なのは達と別れた私達は男湯でゆったりとしている。そんな中、士郎さんがふとこんな事を言ってきた。
「しかし樹君の躰つきはどれだけ見ても男とは見えんな、よくその体で美由希を倒せるな」
「たしか樹の武術は棒術だったよななぜだ?」
士郎さんに次いで恭也さんも聞いてきたので答えた。
「簡単です、私は道場では棒術しか使ってませんが、それ以外にも合気と柔術も習っているからです。
まぁ流石に御神流の技や奥義を使われたら負けてしましますけどね」
「なるほど合気と柔術だったか、棒術だけでは説明できない所もあったがそういうことだったか」
「だったら次からは合気と柔術も使うようにしてくれ」
「それは構いませんが、お二人にはまるで効きそうにない気がするのですが…」
そんな会話をしながら三人はゆっくり浸かっていた。
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一方こちらは女湯。樹が男だと知ったなのははかなり落ち込んでいた。
「樹ちゃんが男の子だったなんて…ショックなの…」
「なのはいい加減立ち直りなさい、私達だって最初はものすごく吃驚したんだから」
アリサがなのはを慰めているがあまり効果はないようだ。
「うー、お母さんもお姉ちゃんも知っていたならなんでなのはには教えてくれなかったの?」
「なんでって、それはもちろん…」
「もちろん?」
「「そっちの方が面白いに決まってるからじゃない!」」
バッシャン!!
「あ、なのはちゃんが顔から温泉に突っ込んだ」
すずかが状況を冷静に突っ込む。
「ごほごほ…あうーそんな理由でなのはには教えてくれなかったの!?」
なのはは家族である二人を非難しているが二人はどこ吹く風といった感じで無視を決めている。
「まぁまぁなのはちゃんそれくらいで許してあげなさい。後で私が集めた樹君の写真集を見せてあげるから」
「なにそれ!?詳しく!」
「お姉ちゃん!?何勝手なことしてるのよ!?私にも見せて!」
「ちょっとすずか言っていることがおかしいわよ。あ、あたしも見せて下さい」
忍の言葉に反応する三人。段々おかしくなり始めたのは気のせいと信じたい。
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少し長い間温泉に浸かっていた私はそろそろ温泉から出ることにした。ユーノは気が付いたら既にいなかったのでもう温泉から出たのだろう。
濡れた髪は団子のようにして二つで纏める、少しだけ頭が重くなったが気にするほどではないので無視する。
温泉からでた私はなのは達を探すため浴衣姿で歩いていた。暫くすると前方に見慣れた三人と赤い髪の女性が…ってアルフじゃないか、どうしてこんなところに?
「皆立ち止まってどうしたの?」
「樹じゃない、ちょっt…」
「あ、樹君じつh…」
「樹ちゃじゃなかった、樹くn…」
「……」
私に気づいた四人は此方を見たとたん何故か固まった。
「みんなどうしたの?のぼせたなら水分補給しないと危ないよ」
「だ、大丈夫よ!」
「し、心配してくれてあ、ありがとう」
「に、にゃ~」
三人は再起動したがアルフはまだ固まったままだったのでさらに声を掛けてみた。
「あの、大丈夫ですか?」
一応ここにはなのは達がいるので初対面のように接してみた。
「…っは!?ちょっと、よ、用事を思い出した!そ、それじゃ!『ちゅ、忠告しとくよ。これ以上私達に関わらない事。でないとガブッといくよ』」
アルフは念話で私となのは、ユーノに忠告してその場を去っていった。
「『樹君今の人って……』」
なのはが不安そうに聞いてくる。私が来るまでになにか言われたのだろうか?
