「紅茶です、すずかお嬢様」
私は今メイド服を着て何故かすずか達をもてなしている。なぜこうなったのか話は十数分前に遡る。
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「それにしても樹良く似合ってるわよ」
「そうね、本当にメイドさんみたい」
「樹ちゃん可愛いー」
三人からそれぞれ褒められるが私としては苦笑いするしかなかった。
「本当よく似合っているわよ。そうだ!せっかくだからそのままメイドもやってみない?」
忍さんがとんでもないことを言ってきた。
「何言っているんですか!嫌に決まってます!メイド服だけでも嫌なのに」
私が嫌だと力説するも
「あら、いいんじゃない?やってみなさいよ樹」
「樹君のメイド…いいかも!」
「わ、私も見てみたいかも…」
「ほら皆こう言っているんだから観念しなさい」
「味方は誰もいないのか……」
私は力なく項垂れる。
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そして現在に至る。
「それにしても樹君本職みたいに見えるわよ、何処かで習ったことでもあるの?」
忍さんがそんな事を言ってきたので私はこう返した。
「そんなわけないじゃないですか。これはノエルさんの動きを真似ているだけです、メイドの作法なんて知っているわけないじゃですか」
「それにしては随分と洗練されているというかなんというか…」
「それだけノエルさんの動きが良かっただけです」
私がそう言うとノエルさんが僅かに赤くなった。どうやら嬉しかったようだ。
暫くメイドの格好で接待していたら突然どこからか魔力が膨れ上がった。
「『これはもしかしてジュエルシード!?ユーノ、なのは』」
「『うん、これはジュエルシードだ!』」
「『で、でもどうやってここから抜け出すの?』」
「『僕が飛び出すから追いかけてきて』」
そう言いつつすぐさま走り出すユーノ。
「あっ!ユーノ君待って!」
ユーノを追いかけて走り出すなのは。
「あ、こらなのは待ちなさい!」
「私が追いかけるよ、なのはだけじゃ迷子になるかもしれないから」
「気を付けてね樹君」
私は二人にそう言ってなのはを追いかけたのだった。
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私が二人に追いついた先には……巨大な子猫がいた。比喩ではなくそのままの意味だ。
子猫の姿のままで巨大になっていた。可愛いのは可愛いのだがサイズが大きいので奇妙な威圧感があった。
「お、おっきい…」
「た、多分大きくなりたいという願いが正常に叶えられたからだと思うけど…」
「それよりもユーノ結界は張った?」
「あ、うんもう結界は張り終えているよ」
私達三人は上を見上げてそれぞれの感想等を言っていた。
「でもこれなら今回は私一人で封印できるね」
「危険は少なそうだけど気をつけてやるようにね」
なのははレイジングハートを握り巨大子猫に飛び乗る。
「ニンフ、万一の為に一応準備しておくよ」
[了解ですマスター]
「ニンフ【セットアップ】」
私の格好がメイド服から道着に変わる。
「『念の為シフトもしておくよ【エレメンタル・シフトノーム】』」
『よっしゃわしの出番じゃな』
「『よろしく頼むよノーム』」
『任せんしゃい』
なのはに続き私も巨大子猫に飛び乗る。その後なんとなく辺りを見回していたら突如なのはと挟んで逆方向から魔力が飛んできた!
「!アイアンシールド!」
咄嗟に張ったシールドに魔力弾が弾かれれる。なのはは突然のできごとに戸惑う。
「え、なに!?何が起こったの!?」
[敵襲ですマスター]
レイジングハートがなのはに簡潔に説明する。そしてすぐ後に一人の魔導師が現れた。
歳はなのはや私と同じくらいか?バリアジャケットはなのはとは逆に黒くかなり軽装で手には黒い斧のようなデバイスを持っていた。
そしてその隣には犬のような生物が……?何処かで見たことがあるような…?ってあの時の犬じゃないか。
「フォトンランサー……ファイア」
少女が先ほどと同じ魔力弾を放ってきた。なのははまだ事態についていけずオロオロしている。
「させないよ!アイアンシールド!」
私がまたもやシールドを張り魔力弾は明後日の方向に弾かれる。
「なのは確りして!」
ユーノがなのはに声を掛ける。それが切っ掛けなのかなのはも漸く事態を把握したようだ。
「うん、ごめん。もう大丈夫だよ。樹ちゃん猫さんをお願い。私はあの子を!」
[フライアーフィン]
なのはは飛行魔法を使い飛び出した。
「それじゃこっちはこっちで話そうか?前にあった犬みたいな使い魔さん」
「樹もしかして知っているの?」
ユーノが確認するように聞いてきたので私は前に少しだけ会ったことがあると言った。
「なんであんたがここにいるんだい?それにさっきの魔法……あんたも魔導師だったんだね」
「まぁ一応ね」
ちらりとなのはと少女を見てみると、二人は激しく空中戦を展開していた。
