精霊使いの転生者   作:キジトラのヌコ

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精霊使いの転生者 26

 フェイトと一緒に温泉に入った翌日。やっと起きた三人から解放された私は温泉に入り今朝風呂から上がったところだ。

 

 「あら樹様、お早いですね」

 

 部屋に戻る途中ノエルさんと会った。

 

 「ノエルさんおはようございます、今日は普段より遅いぐらいです」

 

 「そうなんですか?」

 

 「それよりその手に持っているのはなんですか?」

 

 私はノエルさんが右手に持っている袋の中身が気になり聞いてみた。

 

 「これですか?これは二日酔いの薬です、皆様昨日は随分飲みましたので」

 

 「そうでしたか」

 

 私は少し考えてある提案を出してみた。

 

 「ノエルさんちょっといいですか?」

 

 「なんでしょう?」

 

 「ノエルさんは私が精霊の力を使えることは知っていましたよね?」

 

 「ええ、私もあの時一緒にいましたので。それがどうかしましたか?」

 

 「精霊の力の一つに水があるのですが、その力に二日酔いに効く魔法があるんです。

流石に直接掛けるところを見られるのはまずいですが、水に掛けてもかなりの効果が出ます。

なので飲み水に魔法を掛けたいのですがいいですか?」

 

「そういうことでしたらこれを」

 

 私がそう言うとノエルさんは袋の中からミネラルウォーターを差し出した。

 

 「ありがとうございます、直ぐに済むので少し待ってください」

 

 私はノエルさん以外周りに人が居ないことをニンフに確認してもらいシフトをする。

 

 「【エレメンタル・シフトウンディーネ】さらにリフレッシュ」

 

 ミネラルウオーターに一瞬だけ光が射し魔法が掛かる。

 

 「これで魔法が掛かりました、それ程強い魔法ではないので安心して下さい」

 

 「初めて魔法を見ましたがそれ程派手ではないのですね」

 

 「今の魔法は見た目では殆ど解りませんからね、もちろん派手な魔法もまだまだ沢山あります」

 

 「なるほどそうでしたか、いつか見てみたいものですね。ともあれありがとうございます樹様」

 

 ノエルさんはお礼を言いながら部屋に戻っていった。

 

 

 

 『樹さん樹はん』

 

 ノエルさんが見えなくなった頃ウンディーネが話しかけてきた。

 

 「『ん、ウンディーネ?どうしたんだい』」

 

 『さっきのシフトからの魔法やけどな随分すんなりできたんよ』

 

 私は先程の事を思い出しながら、

 

 「『確かにいつもしていたシフトより速く出来たね』」

 

 『でな、もしかしたらうちも顕現出来るかもしれんのや、後で試してみい』

 

 「『なるほどなら旅行から戻ったら試してみるよ、流石にこの場所で試すのは良くないしね』」

 

 その後、私も部屋に戻ったら既に三人共起きており、皆からどこに行っていたのと聞かれたので、朝風呂に行ってきたと答えた。

士郎さん達大人組は何人かが二日酔いになっていたようだが、士郎さんと恭也さんは見たところ二日酔いにはなっていないようだった。

聞いてみたところ士郎さんからこんな答えが返ってきた。

 

 「これでも鍛えているからね、この程度のお酒では酔もしないよ」

 

 と、頼もしい返事がきた。

旅行は二泊の予定なので今日は皆と一緒に観光と洒落込んだ。二日目は特に何も起こらずに楽しく過ごした。

最終日、いつも通り早めに起きた私は朝風呂に行き、それに便乗して恭也さんも行くことに。

風呂では帰った時にどんな鍛錬をするとかを話していた。風呂から戻るともう皆チェックアウトの準備をしていたので私もそそくさと準備を始める。

振り返ってみて、初日にジュエルシードの騒動があったけどそれ以降は普通にすごせた。

 

 

 

 旅行から帰ってきた私達はそれぞれの家に帰った。その中で私は一度家に戻った後着替えてから山に転移した。

目的はウンディーネの顕現だ。

顕現化をしやすくするために今回は山から流れる小川の近くで試してみた。

その結果、ドリアドよりは少々時間は掛かったものの無事に顕現させることができた。

又、顕現に成功したことによりドリアドと同じように特別な魔法が解禁されたがここでは割愛しておこう。

 

 

 

*************

 

 

 

 いつもの学校が始まり放課後になる。アリサとすずかはお稽古があるといって先に帰っていた、私となのははジュエルシードを探すためユーノと共に街に出ていた。

ある程度探し回り辺りが暗くなり始めた頃、突然街中から魔力が流れ始めた。

 

 「まさかこんな街中で強制発動させたのか!?っく!広域結界!」

 

 ユーノが直ぐに異変に気付き結界を展開させる。

なのははレイジングハートをセットアップしジュエルシードの魔力反応がある方向へ飛び出す。

 

 

 

*************

 

 

 

