精霊使いの転生者 番外編 其ノ二
精霊使いの転生者 番外編 其ノ二 六月の出来事
私はアリシア・テスタロッサ。ちょっと前まで身体が五歳ぐらいだったんだけど、今はフェイトと同じくらいの背格好になったんだよ。
あ、フェイトっていうのはね私の妹なんだ。フェイトはちょっと特殊な事情があるんだけどここでは言わないからね。
それで身体が五歳ぐらい
今からその時の様子を思い出すから。
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―――六月一週目
「それではこれからアリシアに薬を飲んでもらうけど、フェイトは私が持ってきたテストをやってもらうよ。
このテストはこの間の中間テストだからある程度は参考になると思うよ」
イツキが薬と一緒に紙束を持ってきたと思ったらそんなことを言ったの。仕方ないけどフェイトも災難だね。
そんな事思っていたら、
「あ、もちろんアリシアもこのテストはやってもらうからね」
「うぇ!?」
あぅ、変な声が出ちゃったの。そうだよね私もやらないとイツキ達の学校に転校できないよね、やりたくないけどガンバル。
「プレシアさん、リニスさん料理の準備はどうですか?」
「準備は万端よ樹」
「問題ないわ何時でもいいわよ」
お母さんとリニスが準備は出来てるって言ったから、私はちらりとテーブルの上を見てちょっと絶句しちゃった。
テーブルの上にはこれでもかってぐらいの料理が並べてあったの。あんなにたくさん食べれない気がするんだけどな…
私がそう考えているのが分かったのか、イツキがこう言ってくれたの。
「大丈夫だよアリシア、薬が効いている間はたくさん食べてもすぐに消化されるから」
「そうなんだ、それじゃあ薬を頂戴イツキ」
薬を貰った私は直ぐにそれを飲んだ。そしたら直ぐに効果が出てきたのかお腹が減ってきたの。
「あぅぅお腹減ってきたよ~」
「ほらアリシアご飯食べなさい」
「うん、いただきます」
私は用意してもらった料理を食べる。
「あ、おいしい!」
「よかった、まだまだあるからしっかり食べてね」
―――三時間後
「本当にお腹が一杯にならない、どゆこと?」
「詳しくは言わないけど、そういうものだと思ってくれればいいよ」
「でもさすがにまだ三時間しか経ってないからあまり成長したというには見えないわね」
「二、三日も経てば髪の伸び方で直ぐに分かりますよ」
「それもそうね」
私が食べている間、フェイトはリニスとお勉強をしていた。時折イツキにも教えてもらっていたようで頷いていたよ。
―――一週間後
今日で薬を飲み始めてから一週間。私はよく解らなかったけど、髪が物凄く伸びていた。
イツキの計算だと一週間で大体1年分と言っていたから、私は今六歳相当の身体のはず。……どうなんだろ?
「ねぇお母さん。私の身体、成長してる?」
私は気になったからお母さんに聞いてみた。
「ええ、成長してるわ。正直半信半疑だったけれど一週間前より確実に成長しているわよ」
「本当!?やったー」
私が喜んでいると、
「アリシア、食べて成長もいいけど勉強もしないといけないからね」
イツキがそう言ってきたの。
「忘れたかったのに……」
―――六月三週目
三週目に入って私の身体は自分でも分かるほど成長していた。それにしても…
「イツキって本当に料理が得意なんだね。リニスやお母さんの料理より美味しいのは初めて」
「本当よね、私もリニスも料理にはそこそこ自信があったけど…あれを見たあとじゃ自信を無くすわ」
お母さんがそんなこと言っていた。そんなにイツキが料理してるところはすごいのかな?
