最初の戦いが終わって次の日
「ん……眠い、何時だろ……6時寝過ごした……」
私はいつもより遅い時間に起きてしまったので朝の訓練は休止し朝ご飯を作ることにした。
ふと、ユーノが気になったので振り返ってみたが、こちらはまだ寝ていたようだ。
私は起こさないようにそっと布団から抜け出し台所に向かった。
さらに時間が過ぎてそろそろ登校する時間になる頃、ユーノは漸く起きてきた。
「おはよう樹……」
「おはようユーノ、もう朝ごはん出来てるから顔洗って目を覚ましてきてね」
「ん、分かった…」
暫くして。
「「いただきます」」
食事中は特に大きな話題は無く、なにげに付けたテレビで昨夜の動物病院が映っていた。
「あ、ここの病院ってもしかして昨日のことじゃ」
「そうみたいだね」
私は適当に相槌をする。
「あれ?でもあんなに激しく戦闘したのに周りの被害がそれほどじゃない??」
「異相体の戦闘が激しかったから記憶が曖昧になってんじゃないの?」
「そうだったのかなー?」
まさか私が魔法である程度直したとは言わずお茶を濁すように事実を曲げる。
「ごちそうさま、ユーノ私はもう登校するけどユーノのお昼はすでに作ってあるからそれを食べてね」
私はテーブルに布巾をかぶせた物を指してそう言う。
「ありがとう樹」
「それじゃあ行ってきます」
私はユーノに挨拶をして家を出た。
*************
途中なのはと合流してバスを待っている時、なのはがユーノの様子を聞いてきたので問題ないよと答えておいた。
そしてバスがやって来て乗り込むと、案の定アリサとすずかが既にいたので挨拶をして座った。
学校に着き教室に行く途中アリサが今朝のニュースでやっていた動物病院襲撃を観ていたみたいでフェレットがどうなったのか心配になったと言っていた。
それをなのはが心配になって見に行ったら病院から逃げていたのを見つけて保護したけど、
「お店があるからどうしようかと樹ちゃんに連絡したら、樹ちゃんが預かってくれるって言ってくれたから今は樹ちゃんのところにいるよ」
と二人に教えていた。
時間は過ぎて授業中。ユーノがなのはに念話で魔法について話していた。
私は少し眠たかった為あまり話には参加せず授業を聞いていた。
そんな時先生が、
「今日は抜き打ちテストをするぞ」
と言ってきた。みんな突然の出来事に不満を出していた。私は眠気も手伝いあまり聞いてなかった。
そしてお昼。私はいつもの3人と屋上でお昼の弁当を広げていた。
「それにしても先生にはまいったわね、いきなりテストなんて。私は大丈夫だったけどなのははダメだったんじゃない?」
「うっ、そうなのあんまり自信ない」
「常日頃から勉強してれば大丈夫よ」
「テストなんてあったっけ?覚えてないんだけど」
「……樹大丈夫?」
「昨日寝るのが遅かったから眠くて授業あんまり聞いてないんだよね、まぁ何とかなってればいいかな?」
「樹がいいなら何にも言わないけど、珍しいわね」
3人とも心配してくれているので大丈夫だよと返しておいた。
「それより、昨日言っていたお弁当をどうぞ、少し多めに作ってきたから食べてね」
「あ、いいわねじゃあ私はこの唐揚げを」
「私はカボチャの煮物ー」
「わたしはどれにしようかな…卵焼きにしようっと」
「どうぞ」
「それじゃ」
「いただきます」×4
3人が一斉に口に運ぶ、そして同時に黙る。
「どうしたの?美味しくなかった?」
3人とも首を横に振り否定を示す。
「なによこれ、無茶苦茶美味しいじゃない」
「これ本当に樹君が作ったの?」
「お母さんが作ってくれたお弁当と変わらないの…」
「そんなに美味しいかな?いつも作っているとよく分からなくなって」
((こんなに美味しい料理を作れて可愛い顔してるのに男の子なんて……負けた))
なぜかアリサとすずかが項垂れているが気にしないことにした。
*************
その日の放課後。ユーノからジュエルシードが発動したと念話が入り、私はユーノと合流してなのはと一緒に現場に向かった。
向かった先はどうやら神社だったようで進行方向から何やら叫び声と咆哮が聞こえていた。
「なにかやばそうだね、ニンフ、セットアップ更に結界を張ってリミッター解除『Aまでね』」
[了解ですマスター]
階段を上りきった先にはかなりの大きさを持った元犬と思われるジュエルシードの異相体がいた。
近くには恐らく飼い主さんと思われる人が倒れていた。
「ユーノどう思う?」
私はなのはの肩に乗っているユーノに聞いてみた。
「多分現地生物の願いを叶えたんだと思う。どんな願いかは判らないけど。それより倒れているあの人を助けないと」
「なら私が行くよ。なのははバリアジャケットを早く着て」
「う、うん。分かった」
私はなのはの返事を聞くとそのまま走り出し異相体の近くに倒れている人に向かって近づいていく。
「『【エレメンタル・シフトノーム】』アイアンシールド!」
若干灰色のシールドが展開され異相体の攻撃を弾き返す。
「す、すごい。じゃなかったユーノ君どうすればいいんだっけ?」
「忘れちゃったの!?」
「あんな長いの覚えれないよ!」
「我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放て。
風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に。この手に魔法を――これが起動の合言葉だよ!」
ユーノとなのははレイジングハートの起動に手こずっているようだった。
異相体は相変わらず此方を攻撃しているが、私の防御魔法を抜くことはできないでいた。
そんな時、急に異相体がなのはに向かって攻撃をし始めた。
「なのは危ない!」
「え!?きゃああ!!」
「プロテクション!」
ユーノが防御魔法を発動させ間一髪攻撃を阻止する。
「なのは無事!?」
「だ、大丈夫なの!むーレイジングハートセットアップ!」
[了解セットアップ]
「ちょ!合言葉無しで起動させた!?」
「レイジングハートお願い!」
[イエスマイマスター、シーリングモードセットアップ]
レイジングハートから放たれる桃色のリボンが異相体を包み込む。
「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアルⅩⅥ封印!」
[シーリング]
封印されたジュエルシードはレイジングハートに吸い込まれていった。
*************
「お、終わったー」
なのははバリアジャケットを解除してその場にへたり込んだ。
ジュエルシードを封印すると、異相体はただの犬に戻り、飼い主共々一緒に寝ている。
「ふう、お疲れニンフ結界を解除して」
[了解]
結界を解除するとともに私のシフトも解除した。
「なのはもお疲れ様」
「本当に疲れたのー」
「『樹さっきのシールドはもしかして精霊の力?』」
私がなのはに労いの言葉を言っていたらユーノから念話がきた。
「『うん、そうだよさっきのは土の精霊【ノーム】の力を使った防御魔法だよ』」
「『やっぱりそうか、あれだけ攻撃に晒されても全くびくともしてないなんて凄い魔法なんだ』」
ユーノが褒めてくれるので悪い気はしなかった。
「それよりユーノ」
「なんだい樹」
「さっきなのはが合言葉を言わないでレイジングハートを起動させたみたいだけど」
「うん、凄い才能だよ魔力も高いし努力を怠らなければどこまで腕が上がるか分からないね」
「鍛えるのはいいけど、やり過ぎないようにね」
私は心配になって釘を刺したのであった。
第17話終了です
ここから物語は加速していくのか!?私にも分かりません