プレシア達の引越しが決まった次の休日。私は引越しの手伝いをするためミッドのプレシア達が仮に住んでいた部屋に来ていた。
その作業の途中、私の家にトランスポートを設置したいからどうにか出来ないかと話を持ちかけられ、
「家に使っていない地下があるからそこでいいならどうぞ」
と、返事を返した。その際、
「完成したら私も使わせてもらいますね」
と付け加えたが。プレシアは笑って、
「もちろんよ」
と言ってくれた。
その後、荷物の整理が終わりさぁ運び出しに取り掛かろうとしたら、リンディさんから連絡が入りアースラの転送装置でまとめて運んでくれることになった。
タダでやってもらうのは気が引けたのだが、リンディさんから、
「いいのよこれぐらい。今回の事件での過去の管理局が行った行為からすればこれだけじゃ少ないぐらいよ。
本来なら貴女達の住居も此方で用意するのが筋なんだけど。
あれほどの被害を受けた貴女達じゃ管理局は信用できないと思ってね、せめてこれぐらいはと思ったのよ」
と言った。確かにプレシアは直接被害を受けたのだから管理局はあまり信用していないだろう。
それでも一部(リンディ等アースラのクルーは信用してるだろうが)は信用に値する人物がいる事も分かっている。
だからプレシアはこの申し出を素直に受けた。
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―――地球・樹の家―――
私はプレシア達よりも一足早く家に戻っていた。理由として簡単な片付けもあるが、主な理由としては認識障害の結界を張るためだった。
プレシア達がそのままアースラの転移で移動した場合。なのはとレイジングハートに気取られる可能性があったためだった。
そこで私が先に家に戻り、認識障害と結界隠蔽の結界を張って二人?の索敵から逃れられるようにした。
その際、結界隠蔽の事がリンディさんにバレてしまったが、出来ればこのことは誰にも言わないように、報告もしないようにお願いした。
リンディさんは黙ってくれると約束してくれたが、エイミィはその技術を研究させてとしつこく迫って来たので私が、
「バレると犯罪に利用されかねないので教えることは出来ません」
と、きっぱり断った。
それを聞いて流石にエイミィは引き下がってくれた。
「さて、さっさと結界を張りますか。ニンフ頼むよ」
[了解です、マスター。……認識障害及び、結界隠蔽展開完了]
「よし、アースラに結界展開完了の通信を入れて」
[了解]
暫く待っていると玄関前に複数の転移反応が出始める。どうやら転移が始まったようだ。
転移自体は直ぐに終わりそこからプレシア達五人が現れる。荷物は事前に庭に転移するように打ち合わせていたのですぐ送られるだろう。
案の定五人が現れてから数分もしないうちに庭に荷物が現れた。
私は五人が現れると直ぐに、
「ようこそ私の家へ歓迎します」
と、挨拶をした。そして五人は、
「ええ、これからよろしくね樹」
「よろしくお願いします、樹」
「樹よろしくね」
「世話になるよ樹」
「イツキ~これからよろしくね!」
と、返事を返したのだった。
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引越しのゴタゴタが二日で何とか終わり、今はこれから必要になるだろう小物や食事の為の食材を買いに街へ買い物に行くことになった。
ただテスタロッサ家はなのはに顔が知られているため、まだ顔合わせしていないというリニスが私と一緒に買い物に行くことになった。
その際、リニスに猫耳と尻尾はどうするのかを聞いてみたら、
「そのことなら…ほら」
リニスが何か魔法を発動すると猫耳と尻尾が消えて代わりに人の耳が出てきた。
変身魔法の一種なのかと尋ねたら、
「そのようなものです」
と答えが返ってきた。その様子を見ていたアルフが、
「樹も確か温泉の時に会っていたよね。その時のあたいも同じような事してだんだよ。最もあたいはそんなに長く変えていられないんだけどね」
と言って苦笑していた。
そんなやり取りを家で行った後、私とリニスは商店街の常連になっている八百屋に来ていた。
「こんにちは」
私が挨拶をすると店の奥から20代後半ぐらいのお兄さんがやって来た。
「おう、樹じゃねえか今日も買い物かい?……ん?おいおい樹、綺麗なお姉さん連れてんじゃねか。どうしたん?」
お兄さんがリニスについて聞いてきたから、私は予め決めていた話をお兄さんに話した。
「ああ、この人はリニスって言って私の知り合いなんだ。
以前住んでいた場所がなにかの事情で住めなくなったから私の家に代わりに住むように話したんだ」
嘘は言っていない、真実を話していないだけで。お兄さんは私の話ではあまり納得しなかったようだがリニスが、
「初めまして、私はリニスです。樹君とはちょっとした知り合いで、今回困ってた所に相談したら樹君の家を紹介してくれたんです。
