私が転生してから早くも1年がたった。その間何をしていたかといえば、ただひたすらに訓練と勉強をしていた。
特典の成長速度増加は使ってみて初めて分かったのだが、身体能力だけでなく知識や理解力にも適応されることが分かった。そこで体を鍛える傍ら魔力だけでなく勉強もするようにした
そのおかげで今では高校卒業までの知識を持ち、身体能力に至ってはいまだ4歳なのに腕力が40kg超えていたり、100m走は13秒台で息も切れないといったおかしなことになっていった。
魔力は無理して上げるとあまりよくない影響が出るとニンフが言っていたので、現在のランクはCからBになったぐらいだ
そこで私は一旦魔力上げは中断し本を読んで憶えた棒術の練習をすることにした、また武器が手元に無くなることも考慮して無手でも戦えるように柔術と合気も並行して練習していた
「ふぅ…棒術の型の練習はこれでいいな、ニンフから見てどうだった?」
[そうですね…基本の型から攻撃の型、防御の型とどれも板についてきました。ですが攻撃より防御を優先しているような比率ですが何か思うことがあるのですか?]
「あぁ、それは私があまり争いが好きじゃないからだよ。これまでの魔法の練習も防御、捕縛、回復中心なのもそのせいなんだ。まぁ性格としか言えないかな」
[そうだったのですか、ですが少々もったいないですねマスターの適性は回復魔法を除けばどれも高い適性があります]
「それで攻撃魔法も少ししか練習してないのにやたら覚えが早かったわけだ。まぁ特典のおかげで苦手の回復魔法もある程度できるようになったしね」
私が苦笑しながら話していると頭に声が聞こえてきた
『樹はん練習は終わったんか?もうすぐお昼になるで』
『ウンディーネか知らせてくれてありがとう、ついでに体力を回復したいからシフトするよ』
『了解や』
「【エレメンタル・シフトウンディーネ】」
そう宣言すると一瞬青く光り瞳の色が青くなった。ちなみに元の瞳の色は普通に茶色である
「うん、正常に付加効果が発揮されているね、体力の回復が早くなってるよ」
そうウンディーネの付加効果は回復力の強化である。これは体力だけでなく傷の回復、魔力の回復も上昇するので練習の後にいつもシフトしているのだ。おかげで翌日に筋肉痛に悩まされないので非常に重宝している
「さてそれじゃお昼ご飯を作りましょうか」
こう見えても転生前は一人暮らしが長かったため一通りの家事はできるのだ。得意料理なんてものは特にはないけど、和食が好きなため肉じゃがとか金平をよく作って食べていた
後は趣味としてプリンやクッキーなど、お菓子も作っていたものだ
そうこうしている内にお昼ご飯が出来上がっていく、今日のお昼は作りおきにして冷凍していたハンバーグに昨日の残りである金平、冷蔵庫に残っていたトマトを輪切りした物だ
「よし出来た」
私は出来たお昼を並べて食べる前にフライパンをキッチンペーパーで軽く汚れを拭き取る、こうしないと冷えて固まってしまい汚れが落ちにくくなってしまうからだ
「では、いただきます」
さすがに4歳では食べる量も少ないためそれほどかからずに食べ終わる。そして食器をシンクに放り込みすぐさま洗い始める。洗い終わると今度は冷蔵庫の中身を確認し始めた
「冷蔵庫の中身も残り少ないなーこれは昼の練習は中止して買い物だな」
[では出かける時は教えてください、変身魔法を使います]
なぜ唯の買い物で変身魔法を使うのか、それは初めての買い物で道すがらお巡りさんからは補導されそうになったり、見た目少しメタボっぽいおっさんから「お嬢ちゃんおじさんと遊ばない?」等と変態発言をしてきたからだ。私は一応男なのに…
まぁ性別云々は前世から言われてたことなので最早諦めている。長い髪も切ったりしようとしたりもしたのだが、周りからいつも「見合わないからダメ!」と言われ、仕方なく後ろで三つ編みにしてヘアバンドで留めている
ニンフも初めて私が男だと解ったときはとても驚いていたが、私にとってはいつもの反応なので別段気にしなかった。そんなこんなで掃除や洗濯物を畳んでいると買い物をする時間が迫ってきた
「ニンフそろそろ買い物に行くから変身魔法をお願いね」
そう言うとニンフは変身魔法を私に掛る、すると私の体は4歳から19歳ぐらいの見た目になるが、身長は160cmぐらいと男としてはそこそこ低いし、やせ型とセミロングの髪で一見すると女にしか見えない。前世でも背は低かったのでそういうものなのだろうと納得している。
買い物も終わり食材を冷蔵庫に入れたあと、姿を戻し夕方の練習のために道着に着替える、何事も体力と持久力は必須なため出来るだけ走るようにしているのだ
着替えも終わりいつも走っているコースの途中にある公園に差し掛かると中から小さな悲鳴が聞こえたため何事かと思い声の主に向かって走り出した
公園に入ると少し泣き顔になっている女の子が大型犬に追いかけられていた。犬のほうは遊んでもらっていると思っているのか、尻尾を振り回しずっと追い続けている
「っと助けてあげないと」
私は女の子のほうに向かって走り出し犬と女の子の間に割り込んだ