「『多分この前の魔導師の仲間だろう。私達を知っている魔導師はあの子ぐらいだし』」
「『じゃあここにフェイトちゃんが?』」
「『ジュエルシードもね』」
「『今度こそ絶対フェイトちゃんとお話するの!』」
なのはは息巻いているが少し気になったので聞いてみた。
「『なのはいつあの子の名前を知ったの?』」
「『あ、前回の時に教えてもらったの』」
「『そうなんだ、まぁほどほどにね』」
なのはは絶対に負けないの!などと念話でもらしていてこちらの話を聞いてないようだった。
一方その頃。
「『フェイト聞こえる?』」
「『アルフ?聞こえるよ、どうしたの』」
「『さっき見てきたよなのはって白い子それと樹もいたよ』」
「『え!?樹がいたの!?』」
「『ああ、ちょうど風呂上りだったみたいでさ、なんかこう…ぐっとくるものがあったね~』」
「『そうなんだ、私も見てみたかったな~』」
こんな話をして肝心のジュエルシードの話は十数分後だったとか。
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夜も更けて、大人組は酒盛りをし始め、私達子供組はトランプ等のゲームをして時間を潰していたら案の定ユーノから、
「『!なのは、樹ジュエルシードだ!』」
「『樹君、私先に行くね!』」
なのはは此方の返事を待たずに先に行ってしまった。私はノエルさんに少し出掛けると言ってからなのはを追った。
途中でデバイスを起動しバリアジャケットを纏いジュエルシードの反応がある場所まで飛んでいく。
現場では既になのはとフェイトが対峙していてユーノがフェイトに対して何故ジュエルシードを集めているんだ!とか、
フェイトが何か言う途中でアルフが答えなくてもいいと返したりしていた。
互の意見が平行線になっていることに気がつき、お互いのジュエルシードを賭けて戦うことになった。
二人は競い合うようにぶつかり合い夜空を桃色と金色の光で染めていった。
「お~綺麗だな」
私が呑気に感想をもらしていたら、
「あんたはそんなに呑気でいいのかい?」
と、アルフが此方に寄ってきた。そして人から赤い狼に変化する。それを見たユーノは、
「やっぱり!アイツはあの子の使い魔だ!」
「なんだって!?(もう知っているけど)」
「そうさ!あたいはフェイトに作ってもらった魔法生物、主の魔力で生きる代わりにその力と命で持って主を守る存在さ!」
「っく!樹、僕がアイツを抑える!樹はなのはを!」
「ああ、分かった。気を付けてね」
ユーノはアルフに飛びかかり転送魔法を発動させここから離れる。
「さてなのはは頑張っているかな?」
私は二人の戦いを見ることにする。状況はなのはが不利のようだ、フェイトの素早い動きになのははついていけず振り回されている印象だ。
暫くするとフェイトの魔力弾の一つがなのはに当たり動きが鈍くなる。そこにすかさずフェイトが強力な魔法を打ち込みなのはは撃墜された。
戦いが終わりレイジングハートからなのはが持っていたジュエルシードの一つがフェイトに渡る。
それを確認した私はユーノに念話を送り二人の戦いが終わったこととなのはが負けたことを連絡する。
すぐにユーノから返信がありその直後ユーノが転移してくる。
「あう~また負けちゃったよ~」
なのはが私に泣き付く。それを見たユーノがなのはを気遣い、
「次は頑張ろうよ!」
と言う。
「けど、前より強くなってた」
「ホントに!?フェイトちゃん!」
「う、うん」
敵に慰められるなのは、いいのか?そしてあることに私は気づいた。
「全員に質問、ここに結界張った?」
「え?どうしたのいきなり」
フェイトが首を傾げる。
「結界を張っていたなら気のせいでいいんだけど……アレは何だと思う?」
私がある場所を指差し皆がそれを確認する。
「あ゛……………」×4
深夜のはずなのに段々明かりが多くなってきている宿……
「もしかして……結界張り忘れたああああああああ!?」
「にゃああああ!急いで戻らないと!」
「フェイト!あたし達も早く!」
「うん!それじゃあまたね!」
四人は急いでそこから離れる。私はやれやれと言いながらなのはを追いかける。
宿に戻るとなのはは部屋に戻り直ぐに寝てしまった。ユーノも眠そうにしていたので三人に潰されないように少し離して寝かせた。
「私は……もう一度温泉入るかな?」
ここの温泉は気持ちよかったのでまた入りたくなったのだ。
温泉の受付に聞いてみたところどうやら片方は清掃中なのでもう片方を使って下さいとのことだった。
そして脱衣所の前に来た時フェイトとバッタリと会った。
「あれ?樹?」
「ん?フェイトも温泉?」
「うん、アルフが入らないと損だって」
「成程ね。そういうことなら私は後で入るよ」
「どうして?一緒に入ればいいじゃない女の子同士でしょ」
「いやなにか勘違いしてるみたいだけど、私は男だよ」
「……え?えぇええむぐぐぐ」
フェイトが大声を上げそうになったので急いで口を塞ぐ。
「今は夜中、騒ぐと迷惑いい?」
コクコクとフェイトが頷いたので私は塞いでいた手をどかす。
「それでフェイトはどうしたいの?」
「あの、出来れば一緒に入りたいな…」
「はぁしょうがないな、今回だけだよ」
「ありがとう樹」
そして温泉入ろうかと体を洗う段階になったときフェイトが、
「あの樹?」
「どうしたのフェイト」
「あ、頭洗ってくれる?」
「どうして?」
「…一人じゃ上手く頭洗えない」
私は黙ってフェイトの頭にチョップを繰り出す。
「痛!うぅ…」
「子供か…いやまだ子供だったな…はぁ後ろ向いて頭だけだからね」
フェイトの髪を洗ってやりその後、私も髪と体を洗い温泉に浸かった。
「ふぅ…疲れが取れる……気持ちいい…」
「本当に気持ちいい…」
温泉から上がりお互い髪を乾かしフェイトにお休みと言って部屋に戻った。
部屋に戻り眠り付いた後、朝起きてみたら何故か右腕にすずか、左腕にアリサ、腹の上になのはがいた。
「何これ…」
数十分後、起きた三人から悲鳴が上がったがそれは別の話。
第25話終了です
戦闘より温泉の方が多かったです