これから此方の街で住むことになりますのでよろしくお願いしますね」
「こ、こちらこそよろしく!」
どうやらリニスの笑顔にやられたようだ。まぁ気持ちは分からないでもないけど。
似たようなやり取りを商店街の皆さんとし、買い物を済ました。
買い物を済ませた私達は家に帰り、プレシア達にアリシアのことで話があるといってリビングに集まるようにしてもらった。
「さて樹、アリシアのことで話があるといっていたけど、どのようなことかしら?」
プレシアが単刀直入に聞いてきたので、私も勿体ぶらずに素直に言う。
「前に言っていたアリシアの背のことですよ」
私がそう言うと、アリシアがすぐに反応した。
「え!本当!?イツキどうすればいいの!?」
「落ち着いてアリシア、今からその説明をするから」
「うん、分かった」
アリシアが落ち着いたのを見計らって私は説明を始める。
「まぁ説明といっても魔法なんですが、プレシアさん私が使った魔法を覚えていますか?」
「ええ、私が見たことのある樹の魔法はアリシアを癒した魔法と、私の病気を治療した魔法薬作成の魔法だったわね」
私の説明に戸惑いを覚えながらも答えるプレシア。
私は頷きながら、
「そうです、今回もまた魔法薬作成の魔法で何とかします。ただ先に言っておきます。今回作る予定の魔法薬は成長を促進させるものです。
効果として成長が通常の100倍になります」
「100倍!?それはすごいわね。でもそれだけ効果が高いと何かあるのでは?」
「ええ、副作用として効果がある間はお腹が直ぐに減ります。また新陳代謝が促進されるので髪はどんどん伸び垢が大量に出てしまいます」
「それはまた女の子に対して嫌な副作用ね」
「ええ、ですからあまりお薦めはしません。ですがそれでもアリシアが成長したいなら無理強いはしませんが」
そう言って私はアリシアに向き返答を聞く。
「どうする?アリシア」
「う~ん、それでもやりたい!垢はお風呂に入れば大丈夫だよね!」
「ん、分かったよ。じゃあ準備するから少し離れてね」
「ね、姉さん大丈夫なの?」
フェイトは心配なのかアリシアに声を掛ける。しかしアリシアは心配いらないよと言ってフェイトを宥めていた。
「樹、手伝うことはあるかしら?」
プレシアがそう言ってくれたので、私は封時結界を張ってもらうように頼んだ。そして私自身は結界隠蔽を発動させる。
「それじゃあ今から魔法薬を創るけど、このことは誰にも言わないようにね、特にアリシアとフェイト」
「なんで私とフェイトだけ念入りに言うのよ」
「フェイトは聞かれたら言いそうだし、アリシアは自分から言いふらしそうだから」
私の言葉が図星だったのか二人共呻きながら黙った。
「よし、やるよ。ニンフ、リミッター解除」
[了解マスター]
ニンフの声と共に私に掛かっていたリミッターが解除される。それを見ていたフェイトとアルフは、
「え……嘘……樹あんなに魔力あったんだ……私なんかよりよっぽど高い」
「なんだい、樹のやつ何時もは手を抜いてたんかい!?それでいてあれだけ強いのかい。たまったもんじゃないね」
その呟きを聞き流しながら私はペンタグラム・シフトを発動させる。今回もウィスプのペンタグラム・シフトだ。
ただ前回より少しだけ負担が軽いような気がしたが今は魔法薬の作成に集中することにした。
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結果は前回は気を失って寝てしまったが、今回は気を失うまではなかった。
恐らく魔力が上がったのか、もしくは前回と同じウィスプのペンタグラム・シフトだったから多少は慣れたのだろう。
「ふぅ……出来ました」
私の目の前にあるのは【
「説明しますね。この魔法薬は丸薬1つで効果は6時間、そして60個入りです。
計算上はこの60個分で約4年分に相当します。ですので今のアリシアが5歳ぐらいの身体なので全て使えばフェイトと同じ9歳相当になるはずです」
私の説明にアリシアとプレシアが聞き入っている。
「なので、今から毎日2個ずつ使用して30日間経てば7月までにはフェイトと一緒に学校に入れるはずです」
「今からね…結構厳しいわね」
「ええ、薬の効果が出ている間は食事をしないといけませんからね」
食べ続けることに若干アリシアは苦い顔をした。
「食事に関しては私も学校にいる時以外なら手伝いますから」
「そうね、私もリニスも料理は出来るけど人手は多いほうがいいわね。すまないけどお願いね」
こうしてアリシアの成長促進作戦は始まるのだった。
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―――6月4日午前0時とある場所―――
その日とある少女の元に四人の騎士が降り立った……
そして物語はまたも紡がれていく……
第37話終了です
今回はフェイト達の引越しとアリシアを成長させる方法でした
最後にちらりと出たのはもちろんあの娘になります