「ほら、この犬っ子おとなしくしなさい」
犬を両手で止め目線を同じにしておとなしくするよう呼びかけた。よく見ると首輪をしており飼い犬なのかもしれない
「お前のご主人さんはどこだい?探してるんじゃないか?」
そんなことを言っていたら公園の外から犬の名前だろうか、叫びながら近づいてくる声が聞こえた
「どこいったのハヤブサ!!返事をして!」
「バウッ!」
「ん?こいつのことか?返事?もしたし。すみませーんハヤブサってこの犬ですか?」
私は大声を上げて飼い主らしき人に向かって返事をする。すると程なく先ほどの声の主らしき人がこちらに向かって走ってきた
「はぁはぁ…良かったここにいたのねネオアームストロンg「ちょっとまて!」冗談よ、散歩してたら急に走り出して見失ってしまったの、見つけてくれてありがとうねお嬢ちゃん」
「いえたまたま通りかかっただけですので、ほらハヤブサあまりご主人に迷惑をかけちゃいけないよ」
飼い主さんは手に持っていたリードを首輪に掛け私にお礼言ってから去っていった
「ふぅ…さて、いつまで後ろにいるの?犬はもういないよ」
そう言って私は女の子に向かって振り向いた
女の子の見た目は私と同じくらいかな?明るい茶髪で髪をツインテールにしていた
************
私は高町なのは、今お父さんがお仕事で事故に遭って入院中なの。
お兄ちゃんはお父さんが入院してから道場に篭ってずっと怖い顔で剣を振っているの、お母さんとお姉ちゃんは最近始めたお店につきっきりになっているからなのはは迷惑にならないよう良い子にしてないといけないの。
だから今日も公園で夕飯まで待っていようとしたら公園の外からおっきな犬がなのはに向かって走ってきたの。
「なに?来ないで、こ、こっち来ないでーうわぁーん」
私は怖くなって走り出したら犬も追いかけてきたの。悲鳴を上げて走っていたら
「ほら、この犬っ子おとなしくしなさい」
私と同じくらいの背で髪を三つ編みにして白と黒の服?きた女の子が犬を止めてくれたの。私はその女の子の後ろに隠れて見ていたら飼い主さん?も出てきて犬を連れて行ってくれたの。
そしたら女の子がこっちを振り向きつつ
「ふぅ…さて、いつまで後ろにいるの?犬はもういないよ」
そう言って笑顔を向けてくれたの。
*************
「こ、怖かったよ~」
よほど怖かったのかまた泣き出した
[『無理もありませんまだ小さいのですから』]
「『そうだね』」
「ひとまず、ベンチに座ろうか?」
私の言葉に女の子は頷き一緒にベンチに座る。女の子が落ち着き始めたとき
「あ、あの助けてくれてありがとうなの」
「いいえ、どういたしまして…少しは落ち着いた?」
頷く女の子
「あの…私、高町なのはなの」
「そうか、私は櫛灘樹だよ、さっきの犬は多分ただ遊びたかっただけだろうから、あまり気にしないようにね」
私がそう言うとなのはちゃんの顔色も少し良くなってきた。そしてしばらくすると、なのはちゃんから悩みがあるから聞いて欲しいと言ってきた
私は一通り事情を聞くと
「だから私はいい子にしてなきゃいけないの。そうじゃないとみんなが大変なの」
「うーん、そうれは少し違うかな」
「違わないの!いい子じゃなきゃいけないの!」
「子供なんだから素直に親に甘えればいいんだよ。甘えられる時間は限られているんだから。もちろん甘えすぎても迷惑になるけど、まったく言わないのも相手は寂しい思いをするものだよ」
「……」
なのはちゃんは私の言葉に思うことがあったのか少々黙っていたが、やがて顔を上げ
「私みんなに話してくる」
「そうか、もう大丈夫みたいだね。こんな時間だし今日はもう帰ろう」
そう言って私は立ち上がりなのはちゃんにも家に帰るように促した
「あの、お話聞いてくれてありがとうなの」
「いいえ、どういたしまして私はまだ用事があるけど、気をつけて帰るようにね」
私となのはちゃんは別れの挨拶を交わしなのはちゃんは家に帰っていった
*************
[ところでマスター]
「なんだいニンフ」
[マスターは彼女がこの世界の主人公である高町なのはだとは知っていたのですか?]
「いや、ぜんぜん。私が知っているのはこの世界の世界観と主要人物の名前だけで、なのはの容姿とかは知らないんだ。この世界に転生したのは魔法が使えるという理由だけだったし」
[そうだったですね、ですがこれで原作に介入することになりましたね]
「まぁどちらでも良かったけどね、関わったからには不幸にさせてはいけないから。さて予定外のことが起きたし、今日は帰りましょう。夕食後はいつもの通り精霊達との特訓だ」
*************
その後家に帰ったなのはは自分が寂しかったこと、もっと甘えたかったなど言い、それに対して家族はなのはが寂しがっているのに気づけなかった、自分が間違っていたなどと言ったらしい
この出来事を境に私となのはは友達となり時折なのはの家族がやっているという翠屋に来店するようになるのだが。それはまた別の話
第3話終了です
なのはとの邂逅を書きましたが精霊との特訓は書けませんでしたすみません。
次回は特訓を書けたらいいなぁ…