「お前の魔力もらっていく!覚悟!」
―――ドゴッ!
少女の攻撃がなのはのシールドを破壊しレイジングハートを直撃する。
「キャ―――ッ」
「なのは!」
なのはは後方に吹き飛び少女は追撃するため追っていく。
「させない!」
フェイトが少女の前に立ちはだかりそのまま戦闘に突入する。
「ちぃ!退きやがれ!」
両者は激しく立ち回り戦闘はさらに過激になっていく。
なぜ二人が襲われているのか、それは突然の事だった。
*************
時は既に十二月、寒波が押し寄せ始め寒くなってきた今日この頃。
私は食材の買い物のために一人買い出しに来ていた。
「今日の献立は何にしようかな……」
私は冷蔵庫や、まだ残っている食材を思い出しながら一人考えていた。
そんな時である。広域に封時結界が張られたのだ。
「封時結界!?いったい誰が?」
[マスター、結界の中心はおおよそですが判明しました、ここから東約500メートルになります]
「意外と近いな……」
そして結界の中心が判明してすぐのことだ。
[マスター、結界の中心あたりになのはとフェイトの魔力反応が有ります。更に未確認の魔力反応が一つ、既になのは達と交戦しているようです]
「直ぐに助けに行きたいけど……何か嫌な予感がする……」
私は少し考えた後ニンフに伝える。
「助けに行くけど姿をエルナトに変える、それからシフトをドリアドにして不意打ちに備えるよ」
[了解ですマスター]
ニンフが返事をし即座にエルナトへと姿が変わる。そして【エレメンタル・シフトドリアド】へ変化をし準備は完了する。
「よし、行くよ」
私は飛翔魔法を発動し空へと舞い結界の中心へと赴く。
結界の中心ではなのはと赤髪の少女が戦っており、なのはが押されていた。
「なぜこんなことをするの!?」
「うるせえ、そんなこと言う訳無いだろうが!」
赤髪の少女はハンマーのようなデバイスを振り回しなのはを追い詰めていく。
「お前の魔力をもらっていく!覚悟!」
少女がグラーフアイゼン!と叫ぶとデバイスから薬莢のような物が飛び出し少女の魔力が跳ね上がる。
そのままハンマーを振り下ろしなのはの障壁を破壊しレイジングハートを中破させる。
「キャ―――ッ」
「なのは!」
少女がなのはに追撃しようとする時、フェイトが少女の前に立ちはだかりそのまま戦闘に入る。
私はその様子を少し離れて隠れながら見ていた。
「ニnっとルビス、なのはの様子はどう?」
[先程の少女の攻撃によりレイジングハートが中破程度の損傷をしています。なのはのダメージはそれ程ではありません]
「そうか、一応無事と言えるか」
私はそのままフェイトと少女の戦いを見ていたがニンフから、
[マスター、結界外から転移魔法の反応があります]
ニンフがそういった直後、少女のすぐそばに桃色の髪をした女性が現れた。
「ヴィータ無事か?私があいつの相手をする、お前はあの女の魔力の蒐集を」
「すまねぇシグナム」
シグナムと呼ばれた人物はヴィータに変わってフェイトを相手にするようだ。
そしてヴィータと呼ばれた少女はフェイトのスキをついてなのはに向かっていく。
「まずいな、ルビス助けに入るよ」
[了解です]
私は短距離転移を発動し、ヴィータとなのはの間に転移する。
私に気づいたヴィータは急停止し、様子を伺うように此方を睨みつける。
「てめぇは誰だ!」
「私はエルナト、しがないフリーの魔導師です」
「誰でもいい、そこを退きやがれ」
「嫌ですね、退いて欲しかったら力ずくでやってみなさい」
「はっ上等!ならテメェを潰してお前の魔力も頂く!」
ヴィータがハンマーを振りかざしながら襲ってくる。
私は一歩引きハンマーをやり過ごす。
「チッ、避けんな!」
そう言いつつもヴィータは更にハンマーを振り回し攻撃を続ける。
私は冷静に観察しながらその攻撃を回避し続ける。
「ハッ避けてばかりで攻撃できないのか!?」