 ジュエルシードが発動する少し前。フェイトとアルフはビルの屋上から街を見下ろしていた。

 

 「この辺りにあると思うんだけど……」

 

 フェイトはジュエルシードの大まかな位置が分かるのかそんな事を呟いていた。

 

 「アルフ、今から魔力を流してジュエルシードを強制発動させる」

 

 フェイトがそう言うとアルフは、

 

 「それぐらいならあたいに任しときな、それにジュエルシードが発動したらあの白い魔導師がやってくるかもしれないからフェイトは備えておいて」

 

 「分かった、じゃーアルフお願い」

 

 「ああ分かったよ」

 

 そしてアルフが魔力を流すと少し離れた所でジュエルシードが発動した。

 

 

 

*************

 

 

 

 私が現場に着くと既にジュエルシードの封印は終わっていた、だがそこではフェイトとなのはがお互い睨み合っており一色触発の雰囲気を出していた。

 

 「やっぱり来たね樹」

 

 「アルフか、今日は狼じゃないんだね。ユーノ離れてて」

 

 「うん、樹気をつけてね」

 

 ユーノは一言言ってから私から距離を取る。

 

 「今回は前みたいにはいかないよ」

 

 アルフが突っ込んでくる、それを私は正面を向いて迎撃する。

 

 「先手は貰ったよ!」

 

 アルフは右手で殴りかかってくる、特に細工はしていないようなので私は左手で軽くいなす。

 

 「甘い本命はこっちだ!」

 

 いなすと同時に今度は一回転して右足のかかと落としがやって来た――

それを私はさらに踏み込んで体を横にして躱し腕を取って投げ飛ばす。

 

 「よいしょっと」

 

 気の抜けるような掛け声とは裏腹にアルフはすごい勢いで吹っ飛びビルの壁に叩きつけられる。

 

 「ガフ!!…いっつつ、やっぱり樹は強い。だけど負けるわけにはいかないんだよ」

 

 再び突っ込んでくるアルフ、が直前で横っ飛びをし一瞬姿が視界から消える。

 

 「よし!捕まえたよ!」

 

 一瞬の出来事で私は横からアルフに捕まえられる。

 

 「今度はそっちが吹っ飛びな!」

 

 アルフが此方の腕を取り投げようとする。だが私は投げられる一瞬アルフの腕を取って合気を仕掛ける。

 

 「なに!?くっなんの!」

 

 だがアルフも合気を仕掛けられたにも関わらず此方を投げた。

力の入ってないアルフの投げは私を少しだけ上空に飛ばすだけに留まり、私は受身を取って足から着地する。

一方アルフは私の合気により背中から勢いよく叩きつけられ暫く息ができなかったようだ。

その様子を見ながら私はユーノに念話で確認を取る。

 

 「『ユーノ、なのははどうだい?』」

 

 「『今の所善戦してるよ』」

 

 「『分かった、それじゃあ何かあったら連絡してね』」

 

 なのはもユーノとの特訓でいつの間にかフェイトといい勝負出来るところまで腕を上げたようだ。

アルフが漸く起き上がったので私はまだ続けるのかと聞いてみる。

 

 「あっちはまだ続いているようだけど、まだ続けるかい?」

 

 「当たり前さ!」

 

 アルフが構えを取った次の瞬間、突然光の柱が立ち昇る。

 

 「『大変だ!あの二人の魔力に反応してジュエルシードが発動した!』」

 

 ユーノから念話がくる。つまり今の光はジュエルシードだったか。

 

 「『この場合どうすればいい』」

 

 「『再度封印すれば収まると思う!』」

 

 「『分かった今そっちに向かうよ』アルフ一時休戦だよ、二人の所に向かうよ」

 

 「当たり前さ!」

 

 私達は急いでなのは達の元に向かった。

 

 

 

 私達が着いた頃にはなのはとフェイトは封印しようとするところだった。

 

 「「きゃあっ!!」」

 

 だが二人のデバイスがぶつかり合った瞬間、二人はジュエルシードによって吹き飛ばされる。

 

 「フェイト!」

 

 アルフはフェイトの方に向かった。私もなのはに向かいなのはを受け止める。

 

 「樹君!?」

 

 「全く、ジュエルシードの近くで暴れるからこうなるんだよ」

 

 「ごめんなさい……」

 

 レイジングハートがかなりひどく損傷している、恐らくフェイトのデバイスも同じようなものだろう。

 

 「ユーノ今のジュエルシードを封印出来なくても抑える事はできる?」

 

 「多分だけど…大きな魔力を叩き込めば何とか」

 

 「そうか…分かったここは私がやるよ」

 

 「ちょっと待って樹できるの!?」

 

 ユーノが疑問をぶつけてきたので私は答えた。

 

 「できないことは言わないよ」

 

 そして私はジュエルシードに向かって進んだ。

 

 

 

 「さてさっきはあんなこと言ったけど結構きついかな?」

 

