精霊使いの転生者   作:キジトラのヌコ

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A's編開始
精霊使いの転生者 43


 ―――十月

 

 私はいつものように朝早く起き、棍を持ち出し道着に着替え日課のランニングに出かける。

朝早いせいですれ違う人は少ないが、出会う人には常に挨拶を忘れない。

公園に着きそこで柔術と合気の型をニンフに確認してもらいながら練習する。

以前までは家の庭で練習していたが、フェイト達が住むようになってからは起こさないように公園で練習をしていた。

型の練習を終えると次は歩法の練習に取り掛かる。

空中だとあまり効果が無いが、地上なら充分すぎるほどの効果が認められる。

当初はすり足だけでもかなり難しかったが、現在では緩急を付けることで相手からは距離感が掴めにくくなったり、姿がブレるようになった。

私はこの歩法に【柳】と名付けた。最も極めるにはまだまだ修練が必要であり、呼吸するのと同じよう自然に出来るようになりたかった。

続いて棍を手に持ち、突き・払い・打ち込みの基本を繰り返し、さらに相手からの攻撃を想定しながら受けの練習をする。

最後にニンフに封時結界と認識障害の結界を張ってもらい、エレメンタル・シフトを駆使した各種魔法を軽く発動させる。

一通りの練習を終えるといい時間になるので結界を解除してから家に帰る。

 

 家に帰ると既にリニスさんが起きており朝ご飯の準備に入るところになる。

 

 「おはようございますリニスさん」

 

 「あらおはよう樹、いつも早いわね」

 

 「もう日課ですので慣れています。それじゃあ汗を流してきますね」

 

 「ええ、いってらっしゃい」

 

 私は汗を流すために風呂に向かいシャワーで汗を流す。

風呂から出る頃になるとアルフやプレシアさんが起きてくる。

アルフは狼姿でやってくるが、ご飯の時は人の姿になる。

プレシアさんはその日によって起きてくる時間が変わってくる。主に前日で何をしていたかによってだが。

偶にお昼なっても起きてこないこともあるので徹夜で研究でもしているのだろう。

今日のように早く起きてきた時はリニスさんと共にご飯を作っている。

 

 「おはようございますプレシアさん、アルフもおはよう」

 

 「おはよう樹」

 

 「おはようさね樹」

 

 「アリシアとフェイトは?」

 

 「いつも通りまだ寝てるよ」

 

 「あの二人もね樹を見習ってもう少し早起きしてくるといいのだけど…」

 

 そう言いつつもプレシアさんの顔は笑っている、今がとても幸せなのだろう。

 

 「まぁご飯になる前には起こしますから」

 

 そう言いながら私も苦笑いをしている。やがて朝ごはんが出来る直前にやっと二人が起きてくる。

 

 「二人共、おはよう」

 

 「おはよう樹……」

 

 「にゅ~おはようなの」

 

 「もうすぐ朝ごはん出来るから顔洗ってきて」

 

 私の言葉に二人は少々フラフラしながらも洗面所に向かっていく。

さっぱりした二人がテーブルに着き、皆で朝ごはんを食べる。

 

 登校時間が迫って来るとアリシアとフェイトは慌ただしくなり準備を始める。私は昨日の夜には準備を終えているので、用意するのはお弁当ぐらいだった。

 

 「二人共もうすぐバスがやってくる時間だよ」

 

 「わわ、待って待って」

 

 「あ、お弁当持たないと」

 

 毎朝似たような光景が見られるので、私はもちろんプレシアさんやリニスさんもすでに慣れてしまっている。

 

 「それじゃ、行ってきます」

 

 「「行ってきます~」」

 

 「「いってらっしゃい」」

 

 

 

*************

 

 

 

 バス停にはすでに何人かが待っていており、私達はその子達に挨拶をする。

 

 「みんな、おはよう」

 

 「あ、おはよう樹君にアリシアちゃん、フェイトちゃん」

 

 「おはよう樹」

 

 ここで待っている子は私のことを昔から知っており、私が男なのも知っている。

バスを待ちながら今日の授業が何をするのかや朝の占い等何でもないことで暇をつぶす。

やがてバスが到着しみんなが乗り込む。バスにはすでにアリサとすずかがバスの後方に陣取っており、私達が乗り込むと手と声を上げる。

 

 「樹、アリシア、フェイトおはよう」

 

 「三人共、おはよう」

 

 「アリサ、すずかおはよう」

 

 「「おはよう」」

 

 挨拶が終わり五人で話しているとすぐに次のバス停に着く。

ここのバス停でなのはが乗り込んでくる。なのはは此方にすぐ気付き挨拶をする。

 

 「みんなおはよう」

 

 「「「「「おはようなのは」」」」」

 

 なのはが加わり六人になるが話していることはあまり変わらない。偶に宿題をやったかどうかと聞いたりするぐらいだった。

 

 

 

*************

 

 

 

 教室に着けばみんな思い思いに椅子に座っておしゃべりをしている。

だがチャイムが鳴るとすぐに自分の席に戻り先生が来るのを待つ。

チャイムが鳴り終わる前に先生が入ってきてみんなに挨拶をする。

 

 「みんなおはよう、元気だったかな?じゃあ出席をとります」

 

 「……うん、みんな出席してるね。それじゃHR始めるよ」

 

 特に問題はなくHRは終わりその日の一時間目が始まる。

 

 

 

*************

 

 

 

 昼食の時間。その日も同じようになのは達とお弁当を食べていた。

そんな中すずかが、

 

 「そういえば私夏休み中に新しいお友達ができたの」

 

 「へーなんていう子なの?」

 