「それもそうですね、なら今度は此方から……」
「やってm…!」
ヴィータの台詞が終わる前に私は素早く動きヴィータの懐に入る。
私の動きに反応したヴィータはハンマーを横薙ぎに振るう。
私はその動きを見つつもヴィータに合気を仕掛ける。
ヴィータは自分の意思とは無関係に上下逆さまになり、そこに更に私が回転方向に蹴りを入れて回転を加速させる。
「う、うおおぉおおぉぉ」
ヴィータは初めて受けた攻撃に悲鳴のような声をあげる。
私はそこから更に空中に地面のような障壁を展開し、そこを足場にしてヴィータの腹に掌底を叩き込む。
この掌底は中国拳法の発勁を参考にし、掌底と共に気ではなく魔力を叩き込んで相手を無力化する。
ただ撃つだけではなく、軸足となる脚から螺旋を描くように脚、腰、肩、腕へとなめらかに動かすことによって威力を格段に上げることができる。
そしてその攻撃を受けたヴィータは後方に吹っ飛んでいく。
先回りしたシグナムがヴィータを受け止める。
「大丈夫かヴィータ」
「クソッ、なんだ奴は魔法も使わずにこの私をここまで吹き飛ばすなんて。しかもさっき受けた逆さまになる攻撃が良く分からない」
「私も、少しだけ見ていたが奴の攻撃が解らなかった、掌底だけは魔力と同時に叩き込んだのは分かったのだが」
「それよりシグナムそっちはいいのか?」
「ああ、黒い魔導師も早かったが私のほうが一枚上手だったな、奴のデバイスは破壊したが蒐集する前にヴィータが吹き飛ぶのが見えたのでな」
シグナムの言葉に「そうか」とヴィータが言う。
「それでどうする、このまま二人で奴を倒すか?」
「それもいいが、奴の攻撃の正体が分からなければ返り討ちもありうる。ここは一旦引くのもありかもな」
シグナムがそう言ったその時である。シグナム達の前方、すなわち私の後方から魔力が吹き上がる。
「この魔力はなのはだね、なにをするつもりなのやら」
その直後だ、桃色の光線が直上に立ち上り結界に衝突して結界を破壊した。
[封時結界の破壊を確認、恐らくスターライトブレイカーによる副次効果と思われます]
結界が破壊されたためか、シグナムとヴィータは苦々しい顔を浮かべながら転移魔法で撤退していった。
その様子を見て私はやっと警戒を解いた。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「いや、無事…ではないね。たまたま通りかかっただけだから。それより君のお友達は大丈夫なのかい?」
フェイトがデバイスが中破しながらも此方にやって来たのでなのはが無事なのかを聞いてみた。
「あ、そうだった!なのは!」
私に指摘されたフェイトはなのはがいる方向に文字通り飛んでいく。
私はその後にゆっくり着いていく。なのはが落ちた場所に着くとフェイトとなのはが抱き合っていた。
なのはが此方に気づき「誰ですか?」と聞いてきたので、
「エルナトと言います、フリーの魔導師をしています。
今回たまたま近くにいて貴女方が襲われていたので差しがましいかもと思いましたが助けに入りました」
「いえ、助かりました。あのままだったら私達倒されてましたから…」
「それより二人共、結界が無くなっているからバリアジャケットは解除してね」
「あ、すみませんお姉さん」
私の指摘に二人はバリアジャケットを解除する。
「それで二人はこの後どうするの?」
「私はレイジングハートが壊れちゃったから直してあげないと……」
「私もバルディッシュが破損したから直してあげないと……」
二人が途方にくれているとアースラから連絡が入るのだった。
第44話終了です
今回十一月は端折っていきなり十二月に入ってます
裏では十月の後半からヴォルケンリッターの蒐集が始まっていますが
十一月は大きなイベントが無かったという設定になっています
その為いきなり十二月に入ってます(苦しい言い訳……
次回はなのはとフェイトのデバイスがパワーアップ!?