精霊使いの転生者   作:キジトラのヌコ

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精霊使いの転生者 47

 レイジングハートとバルディッシュがカートリッジシステムの部品を要求してきた次の日。

実際に部品が手に入るのか聞いてみたところ、

 

 「部品自体は比較的簡単に手に入るわ。研究中とはいえ例が無いわけじゃないから」

 

 とのことだった。

 

 「ただ、問題なのは組み込んだ後ちゃんと起動できるかどうかね」

 

 確かに、せっかく取り寄せて組み込んでも起動しないのは切ない。

 

 「確かにそうですね。ですがそこは私も手伝います。こう見えて私もデバイスマイスタを持っています。

部品が到着したら連絡してください、手伝います」

 

 「助かるわ、正直私達だけで出来るか判らなかったしね」

 

 私はデバイスの手伝いを約束しその場を後にした。

 

 

 

*************

 

 

 

 二日後、部品が到着したと連絡があり私は管理局へと向かった。

現場では既にリニスさんとエイミィが二つのデバイスにカートリッジシステムの部品を組み込む作業をしていた。

私は二人に挨拶をし、デバイスに部品の組み込みを手伝いを始めた。

始めは中々上手く組み込む事が出来なかったが、三人寄れば文殊の知恵の(ことわざ)の通り段々と問題点がクリアされ、その日のうちに組み込みと調整ができた。

そしてデバイスの修理が完了したことをなのはとフェイトに連絡した。

 

 なのはとフェイトはちょうど学校が終わったところらしく連絡を受けた後直ぐに此方に来るそうだ。暫くして…リンディさんやクロノ、プレシアに、アルフも一緒にやってきた。

 

 「エイミィさん!レイジングハートが直ったの!?」

 

 「リニス!バルディッシュは!?」

 

 「二人共落ち着きなさい。デバイスならここよ」

 

 エイミィが二人を落ち着かせ二人にデバイスを渡す。

 

 「レイジングハートもう大丈夫なの!?」

 

 [問題ありませんマスター]

 

 「バルディッシュ無事!?」

 

 [ノープログレムです、サー]

 

 「二人共よく聞いてね。二つのデバイスは修理の際デバイスの意向によりカートリッジシステムが搭載されました」

 

 「「え!?」」

 

 エイミィの言葉になのはとフェイトが驚く。

 

 「でもエイミィさん、たしかカートリッジシステムは搭載が難しいって言ってませんでしたか?」

 

 なのはの疑問にエイミィが答える。

 

 「確かに相性は悪く搭載は難しいと言ったわ、でも私を含めたこの三人でどうにか搭載できたのよ」

 

 「本当?バルディッシュ」

 

 [サー、その通りです]

 

 「それじゃあレイジングハートは新しい力が使えるようになったの?」

 

 「レイジングハートだけじゃなくバルディッシュもカートリッジシステムが使えるわよ」

 

 リニスさんがどちらのデバイスにもカートリッジシステムが使えると言った。

 

 「カートリッジシステムについて詳しく説明するわよ」

 

 エイミィが二人に説明する。

要約すると、レイジングハートには中距離射撃のアクセルとバスター。フルドライブのエクセリオンモードの三つ。

バルディッシュには汎用のアサルト、鎌のハーケン。フルドライブはザンバーフォームの三つの形態がある。

ただ、レイジングハートもバルディッシュもフルドライブは破損の危険があるため、フレームの強化ができるまで起動させないようだ。

特に、なのはは無茶をするためリンディさんやエイミィから釘を刺されていた。

 

 「以上、デバイスの説明は終了。次は闇の書の事件について――クロノ君」

 

 事件という言葉に周りの空気がさらに静かになる。そしてクロノは言葉を発する。

 

 「今回の闇の書の事件には腑に落ちないことがある。それは守護騎士達がまるで自らの意思で闇の書を完成させようとしている感じがするということだ」

 

 「えっ、それって何かおかしいの?」

 

 クロノの発言に疑問を持つアルフ。

 

 「闇の書ってのは要はジュエルシードなんかと同じで、力が欲しい人が完成させようとするんだろ?