「プレシアちょっといいですか?」
「あらリニスどうしたの?」
「食材が少なくなってきましたので樹と買い物をしてきますので、アリシアとフェイトの勉強を見ててください」
「あら、そうなのね。気をつけて行ってらっしゃい」
「ええ、行ってきます」
*************
「すみません樹、手伝ってもらって」
「いえこれぐらい問題ありませんよリニスさん」
私は今、樹と大型スーパーに向かっていた。
いつも行く商店街だと間隔が短いのに大量買いすると怪しまれるからと樹から言われ、それもそうねと頷きこうして大型スーパーに向かっていた。
「樹はいつの間にあれだけの料理の腕を持っていたんですか?」
私はふと疑問に思い、樹に聞いてみた。
「そもそも今まで一人暮らしだったから必要に迫られて、いつの間にか腕が上がっていました。
それから料理を作る楽しみを覚えて段々と色々なレシピを覚えていきましたね」
「そうだったんですか。……でも包丁捌きの手元が見えなかったんですけど……」
「何か言いましたか?」
「何でもないわ」
その後、私達はアリシアとフェイトの勉強について色々話しながらスーパーにたどり着いた。
野菜や果物、肉類をカゴに入れていると樹から、
「そういえばアリシアとフェイトに嫌いなものってあるんですか?」
と、聞いてきた。それに対し私は、
「二人に食べられないものはないはずよ、まぁ腐った物はダメに決まってるけどね」
と、冗談めいて言ってあげた。そしたら…
「…なら納豆はダメだね、そうなると
私の半分冗談に真剣に悩んでいた。
その途中、野菜コーナーで選んでいる最中、二十歳ぐらいの金髪の女性と同じ食材を手にしてお互い謝っていた。
私はその様子を見ながらあることに気づいた。その女性は魔力を持っていた。
匠に魔力を隠していたが僅かに漏れていた。もしかしたら私達の魔力にも気づいた可能性もあるかも知れない。
私がそんな考えをしているうちに樹と女性は軽く会釈して別れた。
「リニスさんどうかしましたか?」
樹が話しかけてきたので私は先程の女性について聞いてみた。
「樹、先程の女性ですが……」
「あぁあの人ですね、……魔力を持っていましたね」
やはり樹も気づいていたようだ。
「私と同じ食材を手にした時、僅かに動揺をしていました。恐らく私の魔力に気づいたでしょう」
「やっぱりね、もしかして私の魔力も気づかれたかしら?」
私の疑問に、
「それは判りません。私から見てもリニスさんの魔力は完璧に隠蔽されてます。
よっぽどでなければ見破ることはできないと思います」
「ありがとう樹。そうねあちらからなにかしてこない限り此方から手は出さない、それでいきましょう」
話はこれで終わりとして私と樹はレジに向かっていった。
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「お待たせザフィーラ」
「ふむ、何かあったのか?少し表情が硬いが」
ザフィーラの問に私はスーパーで会った子供の事を話す。
「ちょっと魔力を持った子供がいてね、少し動揺したわ」
「魔力を持った子供だと?」
「ええ、でも随分と低かったわ、はやてちゃんよりもずっと少ないわね」
私の言葉にザフィーラは、
「その子供は問題ないのか?」
「ええ、随分と可愛い女の子だったけど、見た感じ特にどういうこともなかったわ」
「そうか、問題ないというなら此方から干渉することはないだろう。主が待っている、シャマル行くぞ」
「ええ、帰りましょう」
そして私と狼形態のザフィーラははやてちゃんの家に帰った。
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―――六月四週目
私はひと月頑張ってフェイトとほとんど変わらない背丈まで成長していた。(それでも少しだけフェイトより背が低かったけど…)
食事の合間に勉強をしていたおかげで何とかフェイトと一緒に同じ学校に通うことができそうだった。
「うーん、やっと明日からイツキと同じ学校に通えるんだね楽しみ!」
「そうだね姉さん。私はなのはに会えるのが楽しみだけど」
私達が明日のことで話していたらイツキが帰ってきた。
「ただいま」
「あ、お帰りーイツキ」
「いよいよ明日から通うからお祝いになのはのお店のシュークリームを買ってきたよ」
「え、本当!?」
あ、フェイトがすごい反応した。でも仕方がないよね私もあのシュークリームは美味しいのは知っているし。
私達三人はリビングに戻って一緒にいたお母さんとリニスにもシュークリームを分けていた。
楽しく明日のことを話していた時、ふと気になることがあってイツキに尋ねてみた。
「ねぇイツキ」
「ん?どうしたのアリシア」
「イツキは男の子なのになんで女の子の制服を着ているの?」
それを聞いたとたんイツキは苦い顔をした。
「そういえば気になるわね、よく似合っていたから気にしなかったけど」
お母さんも気になったみたい。
「あれは……ある人の陰謀です……」
そういってイツキは女子制服の経緯を語ってくれたの。それを聞いたときは、流石にイツキに同情しちゃった。
だけどお母さん達は違う思いをしたみたい。
「……なんて素晴らしい校長なの、是非連絡を取らなければ……」
「……樹の素晴らしさを分かっている……」
「アルフ、母さん達は何を言っているの?」
「あ~…うん、フェイトは気にしなくてもいいさね」
「そうなの?」
そうして騒がしい夜が過ぎて行き、なのは達と出会うことになったの。
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「これが私とフェイトが六月でやってた事だよ」
私はなのは達に六月に何をやっていたのかを話した。
もちろん私が魔法薬で成長したというのは話していないよ。
イツキとお母さんから絶対に話しちゃダメって言われてたから勉強のことを中心に話したの。
「へぇ、随分と苦労したのね」
アリサが私の話の苦労を分かってくれたみたい。
「でもこうやって皆と一緒に学校に通えることになったんだからイツキには感謝してるよ」
「そっか、それじゃあ改めて。これからもよろしくねフェイトちゃんアリシアちゃん」
「うん、よろしく皆!」「よろしくなのはちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、樹」
こうして私の騒がしくも楽しい生活が始まった。
番外編 其ノ二 六月の出来事終了です
今回六月に何をやっていたかを書きました
次回はまた本編に戻ります
前回の投稿をして少し経ったらいつの間にかお気に入りが300件超えてました
急にお気に入りが増えて驚きました
これからも頑張って書いていきます