹介。私は櫛灘樹、9歳でなのはの友達だよ」
「そうだったわたしもちゃんと紹介してなかったの、わたしは高町なのは、なのはって呼んで」
「僕はユーノ、ユーノ・スクライア。スクライアは部族名だからユーノって呼んでください」
「うん、よろしくなの」
「よろしくユーノ」
「さっきの化物だけどアレはジュエルシードが現地生物や思念が抱いた願望を叶えた姿なんだ」
「ジュエルシードってなに?」
なのはがジュエルシードのことを聞いた。
ユーノの説明によると、ジュエルシードは超古代文明の遺産、ロストロギアと呼ばれる一つで、それぞれが強大な【魔力】の結晶体なんだそうだ。
そして、ジュエルシードは周囲の生物の願望を(自覚の有る無しに関わらず)叶える特性を持っているらしい、
それが全部で21個あり先程の一つとすでにユーノが封印した一つと合わせて2個回収できたそうだ。
「それで僕はジュエルシードを発掘した後、輸送していたんだけど、運んでいた次元船、次元世界を行き来する船が事故にあって、
この地球、海鳴の街に落ちてしまったんだ。僕は発掘し見つけたものとして見つけ次第封印するためここに来たんだ」
「事故ね、それならユーノが探す必要は無いんじゃないの?」
「…たしかに、時空管理局って所に捜索の依頼も出したけど、地球は管理外世界だから初動がかなり遅いんだ。
管理局が来るまでに暴走したら大変なことになるから先に何とかしたかったんだ」
「…そっか。うん、ならわたしも手伝うよジュエルシード探し。困っているユーノ君を助けたいの!」
「私も手伝うよ、住んでいる街が壊れちゃ嫌だしね」
「そんな危ないよ!」
「ここで見ない事にしてユーノが怪我したら気分が悪くなるよ」
「そうだよユーノ君」
ユーノはすまなそうにしているが、こちらは好きでやっていることだから気にしなくてもいいのに。
「ゴメン。こんな事に巻き込んで」
「謝る事ないの。私達のしたい事をしているだけだから」
「そういうこと、それにこういう時は謝るよりも言う事があるでしょ」
「…そうだね。ありがとう二人共。これからよろしく」
「よろしくユーノ君」
「こっちもよろしくユーノ」
「よろしくなのはに樹」
「さて後はユーノの住む所だけど、なのはの家はお店があるからフェレットを連れて帰るのは難しいだろうね」
「う、そうだね」
「ということで、私の家に来る?普通の一軒家だから何の問題もないから」
「大丈夫なの?」
「問題ないよ一人暮らしだから」
「「ええっ!!?」」
まぁ驚くよね9歳が一人暮らししていれば。
「もう慣れたしね、気にする事はないよ。あ、なのはこのことは桃子さん達には内緒だよ。心配させたくないし」
桃子さんは恐らく私が一人暮らしと知ったら無視できないだろうし、士郎さんもこのことを知ったら一緒に住もうなんて言いそうだ。
大体の事は出来るから迷惑は掛けない自信はあるけどね。
「うん…分かったの、ユーノ君の事お願いなの」
「了解、それじゃ帰りますか。送っていくよ」
ユーノを肩に乗せてなのはにそう言った。
「良いの?」
「大丈夫だよ、それにこんな夜中に一人で帰る方がよっぽど危ないよ。
私なら魔法を使わなくても大体撃退できるから」
そう言ってなのはを家まで送っていった。
なのはの家では士郎さん恭也さんが待っていており、なのはと一緒に夜中に出かけた言い訳をしていた。
*************
〈所変わって樹の家〉
「ただいまっと、さぁ上がって」
「お邪魔します」
「そういえばユーノのその姿は魔法で変えているよね?」
「!よく分かりましたね、そうです少し魔力を使いすぎて、更にこの地球で魔力酔が起きてしまったので魔力消費が少ないこの姿にしています」
「そっか、魔力酔は直ぐに治りそう?」
「そればっかりは個人差があるので分かりませんが数日ぐらいかと」
私も初めてミッドチルダに行った時は魔力酔をしたのだ。その時は1日で治ったが精霊の力でも回復ができずに結構参っていた。
「それじゃ先に食事にする?あれだけの戦闘もあったし魔力の回復をしないといけないしね」
「いいんですか?」
「いいのいいの、私も結構お腹減っているから」
「じゃあお願いします」
「ん、了解。あ、それと待っている間に私のデバイス、ニンフに封印魔法の術式を教えてくれるかな」
「分かりました」
[ニンフです。よろしくお願いします]
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食事中、ユーノがこんな美味しい料理食べたことがない!とか言っていたが、私がいつも作っている食事なのでそんなことないよ、と言っておいた。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さま」
私は食器を片付け洗い物を済ます。戻ってきたところにユーノが私の魔法について聞いてきた。
「ねぇ樹」
「なに?」
「樹は僕とそんなに魔力が違わないのになんで異相体を簡単に抑えることが出来たの?
最初のチェーンバインドは簡単に外されたのに、その後の魔法は完全に押さえ込んでいたどうして?」
「うーん、普通の人には言えないから黙っていたけど、魔法を知っているユーノならいいか」
「どういう事?」
「こういう事、出てきて【ウィル・オ・ウィスプ】」
私の声に応えて光が集まりウィスプが顕現する。
『呼んだかい樹』
「わっ!なんだいこの存在は!」
ユーノが驚ろく。
「あんまり驚かないでくれる?精霊が可哀想なんだけど」
「あ、ごめん。でも一体この存在はなに?」
「この子は光の精霊【ウィル・オ・ウィスプ】、ジュエルシードの異相体で力を貸してくれたのは風の精霊【ジン】、
まだ後5人いるけどそれはまたいつか会えるからここで紹介はやめておくね」
精霊の登場にユーノは放けているが、私はそのまま説明を続ける。
「とにかく私の魔法は精霊達の力で魔法の威力が跳ね上がるの、それこそ基本魔法で中級魔法と互角ぐらいになるほどにね」
「そ、そうだったんだ。じゃあ」
「でもね、メリットばかりじゃ勿論ないよ。精霊の力は魔力の消費も大きくてね使いすぎは自滅に繋がるからあんまり使いたくないんだ。
それに私は戦いは好きじゃないの、魔法も攻撃より防御や回復、拘束系の魔法をよく使うからね。
だからジュエルシードの封印はなのはを中心にしたほうがいいよ。暴走前なら私でも簡単に対処できるから大丈夫だけどね」
「そっか、分かったよ。僕も無理はさせたくはないからそれで行くよ」
「それじゃそろそろ寝ますか。ユーノはそのままの姿でいいの?」
「うん、まだ魔力の回復が出来てないから当分このままかな?」
「じゃあバスケット持ってくるね、そこにタオルと毛布を掛けてあげるから」
「ありがとう樹」
こうしてユーノとの邂逅初日は過ぎていった。
第16話終了です
ジュエルシード初日がやっと終わりました