―――八月二週目―――
私は無限書庫の閲覧期間が迫ってきたのでユーノに戻るよと言ったのだが、
「嫌だ!僕はここに残る!この無限書庫に残って全ての記録をみるんだい!」
と盛大に駄々を捏ねて散々手を煩わせたので仕方なくドリアドにシフトし、睡眠魔法【スリープフラワー】で強制的に眠らせやっと帰路に着いた。
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私は久しぶりに商店街に赴き買い物をしていた。
「お久しぶりです、お元気でしたか?」
「おう、樹じゃねえか最近見なかったがどっか行ってたのか?」
「そんなところです」
私は八百屋のお兄さんに挨拶をしつつ野菜を見て回っていた。
買うものが決まりカゴに入れて会計をしていたら、
「おう、そういや今週の土曜に神社で祭りがあるんだ、良かったらお友達と来てくれや」
「お祭ですか?」
「そうだ、結構大きい祭りでな、夜には花火も上がるみたいだぜ」
「へぇ、それはすごいですね。分かりました、友達の都合が良かったら行ってみることにします」
その後、肉屋にも行って買い物をしたが、そこでも祭りのことを話題にしたのでとても楽しみになった。
帰宅後、祭りのことをアリシア達に話したところ、
「それなら皆で浴衣を買いに行きましょう」
と、プレシアが言ったので私も特に反対はなく皆で浴衣を買いにデパートに行くことになった。
途中プレシアがなのはに連絡をしていた為デパートの入口で合流した。
なのはは桃子さんと来たらしく手を振って近づいてきた。
私達は挨拶もそこそこにデパートに入っていく。
デパートに入った私達は男女に分かれて後で合流することになった。
といっても男は私一人なので店員に浴衣を観せてもらい直ぐに決めてしまったので店の外で皆を待っていた。
ちなみに、私が選んだのはごく普通の藍色の浴衣だ。
店の中から皆の声が楽しく聞こえるので悩みながら選んでいるのだろう。なぜかプレシアと桃子さんが同じように色々物色していているのが気になっていたが……
二時間ほど掛かってやっと決まり漸く店から出てきた。
どんな浴衣にしたのか一応聞いてみたが、やはり当日まで内緒だそうだ。まぁ当然だろう。
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そして祭り当日。私達は祭りの会場である神社にやってきた。なのはは後で合流するそうだ。
ここでやっと皆の浴衣姿を確認できたのだが、アリシアは白生地に向日葵の柄が散りばめられた浴衣。
フェイトは黒生地にトンボが描かれた浴衣だった。
私は男性用なので藍色の柄無しの単純な物だ。ただ髪が少し鬱陶しかったので髪をアップにしてバレッタで纏めていた。(本人は気づいてないが男性用浴衣でも周りからは女の子にしか見えてなかった)
暫く三人で喋っていたらなのはがやってきた。
なのはは桜色に朝顔が描かれた浴衣だった。
三人共良くにあっていたのでそのことを言ってあげたら皆少し顔を赤くしながらもありがとうと言った。
そんなことがありながらも私達は祭りの会場に入っていった。
会場である神社は屋台が立ち並びあちこちで焼きそばや焼きイカ、ヨーヨー釣りお面屋等、たくさんの屋台が所狭しとやっていた。
私達四人は話しながら横に並んで参道を歩いていた。
すると前方からどこかよく見た人影がやってきた。人影は私達の前まで来ると、
「あら、あんた達も来てたんだ」
「あ、皆こんばんわ」
「アリサちゃんにすずかちゃん!?二人共来てたんだ!」
そう、やってきたのはアリサとすずかだった。
二人共浴衣を着ており、アリサは茜色に椿の柄が入った浴衣で、すずかは紺色に笹の柄が描かれている浴衣だった。
「どうしているの?」
アリシアが疑問に思って二人に聞いてみていた。
「どうしてって言われてもね、このお祭りの提供に私とすずかの家から出ているからよ」
「そうなんだ!?」
月村家とバニングス家が協賛していたのは初めて知った。
どうやら二人共先程来たばかりらしく手持ち無沙汰だったらしい。そこでなのはが、
「だったら一緒に見て回らない?」
と言い、二人共特に何もなかったからすぐに了承して私達は一緒に回ることになった。
私達はいろんな屋台を見て回り、時に食べ物やヨーヨー釣りをしながら歩いていた。
そんな中、屋台の一つに輪投げがあった。それを見たアリサが、
「へぇ、輪投げなんてものまであるんだ。景品はっと」
どうやらここの輪投げは直接景品に投げずに手前の点数が書かれたピンに入れた合計点で景品が変わるらしい。
景品は一番安くてガムやお菓子の小袋、高いものはゲーム機の本体なんてものまであった。
「お、嬢ちゃんやってみるかい?」
「そうね、一回お願い」
アリサは輪投げのの店長から五つ受け取りそれを慎重に一つずつ投げていく。
結果は五つ中三つがピンに入り、中くらいの景品を当てたようだ。
「ああもう、あと少しだったのに」
「いや、中々良かったよ。ほら景品」
「お兄さん私も!」
今度はアリシアが挑戦するみたいだ。
「えい、えい、それ!」
リズムよく投げていくがピンに入ったのは僅かに一つだけ。
「あら~惜しかったな、ほいこれが残念賞だ」
「姉さんの仇は私が!」
そう言って今度はフェイトが挑戦するみたいだ。結果はアリサと同じ三つ。
同じようになのは、すずかも挑戦するがどれも三つまでしかピンに掛からなかった。
そして最後に私も挑戦することになった。
「最後はそっちの嬢ちゃんか」
「樹、全部ピンに入れなさいよ」
「樹君がんばって」
「樹お願い」
「樹君私の分もがんばって」
「イツキ~どうせならあの一番大きい景品狙って~」
そう言ってアリシアが一番大きい景品を指さした。
「お兄さん、あの景品はどうすれば挑戦できるかな?」
「お、やるのかい?だったらちょっと待っててな」
そう言って店長さんはピンの位置を今までより奥に配置した。
「ここから投げて五個全部ピンに入ればあのゲーム機が取れるぜ」
「じゃあいきますね」
私は軽く答えて、無造作に輪を投げる。軽く投げた輪は吸い込まれるようにピンに入っていく。
「え?え!?」
「いいわよ樹」
「イツキ~やっちゃえ」
三つ投げたところで残りは二つ、そこで私は残りを両手に持って同時に投げた。
狙い道理、輪は重なるように中央のピンに入っていく。
「すごい樹君全部入ったよ!」
「樹君すごいすごい」
「イツキ~やった~」
「はぁ~なんてこったい、取られちまった。しょうがない、これが景品だ」
そう言った店長は景品を渡してくれた。
「まいったな、やられたよ」
そう言いながらも店長は終始笑顔だった。
私達はその後もいろんな出店を回り、いつしか花火が上がる時間になったので移動しようということになった。
花火が上がりその綺麗な景色を見ながら、
「またお祭りがあったら一緒に来ようね」
となのはが言い。皆頷いていたのだった。
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私達が祭りの会場を後にした数分後、そこには二人の女性と二人の少女、そして大柄な男性がやって来て出店を制覇したとかしなかったとか……
物語は確実に交差に向けて進んでいた……
第40話終了です
今回は8月2週目を書きました
物語に登場している神社ですが、とらハに登場する神社のつもりです
ただ、実際にお祭りがあるのかは分かりません
舞台として使いやすかったので登場させました
次回は3週目と4週目を書く予定です
追記 誤字アリス⇒アリサ
を修正しました