 [今のリミッターが掛かっているマスターの魔力量では少し厳しいかと思われます]

 

 ニンフが端的に答えてくれたので私はダブルシフトを使用することに決めた。

 

 「ならダブルシフトで攻めてみるか『ウンディーネ、ウィスプ君達の力を貸して』」

 

 『分かったで樹はん』

 

 『了解だよ樹、僕の初陣だね』

 

 「さて…【ダブルエレメンタル・シフトウンディーネ、ウィル・オ・ウィスプ】」

 

 私が宣言すると体の内から魔力が溢れ出す。その様子を見ていた四人はそれぞれ驚いた顔をする。

 

 「なにあれ!?あれが樹君の魔法なの!?」

 

 「くっ!?あれが本気を出した樹なのかい!?なんて力だい」

 

 「樹……すごい……」

 

 「あれが樹の精霊の力…」

 

 それぞれが感想を洩らしているが私はそんな事を気にせずジュエルシードに向く。

 

 「さて、あんまり時間もない事だしさっさと終わらせるよ」

 

 私はダブルシフトで強化されたウンディーネで透明に近い氷の盾を作り出す。

 

 「アイスシールド」

 

 前面に張られたシールドはジュエルシードの魔力の奔流にも耐えるほどの強度を誇る。

そして充分に近づいたところで別の魔法を発動する。

 

 「アイスドシェル」

 

 魔法を発動した瞬間ジュエルシードの周りに氷の塊が発生する。そしてジュエルシードを包み込むと魔力の暴走が次第に収まっていく。

完全に暴走が収まったことを確認したら今度はウィスプの力で封印を施す。

 

 「ウィスプお願い」

 

 『任しときな樹、暴走なんぞしないように僕が強力に封印してあげるよ』

 

 ウィスプの力でユーノから教えてもらった封印の術式を発動しジュエルシードを封印する。

封印したことにより辺りは急速に静かになっていく。

 

 「ふ、封印したの?」

 

 「うん、すごい魔法だった」

 

 「樹すごい…魔力は私より低いのに簡単に封印した…」

 

 (あれが樹の魔法なのかい……あんなもの使われたら手も足も出やしないよ)

 

 「ふぅ…【解除】流石に疲れたな『ウンディーネとウィスプもありがとうね』」

 

 私は精霊の二人に労いの言葉を掛ける。

 

 『大したことなかったな樹』

 

 『また呼んでな樹はん』

 

 私が封印を完了してその場に留まっていたらなのは達がやって来た。

 

 「樹君大丈夫だった!?」

 

 「樹無事!?」

 

 「私は大丈夫だよ、それよりこのジュエルシードはどうしようか」

 

 「……それは樹の物だよ」

 

 「フェイト!?」

 

 フェイトがそう言ってきた。

 

 「理由を聞いても?」

 

 「そのジュエルシードは樹が封印したんだから樹の物だよ、私じゃ多分あんなに簡単に封印出来なかったから……」

 

 「フェイト……分かったじゃあこのジュエルシードは私が預かっておくね」

 

 その後フェイトとアルフにまた会おうと言って二人はここから離脱した。

 

 

 

*************

 

 

 

 ――ここではないとある場所――

 

 「艦長わずかですが小規模な次元震を観測しました」

 

 「次元震なんて穏やかではないわね、一体どこで発生したの?」

 

 「解析します……出ました。第97管理外世界のようです」

 

 「第97管理外世界……たしか少し前にその管理外世界の近くで救助信号があったわよね」

 

 「はい、艦長確かに救助信号があります、発信元は…スクライア一族です。どうしましょうか」

 

 次元航行艦【アースラ】の艦長であるリンディ・ハラオウンは考えた。

もし仮に次元震を起こすほどのロストロギアが存在していた場合何かしら問題が起きているのだろう。

現在次元震を観測した艦で一番近いのはこの艦だ。問題が起きているならば速やかに解決しなければいけない。

そこまで考えたリンディは決断した。

 

 「よし、次元震を観測した第97管理外世界へ向かいます」

 

 「了解、次元航行艦【アースラ】第97管理外世界へ向けて発進します」

 

 こうして次元航行艦【アースラ】は第97管理外世界…地球に向かって発進したのだった。




第26話終了です
小説は難しいです、今回でた魔法の紹介です

アイスシールド 透明に近いほどの純粋な氷の盾を作り出す、見た目よりもかなり頑         丈なのでジュエルシードの魔力流ぐらいなら簡単に防ぐことが出来る

アイスドシェル 元ネタはF〇IRY T〇ILの魔導士グレイとその師匠であるウル
        本来は術者の肉体を氷に変えて、対象者と共に永久に封じ込める魔法
        だがこの作品ではそこまでの絶対封印はなく更に術者本人も氷にはな        らない

あくまでもネタとして使っているのでこうじゃないと言われてもスルーしてください
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