 アリサがすずかにどんな子なのかを聞く。

 

 「私達と同じ年齢でね図書館で会ったんだ」

 

 「名前はなんていうの?」

 

 「八神はやてちゃんって言うの」

 

 すずかがその子を言った。どうやら八神はやてというらしい。それを聞いて私は、

 

 「その子ってこの学校の子なの?」

 

 「そうみたいだけど、ちょっと事情が有って今は休学してるんだって」

 

 なにやら少し問題が有って学校に来れないそうだ。本人がいないのに詳しくは聞かないほうがいいだろう。

 

 「それで今日もその子と図書館で会うんだけど、みんなも一緒に来る?」

 

 すずかの提案に、

 

 「あー私は今日は習い事があるから無理ね」

 

 「私もお店のお手伝いがあるの」

 

 「アリシアちゃんとフェイトちゃんは?」

 

 「私はアルフの散歩があるから」

 

 「私はそのーやりかけのゲームが……」

 

 「みんな来れないの?樹君はどうなの?」

 

 「私は特に予定はないし、たまには図書館も行ってみたいね」

 

 「じゃあ学校が終わったら図書館で待ち合わせしよう、その時にはやてちゃんを紹介するから」

 

 すずかと約束をして昼食は終わった。

 

 

 

*************

 

 

 

 放課後、私は制服を着替えて図書館に向かった。

図書館の前には既にすずかが待っていたようで、此方を見つけると手を振って合図してくれた。

 

 「あ、樹君こっちだよ~」

 

 「ごめん、待たせたみたい」

 

 「ううん大丈夫、私もさっき来たばかりだから」

 

 すずかは大丈夫だよと言って笑ってくれた。

 

 「はやてちゃんはもう図書館に居るから行こう」

 

 すずかの後に続いて図書館に入っていく。

図書館の奥まで進んでいくと、そこには明るい茶髪で車椅子に座った女の子が本を読んでいた。

 

 「はやてちゃんお待たせ、来たよ~」

 

 すずかの声にはやて?が振り向き、

 

 「あ、すずかちゃん待ってたで~」

 

 「紹介するね、この娘が八神はやてちゃん。夏休みにで会った私の新しい友達だよ」

 

 「初めまして、私は櫛灘樹です。よろしくね」

 

 「わたしは八神はやてや、はやてって呼んでーな」

 

 そう言うとはやては此方を上から下まで見て一言、

 

 「樹って女の子なん?」

 

 「違うよ」

 

 はやての女の子発言に私は違うと即答する。

するとはやては此方を向いて車椅子を進ませ、おもむろに

 

 ―――ガシッ!

 

 はやてが私の胸あたりを掴む。

 

 「無い!けど柔らかい!」

 

 ―――ガシッ!

 

 続いて私の〇間を掴む……

 

 「ある!……なんでや、そない可愛い顔して男の子…いや男の娘なんかい」

 

 そんな行動をみたすずかが顔を朱くしていた。私といえば、

 

 「一応女の子がそんなことをするもんじゃないと思うけど……」

 

 私は私で呆れていた。

そんなやりとりをしながらも私とすずかとはやては時間の許す限りお互いのことで話し合っていた。

どうやらはやては現在、原因不明の下半身不随で休学していたそうだった、その事で原因は分からないのかと聞いてみたが、医者でも分からなかったそうだ。

それでも今は家族が居るから楽しく暮らしているそうだ。

またはやては家事が得意らしく、家ではいつも料理をしているらしい。

私も料理が得意だと伝えると、

 

 「ほな今度家にこんか?その時、樹の料理を食べさしてもらうわ」

 

 そういうことになったので双方の都合が合った時に連絡出来るように、電話番号とメールアドレスを交換した。

やがて時間は夕方になり、

 

 「もうこんな時間だね、そろそろ帰ろうか」

 

 「あ、ホンマや。迎え呼ばんと」

 

 そう言ってはやては携帯で誰かと話をして携帯を閉じた。

 

 「いや~楽しい時間は短く感じるな~」

 

 「本当ね」

 

 私達三人ははやての迎いが来るまでまた話していた。時間もそれなりに過ぎた頃、

 

 「はやてちゃん、迎えに来たわよ」

 

 「あ、シャマル」

 

 その声がした方に私は振り向く。

 

 「紹介するな、わたしの家族の一人のシャマルや」

 

 「シャマルです、はやてちゃんがお世話になったようでありがとうございますね」

 

 「いえ、こちらこそ……、あの…もしかして以前どこかで会いましたか?」

 

 私の言葉にシャマルは、

 

 「いえ…初めて……ああ、たしか六月の時の!?」

 

 どうやら見間違いではないようだ。

 

 「なんやシャマル知り合いだったんかい?」

 

 「知り合いと言うか…」

 

 「六月にスーパーの買い物で同じ商品に同時に手を出した時に初めて会いました。

もっともその時は名前まではお互い名乗りませんでしたけどね」

 

 私もシャマルも苦笑しながらもはやての疑問に答える。

 

 「そうやったんかい、なら次に来るときは残りの家族も紹介するさかい、楽しみにしててや」

 

 はやてとシャマルに押してもらって家に帰っていったのだった。

 

 「明るい娘だったね」

 

 「うん、他のみんなにもちゃんと紹介したいな」

 

 私とすずかは軽く笑いその場で別れてお互いの家に帰っていった。

この後に起る未来など気づかずに……




第43話終了です
今回よりA's編開始となります
今回はプロローグ的なものなのではやてとシャマルのみの接触です

書き上げたのが朝の2:35です……きつかったですとても
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