精霊使いの転生者   作:キジトラのヌコ

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精霊使いの転生者 38

 時は移り七月。

今日は朝から担任の先生から転校生がやってくると連絡がきた。にわかに騒がしくなる教室内。

生徒の一人が、

 

 「先生!転校生は男ですか?女ですか?」

 

 と、聞き。先生は、

 

 「女の子よ、それも二人」

 

 と言い、教室の男が一気に湧き上がる。

 

 「キターーーー!女の子!」「俺にも春がきた」「俺が先だ!」「お前じゃねー、俺だ!」

 

 騒がしい男子を冷ややかな目で見る女子。それを静かにしなさいと言う先生。

漸く静かになったところで先生が廊下にいるだろう二人に教室へ入ってくるように促す。

二人揃って入ってきた姿に、また教室内がざわめき始める。そんな中なのははとても驚いていた。

二人は教室のざわめきに驚きながらも教壇の前に立ち、拙い文字で黒板に自分の名前を書いていく。

 

 「フェイト・テスタロッサです」

 

 「アリシア・テスタロッサ、フェイトの姉だよ。みんなよろしくね!」

 

 「見て分かると思いますが、二人は双子です。みんな仲良くするようにね」

 

 二人の自己紹介が終わり続けて先生が二人に席を教えて座るように指示した。

 

 「さて早速授業を…と思いましたが。せっかく転校生が二人も来ましたので、一時間目は二人に対して質問タイムにします」

 

 「やったー!さすが先生!話がわかる!」

 

 先生の言葉に生徒達が沸き立つ。直ぐに男子達が質問を矢継ぎに飛ばす。

アリシア、フェイトは質問された数が多くて四苦八苦しながら質問に答えていたが、

 

 「あんた達ちょっとは相手のことを考えなさいよ!二人共困ってるじゃない!」

 

 アリサが男共を黙らせる。

 

 「ごめんなさい。皆悪気はないんだけど、転校生は結構珍しいからはしゃいだみたい」

 

 アリサの啖呵の横ですずかが二人に謝っていた。

その後、アリサが質問の仕切りをして回りつつがなく終わっていった。

 

 

 

*************

 

 

 

 放課後。アリシア、フェイトを加えた私、なのは、アリサ、すずかは皆でまとまって校門に向かっていた。

 

 「それにしてもフェイトちゃんが転校してくるなんて知らなかったよ。しかもアリシアちゃんも一緒になんて」

 

 「そうね、フェイトちゃんのことはなのはちゃんから見せてもらったビデオレターで知っていたけどアリシアちゃんは初めてだよ」

 

 「それにしても樹はそんなに驚いてなかったわね、もしかして知っていたの?」

 

 なのは、すずか、アリサが次々に言い、その問に私ではなくアリシアが答える。

 

 「そうだよ~樹は始めから全部知ったんだ。だけど私達が黙ってて言ったの」

 

 「樹は私達が転校するために色々勉強を教えてくれたの。樹が黙っていたのは私達のせいだから樹を責めないでね」

 

 続いてフェイトがこれまで樹が黙っていたのは私達のせいと言って私を責めないでねと言ってくれた。

 

 「そういえば、さっきの質問の時に家の住所だけは答えなかったわね、どうしてかしら?」

 

 アリサの疑問にフェイトが私を見て、

 

 「えっと樹、言ってもいいの?」

 

 「まぁこの三人は友達だしいつかは分かることだから言ってもいいよ」

 

 「どういうことよ樹」

 

 アリサは解らないといった顔でこちらを向く。

 

 「つまり私達家族は今、樹の家に住んでいるの」

 

 アリシアがそう言うと、三人は立ち止まって固まる。

その様子を見た私はアリシアとフェイトに耳を塞ぐように注意した、直後。

 

 「「「えええええぇぇぇぇええええ!!?」」」

 

 三人は絶叫する。悲鳴を聞きつけた周りの人達が此方を向き何事だと思ったようだ。

私は何でもないよと言って誤魔化した。

 

 「ちょっと樹どういうことなのよ!」

 

 「樹君それ本当なの!?」

 

 「いいなぁアリシアちゃんとフェイトちゃん……」

 

 アリサが私の肩を掴んで前後にガクガク揺らす。

 

 「ア、アリサちょっとは落ち着いて」

 

 「これが落ち着いていられないわよ」

 

 「ア、アリサちゃん。樹君が目を回しちゃうよ」

 

 アリサをなだめるためにすずかが声を掛けるが、あまり聞こえてないようだ。私はされるがままに肩を揺らされる。

フェイトが私とアリサの間に入り何とか私はアリサから解放された。

 

 「あ、あのね理由もちゃんとあるんだけど、ここじゃあまり言えないの。だから…」

 

 フェイトが此方を見た。多分私の家で話したいのだろう。それぐらいは構わないので頷きつつ、

 

 「私の家で理由と経緯を話すから」

 

 「絶対だからね!」

 

 アリサはそう言って引き下がる。それを聞いたなのはが何かに気づく。

 

 「そういえば……私、樹君の家行ったことないかも…」

 

 なのはの呟きにすずかとアリサも気づく。

 

 「確かに私も知らないかも…‥」

 

 「私も知らないわ……」

 

 「それじゃあ一度翠屋に集合して、それから私の家に案内するから」

 

 アリサは頷いて、

 

 「翠屋に集合してるから、ちゃんと来なさいよ」

 

 と言った。他の二人も同じように頷いてその場から別れた。

 

 

 

*************

 

 

 

 「ごめん、待たせたね」

 

 「遅いわよ樹」

 

 私の到着が遅かったのか、アリサが文句を言う。

 

 「それじゃあ行こうか」

 

 暫くして。

 

 「ここが私の家だよ、さあ上がって」

 

 「「「お邪魔します」」」

 

 三人を迎えたのは、

 

 「あら、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」

 

 プレシアが玄関前まで出てきて三人に挨拶をした。

 

 「三人共リビングで待ってて、飲み物とか持ってくるから」

 

 「あ、樹いいわよ私が持って行くから。アリシアとフェイトはもうリビングにいるから友達と一緒に待っててなさい」

 

 「すみませんプレシアさん、ではお願いします」

 

 私は三人をリビングに案内し、既に待っていたアリシアとフェイトにお待たせと言って三人をソファーに座るように促す。

 

 「さて、どこから話そうか?」

 

 そう言って私は周りをぐるりと見渡し、そしてアリサが口を開く。

 

 「そうね、なら何時からフェイト達がここに住んでいるのかそれからね」

 

 「分かったよ、フェイト達だけど実は……」

 

 そしてフェイト達テスタロッサ家がどのようにして此方にやって来て、私の家に住むようになったのか。

本人であるプレシアやリニス、アリシア、フェイトを交えて説明するのだがそれはまた別の話。




第38話終了です
今回リアル仕事が忙しく短くなってしまいました
次回は6月に起きた出来事、主にアリシアとフェイトの話の予定です
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