「それでここで戦うのかい?私としてはジュエルシードの近くで戦いたくはないんだけど」
「そりゃうちだってそうさ、そうだねちょいと離れるよついてきな」
「分かった、ユーノなのはを頼んだよ『後隙を見てジュエルシードの封印が出来たら頑張って。あの子猫は暴れる様子はないみたいだから』」
「『うん、分かったよ樹。そっちも気をつけてね』」
私とユーノは念話をやり取りしてその場を後にした。
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先程の場所から少し離れた森の中。私と使い魔は対峙していた。
「さてまずは自己紹介しようかな。前に会った時は出来なかったからね。私は樹、櫛灘樹だよ」
「私はアルフさ、それと私は犬じゃなくて狼だ」
「そうだったんだ、ごめんね」
「い、いや、いいけど。なんかやりづらいね」
「まぁ私はあまり戦いたくはないから。あぁそうだ前にあげた豚骨はどうだった?」
「あ、あれかい!?あの骨は美味かったよ。また食べたくなってくるねー」
私とアルフは戦いそっちのけで世間話をする。
「あの時の骨は私の知り合いのお店から戴いた物でねたまに貰えるんだ」
「へぇそうなのかい。あんたは人が良さそうだしね…」
「また食べたくなったなら今度は私の家に来る?料理ぐらいは出せるよ」
「本当かい!っとでもフェイトに何も言わずに行くのは気が引けるねー」
アルフがそんな事を言うので私は何でもないようにこう言った。
「だったら二人で来たらいいじゃない。私は構わないよ近くに来たら念話か私のデバイスのニンフに連絡を入れてくれれば案内してあげるから」
「いいのかい?だったら今度フェイトと一緒にお邪魔するよ」
二人して和やかに会話していたらユーノから念話が来た。どうやら向こうは決着が着いたようだ。
恐らくアルフにも念話がいったのだろうなにやらしきりに頷いていた。
「アルフどうも向こうは決着がついたみたいだね、こっちは世間話しかしてなかったけどあちらに移動しよう」
「あーそうだね。食事の話はフェイトにも聞いてみるよ、じゃ行こうか」
なのは達の所に向かっていくと既に巨大子猫は元の子猫に戻っていた。なのはは地面に座り込んでいていたので恐らくフェイトに負けたんだろう。
「ユーノ、なのはただいま」
「あ、樹お帰り。……あれ?」
「どうしたの?ユーノ」
「いや、戦闘してたんだよね?それにしてはまるで疲れてないようだけど……」
「まぁ睨み合って時間稼ぎしてただけだから。そうこうしてるうちに念話が来たからこうして戻ってきたんだ」
「そうだったんだ」
私の嘘に訝しながらも納得するユーノ。
「それで勝負はどうなったの」
「うん、なのはの負け。向こうの魔導師はかなり戦い慣れていて魔力量もなのはと同じくらい。
戦い方がなのはが遠距離中心で向こうは近接中心だったみたいで相性も悪かった。
僕も何とか隙を伺っていたけどダメだった。」
「そうか、それじゃジュエルシードは…」
「あの子に取られたよ」
「そっか、仕方がない…か」
ユーノはなのはへ視線を向けていたが、私はアルフとフェイトに視線を向けていた。
するとアルフは此方の視線に気づいたのか軽く手を振ってその場を去っていった。
「さて、なのは大丈夫?」
「うぅー負けちゃったの……ユーノ君ジュエルシード持って行かれちゃってごめんなさい」
「大丈夫だよなのは、ジュエルシードはまだある、その時に勝って取り返せばいいんだ」
ユーノはなのはを励まし、なのはは次は勝つの!と息巻いていた。
その頃戦闘域から抜け出したフェイトとアルフは……
「アルフそっちは大丈夫だった?あまり疲れていないようだけど…」
「あたしは大丈夫さ、それよりさっきあたしが相手にしていたあの子」
「あの子がどうかしたの?」
「あの子、樹って言うんだけさ前にあたしが骨を貰ったって言ったじゃないか、それがあの子なんだ」
「そうなんだ、じゃあやっぱりあの子も魔導師なんだね。アルフ戦闘はどうだったの?」
フェイトがアルフに聞くがアルフは少々言い淀む。
「それなんだけどね、あたし樹とは戦ってないんだ」
「え!?そうなの!?」
「ああ、どうも樹は戦いたくないみたいでね、この前のお礼と世間話しかしてないんだ」
アルフの話にフェイトはジト目になる。
「私は戦っていたのにアルフは呑気にお話だなんて…」
「う、ごめんよフェイト。そ、そうだ樹から今度食事に来ないかって誘われていたんだ」
「そう、勝手に行けば?」
フェイトは突き放すように話す。
「いや、樹がね、フェイトも一緒に食べに来ないかって言っていたんだ。フェイトさえよかったら一緒に行かないかい?」
「え?いいの?」
「樹は構わないって言っていたから一緒に行こう!」
「そんなに言うなら行こうかな?」
「決まりだね!流石に今日は無理だから明日以降にでも行こうね」
こうして樹の家にフェイト、アルフが訪ねるフラグが立ったのである。
第22話終了です
段々原作と違ってきます
今回は7:00に投稿できませんでした、申し訳ない
次回は7:00に投稿できるように頑張ります