だったらその人の為にあいつらが頑張るのは当然じゃないのか?」

 

 アルフの意見になのは、フェイトは同意しているようだ。

だが私は実際に相対してみた感じでは少し違うような気がした。

 

 「過去に起きた事件での記録には完成前も完成後も純粋な力にしか使えない。少なくともそれ以外に使われたという記録は一度もないわ」

 

 クロノの言葉に付け足すようにリンディさんが言う。

つまり完成前、ということは過去何度か事前に対処を行っていたということ。聞いてる限り生半可な物では意味を成さない、純粋なエネルギー放出による滅却……

 

 「それからもう一つ、あの騎士達…闇の書の守護騎士の性質だ。

……彼らは人間でも使い魔でもない」

 

 クロノの言葉に思わず息を呑むなのは達。

 

 「闇の書に併せて魔法技術で創られた擬似生命……つまり主の命令を受けて行動するプログラムに過ぎない筈なんだ」

 

 「人間でも使い魔でも無い擬似生命って……私みたいな……」

 

 クロノの言葉にフェイトが呟き段々顔が暗くなっていく。

それに対してなのはが何か言おうとした瞬間、

 

 「必殺!お姉ちゃんフライングクロス!」

 

 ――ガスッ!!

 

 「あぅ!」

 

 突然現れたアリシアがフェイトの背後からクロスチョップで飛び込んできた。

倒れたフェイトにアリシアが馬乗りになり口を横に引っ張る。

 

 「この口か~!言ってはいけない事を言ったのはこの口か~!」

 

 「いふぁい!いふぁいよふぇさん!」

 

 口を引っ張られているせいで何を言っているか分からないフェイト。

 

 「アリシアその辺にしておきなさい」

 

 「む~~」

 

 「あうぅ~」

 

 プレシアに引き剥がされ膨れるアリシア。フェイトは引っ張られた頬を摩っていた。

その様子を横目にしながらエイミィは部屋を暗くし、闇の書と守護騎士が映っているモニターを出す。

 

 「守護騎士達は闇の書に内蔵されたプログラムが人の容を取った物よ。闇の書は転生と再生を繰り返すけど、

この四人はずっと闇の書と共に様々な主の下を渡り歩いているわ」

 

 「意思疎通の為の対話能力は過去の事件でも確認されているけど、感情を見せたという例は今までに無かったわ」

 

 「闇の書の蒐集と主の護衛、彼らの役目はそれだけですからね」

 

 モニターを元に解説をするクロノ、エイミィにリンディ。

しかしそれに異議を唱えるなのはとフェイト。

 

 「でもあの赤い髪の子、ヴィータちゃんは怒ったり悲しんだりしてたし……」

 

 「シグナムからもハッキリと人格を感じました。為すべき事があるって……仲間と、主の為だって言っていた」

 

 「それについては捜査に当たっている局員とユーノからの情報を待つしかないな」

 

 クロノは重い空気を払うように部屋の電気をつける。

 

 「転移頻度から見ても、主がこの付近にいるのは確実のようだ。案外、主が先に捕まるかもしれません」

 

 「あぁ~それはわかりやすくていいねぇ」

 

 「だね、完成前なら持ち主も普通の魔導師だろうし」

 

 クロノの推測に笑顔で答えるアルフとエイミィ。

 

 「はい、それじゃあ今日はこの話はおしまい!もう遅いしね」

 

 「え?わっ!もうこんな時間!?」

 

 リンディさんの言葉になのはは時計を見て驚く。

 

 「送っていきますよ」

 

 デバイスが修理されたといってもまだ不安があったため私が二人を送っていくことにした。

 

 「すみません、ありがとうございますエルナトさん」

 

 私の言葉にフェイトがお礼を言う。

なのはは何かを考えているのか少しの間黙っていたが、やがて意を決して口を開いた。

 

 「あの……エルナトさん少しいいでしょうか?」

 

 「何かしら?」

 

 「……あの……私を…鍛えてくれないでしょうか!?」




第47話終了です
今回は二人のデバイスの修理とパワーアップ、そして守護騎士の考察になりました
そして次回は樹(エルナト)が二人を鍛えることに?
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